【ライブレポート】フルカワユタカ、
バンアパ原やPOLYハヤシ等と熱演のツ
アー最終日「与えまくるからな!」

フルカワユタカの全国ワンマンツアー<ロックスターとエレキギター>のファイナル公演が4月21日、渋谷WWWで開催された。同ツアーは2019年1月からスタートし、全14ヵ所の規模で行われたものだ。先ごろ公開した速報に続いて、ファイナルの詳細レポートをお届けしたい。
この日は、事前に原昌和(the band apart)とハヤシヒロユキ(POLYSICS)のゲスト出演が発表されており、観客の間ではそれぞれどんなタイミングで出てくるのかという期待感があったかと思うが、SEのなか登場したのは、フルカワユタカ(Vo/G)と神林祥太(Dr)、そして原昌和(B)の3人だった。
▲w/ 原昌和(the band apart)


フロアが大きく湧き上がる中、原との共作曲「ドナルドとウォルター」でツアーファイナルを幕開け、「too young to die」「next to you」を原とともにプレイした。この3人の編成は昨年9月のフェス<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2018>でも実現したが、コンビネーションが抜群だ。特にテクニカルで華やかなギターとベースの競演が楽しめる「ドナルド&ウォルター」は、互いに向き合ってテンションを高めていくように音を掛け合い、会場の温度も上げていく。

「too young to die」「next to you」と3ピースながらそれ以上に感じる密度の高いアンサンブルを聴かせると、フルカワは改めて原を紹介し、歓喜に沸く観客に「一発目からくると思わなかったでしょ?」と語る。コメントを求められた原は、「ずっとコイツのファンでいてくれる方は、最高ですよね。いいやつなのは当たり前だけど、ちゃんとエンターテイナーでしょ? コイツのことを好きだっていうことで恥をかかないライブになると思います。与えられるんじゃなく、与えてやってください」と語った。“ロックスター”フルカワをいじれるのは旧知の仲だからこそだ。
▲w/ 原昌和(the band apart)


原の言葉を受け、フルカワも「与えてください……いや、与えまくるからな!」と観客を盛り上げ、続く曲からはツアーをともにしてきた雲丹亀卓人(B)を呼び込み、「ベース雲丹亀卓人、ドラム神林祥太、アンド、アイム・ロックスター!」と叫び、「and I’m a rock star」から「nothin’ without you」と連投する。このツアーでいいライブを重ねてきたことは、楽しそうにプレイする3人の笑顔や、洗練されたライブアレンジが楽曲に施され、フィジカルに、キャッチーに磨かれていることからもわかる。

「can you feel」「lime light」と跳ねたビートで聴かせる曲で気持ちよくフロアを揺らし、ノイジーなギターで攻めるパワーポップ「DAMN DAMN」で爽快な風を吹かせると、フロアから「ロックスター!」と声が上がった。
「このツアーで14ヵ所まわってきました。長くツアーを回っていると、3枚のアルバムとシングルの曲もまた違う聴こえ方になってくる」──フルカワユタカ

そして7月にニューアルバム『epoch』をリリースすることを発表し、フィーチャリングシリーズとして今回のアルバムではBase Ball Bearとのコラボ曲も収録すると告げ、「言いたくて言いたくて仕方なかった。やっと言えた!」と笑顔を見せた。制作がいい感触で進んでいるのがわかる。
▲w/ UCARY VALENTINE


「僕はこう語った」でスタートした中盤には、再びゲストが登場。まずは、アルバム『Yesterday Today Tomorrow』にも参加した、UCARY VALENTINEが白いワンピース姿で登場し、「days goes by」で透明感のあるハイトーンボーカルでフルカワとハーモニーを描く。途中フルカワは歌詞が飛んでしまったようで、「すみません、女性の方とこうしてライブをすることがなかったので、歌詞が飛んでしまいました……またどこかで一緒にやらせてください!」と恐縮すると、UCARY VALENTINEは「フルカワさんは本当にロックスターだと思っているので。これからもついていこうと思います。ライブで会いましょう!」とニコリと返す。

すっかり“与えられている”状態のフルカワは、気合いを入れ直すように「I don’t wanna dance」でぶっといグルーヴに乗せ華麗にギタープレイし、続くコラボ曲「インサイドダウンとアップサイドダウン」でハヤシヒロユキを呼び込んだ。ハヤシはおなじみのツナギにバイザー姿でステージへと躍り出ると、人力テクノビートに乗せてステージを無尽に駆け巡る。
▲w/ ハヤシヒロユキ(POLYSICS)


フルカワとハヤシ、カタカナ同士の名前だがそれぞれフロントマンとして、ギタリストとして、独自の強い味があるゆえ、果たして混じり合うのか?という疑問もあるが、これが混じり合わないながらも異素材の衝突が生む摩擦や爆発、イビツさが曲のフックとして興奮を煽っていって壮大な曲になっているのが面白い。互いにグイグイと仕掛け合うようなプレイもスリリングで、ハヤシは暴れるだけ暴れて、颯爽とステージを後にした。蛇足ながら、終演後のハヤシに話を訊いたところ「MCの時間がなかったんだよ」とのこと。饒舌なハヤシとフルカワゆえ、ニコ生にて放送されていた生中継時間を考えると、MCはカットせざるを得なかったということだろう。しかし、前述したように、そのサウンド&プレイによるバトルは何よりも雄弁だった。

狐につままれたような観客を揺さぶり起こすように、「Beast」などアッパーなダンスチューンを投下し、「愛してるぜ、メイニア!」とDOPING PANDA時代の「Transient Happiness」「MIRACLE」でガンガンと踊らせ、さらに「シューティングゲーム」へとダンスチューンの連投で熱気を急上昇させていく。
「楽しい! もしかしたら俺が日本一ライブが好きなんじゃないかな。俺は天才じゃないけど、でもライブが好きな天才だと思う」──フルカワユタカ

