清 竜人

清 竜人

【清 竜人 インタビュー】
次の時代に橋渡しができる
作品を目指した

令和の次の元号まで
聴かずに取って置いてほしい

話を作品に戻します。ここまで一貫して昭和を代表する名アレンジャーの方々に依頼をしてきましたが、今作では自身でのアレンジ曲(「25時のBirthday」「あいつは死んであの子は産まれた」)も収録されていますよね。

「25時のBirthday」に関しては基盤がボサ・ノヴァなんです。それこそ20~30年前はボサ・ノヴァでのアレンジの歌謡曲って世の中にもたくさんあったし、あの独特の郷愁感はJ-POPとも相性がいいですから。最近周りで聴かないので自身でやってみました。もちろん本格的なボサ・ノヴァをやられている方は今も多いでしょうけど、このようにテイストとして取り入れているものってあまりないんじゃないかな。

この曲は歌詞のフレーズこそ“Happy Birthday”と歌われていますが、歌自体はそこまで“Happy Birthday”じゃないところも面白いです。

そこが今作で大事にした哀愁感だったりもするんです。大きく言うと日本人の民度や裕福度が高くなるにつれて、哀しみの感受も減ってきている印象があって。で、アンビバレンツなんですが、ちょっと哀しみがあるところに哀愁ってあるじゃないですか。不幸を抱えている女性のほうがちょっと美しく感じるみたいな。そのちょっと哀愁や哀しみを携えてるほうがJ-POPとして絶妙なバランスでしょうし、その塩梅を狙ってみました。

「青春は美しい」みたいな謳歌路線も今作で突如現れた新要素ですよね。この曲は壮大だし、どこか卒業式のシーン等が思い返されました。

アレンジは瀬尾一三さんにお願いしました。代表的なアレンジで言うと中島みゆきさんだったりするので、スケール観を演出するのがとても得意な方との認識でお願いしたんです。

ちなみに清さん的には、今回のアルバムはどのような聴き方をされたいですか?

逆に買っても封も開けずに、令和の次の元号まで聴かずに取って置いてほしいです。次の次の元号になった時に、今作を聴いたらどのどんな感受を受けるのかにも興味があって(笑)。

(笑)。その理由は?

いつの時代でも通用するであろう普遍的なものを詰め込んだ自負があるので、果たしてそれがその時代の方々にそのように受け止めてもらえるのかって。まぁ、その時代では“お〜! CD、懐かしい!!”みたいなCD自体が前時代のフォーマットになっている懸念もありますが(笑)。

確かに(笑)。今年はいよいよデビュー10周年ですね。

それもありますが、この5月でちょうど30歳になるんです。なので、個人的には今年はメモリアルな感覚にはなってます。それに際して何か催しができたらと思って、5月25日に生誕祭的なハーレムフェスタを開催します。これはある種、自分へのご褒美のようなフェスで(笑)。今まで携わってくれたかわいいい女の子たちをはべらかせて何かいろいろとやる予定です。かわいいい女の子に囲まれていい気分で誕生日を迎えたいですから(笑)。

おひとりだけ狡いです(笑)。

僕の楽しんでいる姿を通し、それを観ている方々も一緒になって幸せな気持ちになってくれたら嬉しいです。あと、今作の楽曲を中心としたトークもふんだんに交えたライヴツアーも行なう予定です。僕自身以前はライヴでのMCってほぼしてこなかったんです。ところが、去年ぐらいからステージでも合間に喋るようになって。それがことのほか、楽しくなっちゃって(笑)。

私個人としては、清さんの今回の路線は一旦ここで完結するような気がしています。

かもしれません。ただ、先程と重複しますが、普遍的であり、どの時代に自分のレパートリーに今回の楽曲たちを交えて歌っても違和感のない作品が作れた気がしていて。今後も末永く歌っていける歌が揃った感がすごくしているんです。あとあと“清竜人の最初の10年って落ち着いていたよね…”とあとあと語られるぐらい、今後は派手にやっていこうかなと(笑)。

