大人AKB、ももクロ×北川景子、モー
娘。×森三中…アイドルが「大人の女
性」とコラボする理由

 モーニング娘。'14は、森三中の大島美幸、黒沢かずこを加えたユニット「モリ娘。」を結成。3月9日には東京・ラフォーレミュージアム六本木にて初ライブを開催した。AKB48は、3月4日より30歳以上を対象にした「大人AKB」を公募中。前田敦子の物まねで知られるキンタロー。などが、同公募への意欲を示している。ももいろクローバーZは、女優の北川景子を加えたスペシャルユニットとして「きもクロ」を結成。北川が主演する映画『悪夢ちゃん The 夢ovie』(5月3日公開)に先立ち放送されるスペシャルドラマ『悪夢ちゃんスペシャル』の中でデビューすることが決まっている。

 一般的に、10代~20代前半の女性が主役となる女性アイドルグループにおいて、このような動きが活発化している背景には、どんな事情があるのか。アイドルカルチャーに造詣の深いライター・物語評論家のさやわか氏は次のように分析する。

「今の女性アイドルグループの多くは、子どもからお年寄りまであらゆる層をターゲットにしようとするところに大きな特徴があります。たとえば、ももクロがドリフの物まねをしたり、子ども番組の主題歌を担当したりするのは、それぞれ全く違った幅広い層にリーチするための手段でした。なるべく多くの人が“自分のために作られている”と錯覚するような仕掛けをするのは、男性ファンの支持が中心と思われがちな女性アイドルグループにとって生存戦略と言っていいと思います。その結果として現在、女性アイドルは幅広い層のファンを獲得するようになりましたが、そのカルチャーの特性上、30代~40代の大人の女性層はまだ充分に取り込めていない状況にあります。アイドルファンになっている大人の女性も増えていますが、どうしてもオタク的な気質を持った層に偏りがちでした。そこで、女優として一般の女性からも人気のある北川景子や、お茶の間での好感度が高い森三中など、より一般的な大人の女性も興味を持つようなタレントとのコラボレーションが考え出されたのかと思います」

 AKB48の30代メンバー公募のCMは、30代の主婦が娘から「ママ、AKB48になってよう」とせがまれるという内容で、やはり従来のファンとは異なる層に向けたメッセージが読み取れる。

 アイドル=10代~20代前半の女性という固定観念を破るこれらの試みによって、アイドルカルチャーがより一般的な娯楽として浸透していく可能性は高そうだ。(リアルサウンド編集部)

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