ATOM ON SPHERE 7年ぶりアルバムに
注ぎ込まれた情熱、“楽しむこと”を
実現する4人の瞬発力と結束力

Shigeo(Gt&Programming / The SAMOS、ex. SBK)の呼びかけに応え、KEN LLOYD(Vo / OBLIVION DUSTFAKE?)、ケイタイモ(Ba / WUJABINBIN、ikanimo、ex. BEAT CRUSADERS)、桜井誠(Dr / Dragon Ash)という顔ぶれが揃い、2011年に結成。同年12月、セルフタイトルのアルバムでデビューを飾ったATOM ON SPHERE

その後、メンバーそれぞれの活動と並行しながら、マイペースにライブを続けてきた彼らがついに7年ぶりとなる2ndアルバム『The Secret Life Of Mine』 を完成させた。それぞれにリアルタイムで聴いてきたオルタナティヴなロックとダンスミュージックの融合に挑戦した全10曲は、7年を経て、前作以上に研ぎ澄まされたものに。
インタビューからも、4人がまず何よりも楽しむことを第一に考えていることは伝わると思うが、そこは歴戦のプレイヤーたちだ。Shigeoのヴィジョンを形にしようと一丸となった時の瞬発力、結束力、演奏力がひとつになって生まれる化学反応はスリリングの一言。楽しむことが第一と言いながら、そのスリルに引き寄せられるように4人はATOM ON SPHEREの名の下、集まっているようにも思える。
5月には『“THE SECRET LIVE OF MINE”TOUR』と題して、バンドにとって初めてとなる東名阪ワンマンツアーも開催。4人の絶妙な関係性を楽しみながら、そのワンマンツアーも含め、4人が顔を合わせたその瞬間に注ぎ込む情熱も、ぜひインタビューから読み取っていただきたい。
みんなそれぞれにやりたいことができているから、ここでは楽しくないと意味がないっていうのがまず第一にある。
――7年ぶりというこのタイミングで、新しいアルバムをリリースしようというのは、どんなきっかけからだったんですか?
桜井誠(Dr):作品も出さずに、ライブも1年に1本とか、多くても年に6本とか、“何やってんだ、こいつら?”と思ってたかもしれないですけど……。
KEN LLOYD(Vo):実は、アルバムは前から作ってはいたんですよ。ただ、4曲ぐらい録って、そこからが長かった。だから、今回のアルバムの曲も半分ぐらいは、もうライブでもやっているんです。
Shigeo(Gt&Programming):ね。
桜井:ライブによく来てくれるお客さんは、“あ、あの曲、やっと出るんだ”って思うと思いますよ。
――いつ頃から作り始めていたんですか?
KEN:1stアルバム『ATOM ON SPHERE』(2011年12月発売)をリリースして、その1年後ぐらいには作り始めてたよね。
Shigeo:その時点で、3、4曲ぐらいあったよね。
KEN:1stアルバムを出した直後に、“定期的に集まって、ちゃんとやろう”って話し合ったんですよ。それでも7年かかったっていう(笑)。
桜井:やっぱり、各々に他のバンドもやっているっていうのもあるんですけど。
ケイタイモ(Ba):タイミングがね。
桜井:あと、音源の出しどころ? 2枚目はどこから出そうか、そこが決まらないとなかなか完成まで持っていけなかったっていうのもあるし。
Shigeo:1stアルバムはメジャーレーベルから出させてもらったんですけど、色々話した結果インディペンデントでやりましょうと!
KEN:ただ、インディペンデントでやっていこうと思いながら、僕らがなかなかそのモードになれなかったっていうのがあって。
桜井:リリースが決まらないと、制作にもなかなかムチが入らないしっていう時期があって、なおかつ各々の活動が忙しい時期も重なって。
Shigeo:その間にハードディスクが飛んだりして。
桜井:それで、“あー、もうやらない”ってなって、1年ぐらい何もやらないみたいな(笑)。
――それで1年ぐらい経って、どんなふうにまた集まるんですか?
