【インタビュー】I Don’t Like Mon
days.、「二歩先を読んで、一歩先を
いく」

ジャズ、ファンク、ソウルからロックンロールまで、ジャンルレスなアプローチで独自のロックサウンドを追求し続ける、I Don't Like Mondays.(以下、アイドラ)が、avex移籍第一弾となる配信シングル「Do Ya?」をリリースする。
今作のテーマは90年代ヒップホップ。ミュージックビデオではメンバーがadidasを身にまとって登場するという意外な姿を見せた今回のパーティーチューンは、「前例のない音楽を突き詰めたい」という彼らの想いをギュッと凝縮した1曲だ。音楽とファッションをクロスオーバーさせる発信方法、ルーツミュージックを誰もが楽しめるポップミュージックとして昇華させる表現の在り方まで、今作を軸にアイドラが抱くアーティストとしての信念を探った。

   ◆   ◆   ◆

──移籍後初のライブ(3月31日に開催した渋谷WWW Xでのワンマンライブ)を終えたばかりですけども、手応えはいかがでしたか?

YU(Vo):そうですね。俺的には過去イチよかったですね。やっぱり東京が僕らのホームだし、ファンクラブで即完だったので、本当に濃いファンの方がたくさん来てくれたライブだったんですよね。

CHOJI(G):一応、デビューからいままでの曲をまんべんなくやりたかったから。ワンコーラスだけしかやらない曲も多かったんですよ。

YU:いままではそういうことをやらなかったんですけど、美味しいところだけやることで、その曲の良さが引き立ったりしたんですよね。

──メドレーではなくて?

YU:メドレーじゃないんですよ。アレンジで組み合わせてるから1曲に聴こえるけど、知ってる人が聴いたら、ちゃんと2曲に聴こえるっていう感じなんですよね。
──クラブっぽいやり方というか。

KENJI(B):あ、そうですね。DJのつなぎ方ですね。途中でマッシュアップさせたりっていう。僕らのなかで初めての挑戦だったから、けっこう楽しんでもらえたんじゃないかな。

YU:これからも取り入れたい手法ですね。

KENJI:今回はいままでやらない仕掛けをけっこう入れたんですよ。

SHUKI(Dr):YUとCHOJIがふたりでね。

YU:そう、アコースティックでやったりとか。

SHUKI:いままでのワンマンで学んだことを生かしてライブができましたね。

──そのライブのアンコールで新曲「Do Ya?」も披露したんですよね?

CHOJI:そうです。「Do Ya?」は良い意味でお客さんの期待を裏切る曲だと思うんですよ。流行りにのったみたいに見えるから、「ジャンルが変わった」っていう印象も持つ人もいるかもしれないけど、僕らが楽しんでやってるのを早くライブで見てほしかったんです。

YU:いままではライブで新曲を初披露すると、お客さんは聴き入っちゃうんですよね。いくら飛び跳ねる曲でも、盛り上がってないように見えて、「あれ、大丈夫だったかな?」ってなっちゃうんですよ。でも「Do Ya?」は“踊れる”っていうのを重要視したから、いきなりすごく盛り上がってくれたんですよね。



──今作のテーマは90年代ヒップホップですけど、どうしてそれを選んだんですか?

YU:avexには、まずダンスミュージックっていうイメージがあると思うんですよ。そういう意味では、いままでも僕らは踊れる音楽っていうのを意識して作ったんですけど、実はガチで踊れる曲を意識して作ったことはないんですね。結果、踊れる曲にはなるんですけど、やっぱり曲作りのうえではメロディを重視することのほうが多かったんです。でも、今回は踊れるビート感をいちばん重要視したんですよ。ヒップホップのビート感に、CHOJIのギターをのせることで、僕らがいままでやってきたエッジの効いたロック感も出したかったというか。でも、みんなやり方がわからないから、「え? どうやってやるの!?」ってなりましたけどね。

SHUKI:大変でしたね。そもそも僕が初めて聴いたヒップホップがRun-D.M.C.だったんですよ。8~9歳のとき。それがパっと浮かんだんですけど、それをそのままやってもただ昔の焼き増しになってしまうじゃないですか。だから、それをいまやる意義を持たせるのに、すごく考えましたね。古すぎても新しすぎても、ダメだったんですよ。それはレコーディングしてても正解の確信は持てなかったんですけど、ミックスして初めて落ち着いたんです。