(笑)。その年齢を追う毎にやんちゃになっていく姿勢、いいですね。そう言えば、先日もデビューしたばかりの男性シンガーソングライターが清さんのスタンスや活動の遍歴に憧れてましたよ。“あそこまでフレキシブルにやれて、きちんとファンがついて来てくれるのはすごいし、あの方のような存在になりたい”って。

そうなんですね。若い世代のミュージシャンにそのように感じてもらえるのは嬉しいです。ある種、そういった方々にも影響を与えたり、手本や先駆けになるような活動をしている自負もあったりするので。僕みたいに伝えたい本質は変わらずとも、その手法を手を変え品を変えしてきたアーティストは、やはり日本では少ないでしょうから。逆に、それが自分の業界内のポジショニングにつながっているところもあるし。だけど、自分のようなアーティストがこの日本でももっと多くいてもいいとはずっと思ってます。自分はこのスタイルが健全だと信じてやってきたし。このようなスタイルをこれからの世代のミュージシャンの方が親近感を持ってくれたり、自分にフィットすると感じてくれる世の中になっていきそうな気配がすごくするんです。

取材:池田スカオ和宏

アルバム『REIWA』2019年5月1日発売 EVIL LINE RECORDS/KING RECORDS
    • 【初回限定豪華盤(DVD付)】
    • KICS-93791 ¥7,000(税抜)
    • ※外箱仕様、36Pフォトブック封入
    • 【通常盤】
    • KICS-3791 ¥2,778(税抜)

ライヴ情報

『KIYOSHI RYUJIN ALBUM TOUR 2019』
5/04(土) 東京・eplus LIVING ROOM CAFE&DINING
1部 OPEN 14:30 / START 15:30
2部 OPEN 18:30 / START 19:30
5/06(月) 大阪・フラミンゴ・ジ・アルーシャ
1部 OPEN 14:00 / START 15:00
2部 OPEN 18:00 / START 19:00
5/07(火) 愛知・名古屋ブルーノート
1部 OPEN 17:30 / START 18:30
2部 OPEN 20:30 / START 21:15

『清 竜人ハーレム♡フェスタ2019 10th ANNIVERSARY & 30th BIRTHDAY』
5/25(土) 東京・新木場 STUDIO COAST
出演者:清 竜人(10th ANNIVERSARY Special ver.)
and
上坂すみれ、佐々木彩夏(ももいろクローバーZ)、でんぱ組.inc、堀江由衣
※あいうえお順
司会:スパイク

『EVIL LINE RECORDS 5th Anniversary FES.“EVIL A LIVE” 2019』
7/15(月) パシフィコ横浜国立大ホール
出演:特撮、ももいろクローバーZ、ドレスコーズ、TeddyLoid、イヤホンズ、ロッカジャポニカ、サイプレス上野とロベルト吉野、月蝕會議、The Dirty Dawg(from「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」)、清 竜人

清 竜人 プロフィール

キヨシ リュウジン:2009年3月にシングル「Morning Sun」でメジャーデビュー。14年より一夫多妻制アイドルグループ“清 竜人25”としての活動を開始。プロデューサー兼メンバーである清 竜人とその妻たちで構成されるアイドルの固定概念を覆すまったく新しいエンターテインメントを展開するが、17年6月の幕張メッセイベントホールにて行なわれたライヴをもって解散。16年に新プロジェクト『TOWN』を発表。18年、レーベルをキングレコードに移籍し、19年5月にアルバム『REIWA』をリリース。21年3月にソニー・ミュージックレーベルズへ移籍し、同年4月に配信シングル「Knockdown」を発表した。清 竜人 オフィシャルHP

「青春は美しい」MV

『清 竜人 ワンマンライブ 2018 秋』
@TSUTAYA O-EAST ダイジェスト映像

OKMusic編集部

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