Shigeo:“俺のこと覚えてる?”って連絡して(笑)。
桜井:他のバンドからライブに誘ってもらって、“こういう話ありますけど、どうします?”“じゃあ、久々にライブやる?”みたいな感じで。
ケイタイモ:でも印象としては、そんなに(関係が)切れてる感じはなかったよね。
――みなさん、それぞれにお忙しいじゃないですか。それでもまた集まるのは、どうしてなのかなって。
Shigeo:集まるとけっこう楽しいんですよね(笑)。
桜井:仲はいいんで。
――ああ、それは今日、こうやってお話をうかがっていてもわかります。
ケイタイモ:もちろん、ある程度、責任はあるんだけど、音に関しては、ShigeoとKENがぶつかりあうんで、俺らはあんまりというか、そんなに責任を感じずに楽しんでいられるっていう(笑)。
Shigeo:それはいいのか!? でも、まぁ、ケイタ君とサクちゃんに楽しんでもらえれば。
ケイタイモ:そうそう、ShigeoとKENが一生懸命、脳みそ使っている間に我々は楽しんでやれるっていう、ちょうどいい感じで。
KEN:でも、まぁ、4人ともキャリアがあるのが逆効果なんじゃないですか? 若いバンドだったらもっとがんばると思うんですよ。
桜井:ガツガツやるよね。
KEN:みんなそれぞれにやりたいことができているから、ここでは楽しくないと意味がないっていうのがまず第一にあるから、楽しくない時間を無理に過ごす必要はないっていうスタンスですよね。
桜井:4、5曲録ったやつを、ちゃんと完成させようとは思ってるけど、イヤな思いをしてまでとは思わない。
KEN:そういうプレッシャーは何も感じてないと言うか、7年ぶりって言われても“そうか”って笑ってるぐらいですから。逆にキャリアがあるのが良くないのかなと思うんですよ。プレッシャーを感じない強さが身についちゃったから。もちろん、いい部分もあるんですけどね。
――いい部分っていうのは?
KEN:Shigeoの作る曲は、やっぱりすごくセンスがいいし。
Shigeo:ありがとう!(笑)
KEN:サクちゃんとケイタ君は、プレイがすごく安定してるし、曲作りもみんなで作っている感がすごくあるし。
Shigeo:いや、“作っている感”じゃなくてみんなで作ってるから(笑)。
KEN:もちろん、そうなんだけど、Shigeoがまず曲を持ってきて、それに対して、みんなで料理をしていっている感じがすごくある。ひとりが作り込んで、“これを弾いてください”じゃないから。ライブも落ち着いてできるし。焦りもないし。そういうのは、やっぱり経験から来るものなので。このバンドを続けられる理由も、それぞれにキャリアを積んでいるからなんですよね。制作がなかなか進まなかったら、若いバンドならケンカしてるんじゃないかなと思うんですけど、俺らは“今は、そういう感じじゃないのか。じゃあ、違うことをしよう”って切り替えられるんで。
ある程度、責任はあるんだけど、音に関してはShigeoとKENがぶつかりあうんで、俺らはそんなに責任を感じずに楽しんでいられる(笑)。
ATOM ON SPHERE 撮影=横井明彦
――このバンドを引っ張っているのはShigeoさん?
Shigeo:引っ張ってはいないですね。集めたのは俺ですけど、それもただ、俺が過ごしやすい、性格のいい人たちを集めただけっていう(笑)。ここだと、俺の悪ふざけも許してくれるから。
ケイタイモ:ハハハハ。
Shigeo:まぁ、限度はありますけど。
桜井:限度はありますね(笑)。
Shigeo:そういう人選も良かったのかな。1枚目で終わらなかったっていうのは。“またやろうよ”ってなったよね。
桜井:だからアレですよね。ハッピー第一みたいな。
ケイタイモ:そうだね。それは一貫して。
Shigeo:ハッピー第一って(笑)。
桜井:バンドなんて結局、仲良しで集まってやらないと。“こいつら楽屋、全然別じゃん。それじゃダメでしょ”みたいなバンドもいるけど、10年、20年なんて絶対続かないですからね。そういうものですよ。だって、企業じゃなくて、仲間なんだから。
――じゃあ、2ndアルバムを完成させた今も4人の関係はすごくいい、と?
ケイタイモ:そうですね。
Shigeo:表向きはね(笑)。
ケイタイモ:おぉ、今の(Shigeoの)目、鋭かったよ(笑)。
――Shigeoさん、3人に何か言いたいことが?(笑)
Shigeo:いや、何もないですよ。もう、お世話になりっぱなしで。
桜井:これだけ冗談にいろいろなバリエーションがある人、なかなかいないですよね。だから、どれがホントで、どれがウソかわからなくなるんですけど、そういうのがShigeo君のいいところだと思うから(笑)。
Shigeo:ホントはないですよ。全部ウソ。
桜井:でしょ?(笑)
ケイタイモ:いろいろなものがコロコロと出てくるときは、Shigeoの調子がいいときっていう。
桜井:バロメーターですからね。ふざけたりとか、いたずらしたりとか、テンションが高いときは制作の能力も高いんで。“うわ、おもしろいですね”って言ってると、曲を作ってきてくれる(笑)。
Shigeo:いたずらして、怒られたらシュンとなる小学3年生みたいなものか。
ケイタイモ:そのとおり!