KENJI:ナインティーズの雰囲気って、リズム隊が担ってる部分が大きいんですね。そこであんまり古臭くならないようにっていうのは苦労しました。そもそも僕が持ってるベースは、ナインティーズっぽい音が出ないベースなんですよ。だからローディーの方と相談しながら、当時の雰囲気が出るように弦をミュートして、ちょっとモータウンの時代っぽいベースの音を出せるように、試行錯誤したしりして。

YU:だから感覚としては、2019年のヒップホップなんだけど、ナインティーズの香りが入ってるっていう感覚ですよね。
──CHOJIさんは、ギタリストとして今作にはどんなスタンスで臨みましたか?

CHOJI:ヒップホップのなかにもベースとドラムは鳴ってるんですけど、ギターが登場しない曲が多いんですよね。そこにどういう混ざり方をするかっていうのが大変で。90年代のギターは良い意味で適当なんですよ。Pro Toolsもないから、一発録りでレコーディングしなきゃいけなかったりっていう過酷な立ち位置にあったのかなと思ったりして。だから今回は録音するときも、もうちょっと上手く弾けたんですけど、一発目の気持ちで弾きましたね。

YU:それこそRun-D.M.C.とエアロスミスが一緒にやったような感覚だよね。ヒップホップのビートに、CHOJIのハードロックのギターがのったら、総じてロックじゃない?ってなる。そういうことは前からやりたかったんですよね。

──いま世界的の音楽チャートのなかでヒップホップが優勢であるっていうのは、今作の方向性を決めるうえで意識したんですか?

YU:それもありますね。いま流行ってるのは打ち込みでダークなものが多いと思うんですけど、それを俺らがやるのは意味がない。トレンドにのっかるのはダサいから、それを汲み取りつつも、俺らの提示するものを出してるんです。

──歌詞は英語ですけど、2019年っぽいキーワードがたくさん使われてますね。

YU:うん。僕らの思想は歌詞に出てると思います。こういう踊れる音楽ができたときに、ただ「パーティをしようぜ」っていうだけじゃ意味がないなと思って。その時代のサウンドを取り入れながら、いまの時代のトレンドとなるキーワードを詰め込んでいったんです。ナインティーズには存在すらしてなかったワードを入れることで、世界に1曲もないものを提示したいっていうのはありましたね。
──「Do Ya?」っていうタイトルにしたのは?

YU:日本語のニュアンスでいうと、「やれんの?」っていう感じです(笑)。それもパーティーソングにするっていうところで、当時のパーティになくて、いまのパーティにあるものって何だろう?って思ったときに、インスタグラムだったんですよ。パーティでありそうな「ちょっとインスタで写真撮ろうよ?」っていうワンシーンですよね。でも、「それはちょっと危ないんじゃないの?」っていうのを歌詞に落とし込みたかったんです。

KENJI:これはよく書き上げたよね。

YU:逆に言うと、いつまで続くかわからない歌詞だとは思うんですけどね。

──いままでのアイドラの歌詞って、いまっぽさみたいなことよりも、むしろ普遍的であることにこだわってましたよね。

KENJI:ずっと聴き続けられるようにっていうのは言ってますね。

YU:でも、この「Do Ya?」っていう曲では、ただ表面のヒップホップのサウンドだけを取り入れてしまったら、そこに乗っかってるだけになるから、それはダサいと思ったんですよ。ヒップホップのマインドを理解したうえで歌詞を書きたかったんです。

──ヒップホップはサンプリングの文化だから、時代をリアルに反映しますもんね。

YU:そう。日本のロックミュージシャンが絶対に書かないことをやろうと思ったんですよね。

──これまでもその反骨精神でいろいろなジャンルに挑戦しているアイドラですけど、ずっと変わらずに持ち続けている想いって何だと思いますか?