本編ラストはパンキッシュにエネルギーを迸らせる「サバク」で、フロアにジャンプを巻き起こした。

アンコールでは、来るニューアルバム『epoch』から新曲「ロックスターとエレキギター」が披露された。アルバム音源では「たくさんの音が入っている」というこの新曲だが、「3人バージョンで、早く聴かせたかった」というフルカワ。大陸感のあるビートで、抜けのあるキャッチーなロックサウンドにアルバムへの期待がつのる。

「ツアーが終わっちゃうよ。終わりたくねえよ……」と駄々をこねながらも、秋にはアルバムを引っさげた全国ツアーが開催されるということで、「これからも追いかけ続けてください」と語ったフルカワ。そして「また会おう。愛してるぜ」と叫び、「farewell」「no boy no cry」で充実したツアーを締めくくった。
前述したように、フルカワユタカは7月に4thフルアルバム『epoch』をリリースする。『epoch』にはこれまで発表されたコラボ3曲に加え、7曲の書き下ろし曲が新録されるとのことだ。また、同アルバムを引っ提げて行われる<フルカワユタカ ワンマンツアー「epoch」>は、8月31日の千葉LOOK公演を皮切りに、ツアーファイナルとなる11月16日の渋谷TSUTAYA O-WESTまで14ヵ所をまわる全国ツアーとなる。そして、5月20日の下北沢・風知空知にて開催されるアコースティック企画<眠りたくない春の夜は>ではアルバム収録曲がいち早く全曲披露される予定だ。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎中條のぞみ

■<フルカワユタカ ワンマンツアー「ロックスターとエレキギター」>2019年4月21日(日)@東京・渋谷WWWセットリスト

01. ドナルドとウォルター
02. too young to die
03. next to you
04. and I'm a rock star
05. nothin' without you
06. can you feel
07. lime light
08. DAMN DAMN
09. 僕はこう語った
10. busted
11. クジャクとドラゴン
12. days goes by
13. I don't wanna dance
14. インサイドアウトとアップサイドダウン
15. プラスティックレィディ
16. Beast
17. Transient Happiness
18. MIRACLE
19. シューティングゲーム
20. サバク
encore
21. ロックスターとエレキギター
22. farewell
23. no boy no cry


■4thアルバム『epoch』(エポック)

2019年7月3日(水)発売
NIW147 / 3,056円(+税)
「ドナルドとウォルター feat.原昌和(the band apart)」
「クジャクとドラゴン feat.安野勇太(HAWAIIAN6)」
「インサイドアウトとアップサイドダウン feat.ハヤシヒロユキ(POLYSICS)」
Base Ball Bearとのコラボ新曲含む、全10曲収録予定


■<フルカワユタカ ワンマンツアー「epoch」>

08月31日(土) 千葉・千葉LOOK
open17:30 / start18:00
09月01日(日) 神奈川・横浜F.A.D YOKOHAMA
open17:30 / start18:00
09月8日(日) 群馬・高崎club FLEEZ
open16:30 / start17:00
09月29日(日) 茨城・水戸LIGHT HOUSE
open16:30 / start17:00
10月14日(日) 埼玉・西川口LIVE HOUSE Hearts
open17:30 / start18:00
10月19日(土) 京都・京都磔磔
open18:00 / start18:30
10月20日(日) 岡山・岡山ペパーランド
open17:30 / start18:00
10月22日(火) 静岡・静岡UMBER
open18:00 / start18:30
10月27日(日) 宮城・仙台space Zero
open16:00 / start16:30
11月2日(土) 北海道・札幌COLONY
open17:30 / start18:00
11月3日(日) 福岡・福岡Queblick
open16:30 / start17:00
11月9日(土) 大阪・梅田Shangri-La
open18:00 / start18:30
11月10日(日) 愛知・名古屋APOLLO BASE
open16:30 / start17:00
11月16日(土) 東京・渋谷TSUTAYA O-WEST
open17:30 / start18:00
▼チケット
4,200円(税込/Drink別)
一般発売:7月6日(土)
【SMA☆チケット 最速先着先行受付】
受付期間:4月22日(月)19:00~5月6日(月・祝)23:59
http://www.sma-ticket.jp/artist/furukawayutaka


■アコースティック企画<眠りたくない春の夜は>

05月20日(月) 東京・下北沢風知空知
open18:30 / start19:30
▼チケット
¥3,700(税込・別途ドリンク代¥600)
【風知空知メール予約】※先着受信順 / 整理番号付き
予約受付開始:4月27日(土)13時~
風知空知:yoyaku@fu-chi-ku-chi.jp
※ご希望公演名、日時、お名前、枚数、電話番号以上の5点を明記の上、お申し込みください
※受付開始時間前に受信したメールは、申し込み無効となりますので、メールをお送りの際にはご確認をお願い致します
※ご予約は1度のメールで2名様までとさせていただきます


■<THE SUN ALSO RISES vol.81>

5月11日(土) 神奈川・F.A.D YOKOHAMA
open18:00 / start18:30
出演:フルカワユタカ / ADAM at
▼チケット
ADV¥3500 / DOOR¥4000 (共にドリンク代別600円)
e+ https://eplus.jp/sf/detail/2867450001-P0030001
LAWSON TICKET https://l-tike.com/order/?gLcode=74217 ( Lコード:74217)


■<HAWAIIAN6 presents 監獄レスラーNIGHT>

6月12日(水) 千葉・柏ALIVE
open18:30 / start19:00
▼チケット
前売り¥3,000 / 当日¥3,500
発売日:4月27日(土)

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