――自分が過ごしやすい3人を集めた、とShigeoさんはおっしゃっていましたけど、じゃあ、ATOM ON SPHEREの音楽性は、この4人が集まってできていったものなんですか?
Shigeo:過ごしやすいっていうのは冗談で(笑)。
桜井:半分ホントですけどね。
Shigeo:もう一つメンバーを集めたコンセプトがあるんですよ。たとえばプライマル・スクリームとか、ストーン・ローゼズとか、ああいうバンドみたいにドラムとベースのリズムがしっかりしていたら、ギターとボーカルはどれだけヨレても大丈夫っていう俺の理論を、この二人が奏でる安定のリズムの上で実証したかったっていうのもありました。あ、いや。KENのボーカルは全然ヨレてないですよ。人間はヨレてますけど(笑)。
KEN:なんか、チクチクくるなぁ(笑)。
Shigeo:それも含め、メンバーを集めたんですよ。これはホント。それは実証できたんじゃないかな。プレイの面での居心地の良さはほんとにあるから。
――3人はそんなShigeoさんのアイディアをどんなふうに受け止めたんですか?
Shigeo:3対1みたいな構図やめてくださいよ(笑)。
桜井:いや、呼びかけた人だから。
KEN:俺個人としては、Shigeoが絵にしようとしているものをやってます。
ケイタイモ:そうだね。
KEN:ただ、その中でも、自分の中の“いい”“悪い”は、あまり曲げたくないので、その部分で時々ぶつかったりするけど、基本的にはShigeoのヴィジョンはすごくしっかりしているから。ただ、たまーに急カーブの、90度とか180度逆の方向に行くことがあるから。
Shigeo:消える魔球ね。
KEN:飽き性だからだと思うんだけど、そういう時は、“こっちこっち”ってやることはあります。ただ、Shigeoはすごく音楽に詳しいし、すごく音に対するこだわりがあるから、そこは一緒に歩んでいこうというか、一緒に音を鳴らしたいですね。他の二人も一緒だと思いますよ。
桜井:うん、一緒一緒。
――まず4曲あったということなんですけど、そこから今回のアルバムを完成させるにあたっては、どんな作品にしたいと考えていたんですか?
Shigeo:1枚目は割とATOM ON SPHEREってバンドを代表するようなスタイルの曲がちゃんと集められたんですよ。だから、そこで自己紹介をしっかりとしちゃった分、2枚目は迷ったりとか、時間がかかったりとかっていうのはあったと思います。
桜井:1枚目は盛り込みすぎたね。
Shigeo:“こんなバンドです”っていうのをしっかり出しすぎちゃった。だから、2枚目はどうしようかなって、ネタ切れしたわけじゃないんですけど、探すのにちょっと時間がかかったというのはあります。でも、作っていくと、1枚目の、あの曲の変化版みたいな――まぁ、別に意図しなくてもバンドってそうなるもんだなっていうか、これはあの曲の展開版なんだっていうのが自分たちで徐々に見えてきて、そこでさらにアップデイトされてるところが見えればOKって感じで、そんなふうにできたアルバムだと思います。

これぐらい尖ったことをやらないと今の時代はダメだな、と。頑固にバランス良く作ろうよじゃなくていいんじゃないかなって思いました。
――今回の10曲の中で、一番初めにできたのは?
桜井:「Dead Battery」。それはもう、1枚目を出した後、すぐにライブでやってましたから。
Shigeo:7年ぐらいやってるよ。
ケイタイモ:だから、今回、ちゃんとライブで育った感じにはなっていると思います。
桜井:あとは「Doves」、「Secret Life Of Mind」もライブでしょっちゅうやってたよね。
――その3曲だけでもそれぞれに違う魅力がありますね。
桜井:バリエーションはありますね。
――逆に最新の曲というと?
桜井:「Kick The Habit」? あ、「Butcher Maze」?
ケイタイモ:「My Cure」じゃない?
KEN:俺、「Kick The Habit」は、1stアルバムの時にもらってるよ。
Shigeo:そうだっけ?
KEN:うん、“これ、イヤだ”って言ったもの(笑)。
桜井:そうだ。シーケンスを練り直して、良くなってきたんだ。もうちょっとアタックがあるというか、派手にしたいっていうこだわりがKEN君にあって。最初はクセのある曲だったんですけど、シンセの音を太くして、パンチ出してっていうふうに、いろいろ味付けしていったんですよ。
Shigeo:こっちは(ライブをやるなら)“渋谷CLUB QUATTROぐらいでいいよ”って言ってるのに、KENはすぐ“幕張メッセ、幕張メッセ。もっとビッグな感じで”って(笑)。いいことなんですけどね、でかいところを目指すのは。ただ、“渋谷CLUB QUATTROでやってからだ”って言ってるのに、いきなり幕張メッセって言うから。
――ライブで育ててきた曲も含め、7年間の成長がちゃんと今回の作品には表われているわけですね?