YU:僕らは最先端でいたいんですよね。いま流行ってることを、いま流行ってても、それは最先端じゃないんですよね。次、自分らが目指すものは、いまの次、そのまた次を想像したうえで作りたいんですよ。二歩先を読んで、一歩先をいくみたいな。それが楽しいんですよね。時代を作っていきたい。

KENJI:それは最初から変わらないことですね。

SHUKI:あと、いままではバンドっぽいとかバンドっぽくないとか意識してたんですけど、それはまったくなくなりましたね。完全にフラットになってる。

YU:たとえば、打ち込みの曲を作っても、昔はバンドっぽくないかなと思ったりもしたけど、それをライブでも演奏できるっていう自信がついたことも大きいんですよね。
──もはや自分が何のジャンルであるかは関係なくなってる。

YU:そう。それがわかったうえで、“いまやりたいことは何なんだ?”って思ったら、バンドとして曲を出し続けたいんですよね。常に何かをやり続けたいっていうことなんです。

──なるほど。今回はミュージックビデオでadidasを着てるのもいいですね。

YU:たぶんいままでの僕らのイメージとは全然違うと思うんですよ。それに90年代のヒップホップにファッションは切り離せないですからね。

──それこそRun-D.M.C.と言えば、adidasですからね。

YU:そう、そういうところも表現したいんです。これまではバンドとして、ファッションと音楽をクロスオーバーさせるような表現を考えてきたんですけど、今回みたいに曲単位でファッションをテーマにしたことはなかったんですね。だから90年代ヒップホップにしようと思った理由のひとつに、ファッションっていうものも強かったんです。

KENJI:あ、そうだったね。

YU:“ファッション性を見せられるサウンド感はどこにあるんだろう?”って探していったら、90年代ヒップホップに辿り着いた……っていうのを、いま思い出しました(笑)。

──こういう話を聞いていると、アイドラは過去のカルチャーとかルーツミュージックを愛する気持ちとか、リスペクトする気持ちが強いバンドだなと思いました。

YU:たしかに。まあ、でも僕らのサウンドって、そういう蘊蓄を語ろうと思えば、いくらでも語ることができるんですよ。でも、あんまりそうあるべきではない。ふつうにJ-POPを聴いてる女の子でも楽しめるっていうのもひとつのテーマにしてるんです。

──なるほどね。ただ、個人的には今日話してくれたようなバンドの思想も含めて、アイドラがこういうバンドであるっていうのは、もっと認知されるべきだと思うんですよ。

CHOJI:やっぱり知ってもらわないとっていうのはありますね。どれだけ良い曲を作っても、知ってもらえなかったら悲しいじゃないですか。

SHUKI:僕らは、日本で前例のないことをしてる自覚があるんですよね。だから、どこが正解なのかっていう疑問を持ちながらやってるんですけど。そこまでやらないと、突き抜けていけないと思うんです。上限が見えるのは嫌だから。……っていう意味では、今回の「Do Ya?」っていう曲は、かなり突き抜けられたんじゃないかと思いますね。
──ちなみに8月には3年ぶりのアルバムリリースが決定してますけど、どれくらい出来上がってるんですか?

CHOJI:4割ぐらいかなあ(笑)。

YU:半分はいってないよね。去年たくさん作ったから、それが入るのかなと思うけど。

KENJI:いちばん良いものを選べれば、良い作品になると思いますよ。

YU:まだこういうアルバムにしようっていうのは見えてないんですけど、それが見えたら、一気に完成していくと思うんですよね。

──90年代ヒップホップ路線は続くんですか?

YU:それはわからない(笑)。

KENJI:まあ、全部がこういうふうにはならないよね。

──本当に楽しみにしてます。久々のアルバムですから。

YU:「3年ぶり」って大御所のペースだよね(笑)。

一同:あはははは!

取材・文◎秦理絵
写真◎尾藤能暢

NEW SINGLE「Do Ya?」

2019年4月17日(水)配信リリース
配信リンク
https://avex.lnk.to/idlms

<-I Don't Like Mondays. 2019->

9月22日(日)愛知・ボトムライン
9月29日(日)大阪・梅田クラブクアトロ
10月5日(土)神奈川・横浜ベイホール
10月12日(土)茨城・水戸ライトハウス
10月19日(土)北海道・札幌DUCE
10月27日(日)埼玉・HEAVEN'S ROCK さいたま新都心
11月3日(日)福岡・福岡BEAT STATION
11月16日(土)宮城・仙台darwin
11月24日(日)千葉・柏PALOOZA
12月1日(日)新潟・新潟 CLUB RIVERST
12月21日(土)広島・広島CAVE-BE
12月22日(日)岡山・CRAZYMAMA 2nd ROOM
2020年2月8日(土)東京・TOYOSU PIT

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