清 竜人

清 竜人

【清 竜人 インタビュー】
次の時代に橋渡しができる
作品を目指した

ニューアルバムのタイトルは“REIWA”。1年前の今頃より発進した今回の主路線でもある昭和歌謡や昭和ポップス等のサウンドアレンジやメロディーに、平成生まれ平成育ちの彼ならではの平成の男観が謡われてきた同シリーズ。それらに加え、主に今作の新曲群にうかがえる、時代は変われど変わらないもの、大切にしなくてはならないものといった令和以降観も加わり、昭和~平成~令和の三元号をつなぐ誠にコンセプチュアルな作品に仕上がっている。

今作の制作上で意識したのは
日本人特有の哀愁

まずは今作のタイトルとジャケット写真が新元号の発表直後には告知され、それがすでに“REIWA”となっていたタイムリーさには驚かされました。

今回のこの路線をスタートする際には、タイトルも新元号にすることも含めて、そこまで練ってました。用意周到、計画通り(笑)。“2019年に新元号に変わる”との情報を受け、なんとなく時代の変わり目に何か意味のある作品を作りたくて。そこからすぐ新元号に変わる5月1日の曜日を調べたんです。そしたらそれが水曜日で(主な音源パッケージの発売曜日)。“よし、これだ!”と。

たぶんこのアルバムタイトルを付けた第1号でしょう。それにしても製作的にもよく間に合いましたね。

タイトル以外は全て先に決めて組んでおきました。そこに新元号が決まり、それを当てはめて即制作に入れるスケジュールを組んで。それこそ新元号が“令和”で良かったですよ。タイトルにも存在感があるし、長くもなく収まりもいい。文字のバランス的にも良かったし。

と同時に、内容も含め、かなり周到なコンセプトアルバムに仕上がったことに改めて感心しました。

各時代をつなぐ作品内容にしたいとはもともと考えていて。タイトルに関しても昭和~平成~新元号と各時代をつなぐ意味も含め、新元号を冠することで作品のコンセプトとも上手いマッチングを見せられましたからね。

確かに、昭和~平成~令和と見事に3時代をつなぐ作品内容になりましたね。

そこも考えてました。時代の変わり目に出すアルバムとしてメモリアルなものにしたかったし。今だけでなく今後10年後、20年後、もっと先に振り返った時に、音楽シーン的にも、僕自身的にも、今作が何かとても意味のあるものにしたかったですから。

サウンドやメロディーはあえて昭和、歌詞は平成ならでは、そして新曲はなんとなく令和以降って感じですごく合点がいきました。

作品のコンセプトとしても時代をつなぐものではあるけど、日本の歌謡曲、J-POPの不変的なもの、人が少しずつ忘れかけているけど大事なもの、そんな音楽を遺したかったんです。それこそ昭和の第一線で活躍されてきたクリエーターの方々と、平成元年に生まれ平成とともに生きてきた僕というアーティストがコラボレーションをし、次の時代に橋渡しができる作品を目指して作りましたから。そう考えると全ての点を線にできる必要なキーワードたちだったんだなって。

で、今作を通して今回の活動の意味が、当初の平成の昭和歌謡やポップスから、“いつの時代も普遍的なもの”“いつの時代も大切にしなくてはいけないもの”へと移っていった流れも興味深かったです。そこでは改めて、清さんは伝達のスタイルは変われど、常に“愛”について歌ってきたことを再確認できました。

そう言っていただけると、ほんと嬉しいです。不変性を追った作品でもあるので。10年後、20年後、自分のキャリアを費やしたあとでもしっかりと歌える歌というか。どの時代でも自分のレパートリーと交わって歌わられても違和感のない、そんな曲たちが収まった自負はあります。

独特の“それでも地球は回る”感とでもいうか、最後は清竜人としてきちんと持って行ったなって(笑)。ここまでのシングルはわりと“男の背中”を想起させる曲が多かったのに対して、新曲群は謳歌や青春を想起させる曲が加わったのも特徴的ですね。

もちろん“男の背中”も今作の重要なテーマのひとつでもありました。だけど、それ以上に今作の制作上で意識したのは日本人特有の哀愁。センチメンタリズムですね。その辺りってJ-POPの根幹でもあるだろうし。なので、どの曲でも聴いていて胸がギュッとなったり、キュンとなったりする。そんな郷愁を帯びた感覚。その辺りを男の生き様に交えて歌うのもありだなと挑みました。そんな中で、やはり青春を切り取るのも美しいのかなと。思春期って一番多感だし、想い返してもいろいろといい感じに熟成されて美化されている想い出も多いじゃないですか。やはり甘酸っぱい想い出って記憶の中でも強く残ってますから。

ちなみに清さんが“青春してたなぁ”と思い起したりする事柄って?

やはり音楽まつわることがパッと浮かびます。10代のまだ何者でもない時に一生懸命お金を貯めて機材を買って、街中の劣悪なレコーディングスタジオでデモの音源を作ったり。で、それを各レーベルに送って、反響があって一喜一憂したり。今となってはどれも大切ないい想い出です。
清 竜人
アルバム『REIWA』【初回限定豪華盤(DVD付)】
アルバム『REIWA』【通常盤】

OKMusic編集部

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