「臼井孝のヒット曲探検隊 ~
アーティスト別 ベストヒット20」
14作のミリオンセラーを記録している
Mr.Childrenを探求

CD、音楽配信、カラオケの3部門からヒットを読み解く『臼井孝のヒット曲探検隊』。この連載の概要については、第1回目の冒頭部分をご参照いただきたい。ただし、第5回の安室奈美恵からは2017年末までのデータを、そして前回の松任谷由実からは2018年までのデータを反映している。今回はMr.Children(以下、ミスチル)の総合的なヒットについて迫ってみたい。

「CROSS ROAD」で初のミリオン、
アルバムは10年代までメガヒット継続

ミスチルは、桜井和寿(主なパート(以下同):ボーカル&ギター)、田原健一(ギター)、中川敬輔(ベース)、鈴木英哉(ドラムス)からなる全員69年~70年生まれの同級生4人組で、92年にアルバム『EVERYTHING』でメジャーデビューを果たした。FMラジオ局や衛星波の音楽専門チャンネルにて人気を高めていたところ、翌93年に4thシングル「CROSS ROAD」がドラマ『同窓会』(日本テレビ)の主題歌に起用される。様々な愛の形を取り上げた当時としてはかなり画期的なドラマだったことと、新進気鋭のバンドが起用されたこと。そして、何よりメッセージ性が強くありつつ押韻や対句表現の多い文学的な歌詞や、それを伝えうる繊細さと大胆さを併せ持った歌声、演奏との相性が抜群で、初動6.5万枚から番組終了後もロングヒットを続け、累計125万枚を超える自身初のミリオンセラーとなった。これを皮切りに98年まで合計10作ものシングルでミリオンセラーを記録、またアルバムではCDバブル期をとうに過ぎた00年代や10年代も含め合計14作のミリオンセラーを記録している。
また、ミスチルは大型タイアップのついたシングルや、それら強力作を多く収録したオリジナルおよびベストアルバムを発売する一方で、ヒット確実な時期に敢えてより自由に制作できるノンタイアップ・シングルや、アルバムからのリカット・シングルを発売し、その商業性と音楽性のバランスの両極を往来することで、この25年以上の間、コアファンとライトファンを上手に育ててきている。

アルバム『重力と呼吸』収録の
シングル「himawari」のMusic Video

彼らのヒット曲は非常に層が厚いので、この3部門で切り取ってみることは他のアーティスト以上に有意義になるはずだ。

OKMusic編集部

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