Shigeo:そうですね。音的にというよりは、人格的な成長かな。
ケイタイモ:今頃かよ!(笑)
Shigeo:いや、マジな話、今回、ミックスダウンはエンジニアさんと俺の二人でやって、みんなに提案させてもらったんですけど、その時に――KENのボーカルってキャラクターがすごく確立されているから、KENは今、他にバンド2つ、ボーカルでやってるけど、それこそミック・ジャガーが他で歌ってもローリング・ストーンズじゃん、スティーヴン・タイラーが他で歌ってもエアロスミスじゃんってなるみたいに、何を歌ってもKEN LLOYDなんですよ。それをいろいろな処理で、どう変えれるか、どうやって違うふうに聴かせられるかがミックスダウンに関してはテーマでしたね。それはけっこううまくできた。ね?
KEN:うん。そういうところはShigeoに任せているんで。見えているから、本人が。
Shigeo:KENがやってる他のバンドとは違う感じにはなってるもんね。
桜井:トラックメイキングでおもしろさを出しているっていうのは、今回、だいぶありますね。
Shigeo:ボーカルの処理は特にね。歌の中に強弱をつけるっていう工夫をめっちゃしたんで、そういう部分では、俺のスキルが火を噴いた。
ケイタイモ:イエイ!
――その効果が最も表われた曲というと?
Shigeo:「Sound」とか、「Getaway」とか、意外とバラード系のやつ。ボーカルのエフェクトのことについてエンジニアさんといろいろ話してるとき、7年ぐらい前にあったチルウェイヴってブームで主流になったリヴァーブを深くかけるっていうやり方が、その後、ドライになっていったけど、じゃあ、今は何だろうねって話になって。そこで俺らが見つけたのがボン・ジョヴィっていう。“ボン・ジョヴィっぽいスタジアム感を出せるエフェクトない?”って聞いたら、スタジアムっていうやつがあって、“これだ!”って。だから、今回はそれをけっこう掛けてます。
ケイタイモ:それはリヴァーブ?
Shigeo:そう、リヴァーブ。これからはボン・ジョヴィでしょって。
ケイタイモ:結局、幕張メッセじゃねえか!
Shigeo:気づいた?(笑) だから、KENが言う幕張メッセで合ってたんだよ。
KEN:俺は最初からズレてないもん。Shigeoが遠回りしてるだけだよ(笑)。
桜井:たまたまマッチングしたっていう(笑)。
――他に新しい挑戦はありましたか?
ケイタイモ:1stアルバムのときよりも、また幅が広がった感じはありますね。
桜井:それと、音作りがシンプルというか、使っている音色は全然そんなことはないんですけど、各曲、メインテーマを決めて、それに合わせて、この曲はこの音色で無理やりデカくしてみようっていうミックスダウンを、Shigeo君が1曲ずつやって、“どう? どう?”ってプレゼンしてきたんですよ。それを聴いたとき、これぐらい尖ったことをやらないと今の時代はダメだな、と。頑固に、いやいや、バランス良く作ろうよじゃなくていいんじゃないかなって思いました。
Shigeo:そういう意味では、みんな、頭が柔らかいですよ。ベースもシンベが元々入っているんだけど、“もう(ベースの音が)入ってるからやりたくない”とは言わないですからね。そこになんとか、同じフレーズを弾くこともあるし、縫って入れてくることもあるし、うまいこと加えてくれて。ドラムも1枚目の時よりも、打ち込みと生のドラムを混ぜて入れることが多かったけど、今回、全曲叩いてますからね。1枚目は4つ打ちは、生はなくてもいいんじゃない?っていうのもありましたけど、そういうシーケンスと生(の音)の融合は、もう1個の僕のテーマでもあるから、そこはよりコミットできたんじゃないかな。
――いろいろテーマがあるんじゃないですか(笑)。
Shigeo:そうですね。あんまり言いたくないんですけど(笑)。マジメにやってるぽくなっちゃうから。
ケイタイモ:でも、今日(のインタビュー)は総じてマジメな感じだけどね(笑)。
――リスナーは、そういうところを聞きたいと思うんですけど、他にもテーマはあったんですか?
Shigeo:いや、もう全部言いました(笑)。
――KENさんは曲がでてきてから歌詞を書くんですか?
KEN:メロディーと歌詞は曲に合わせて書きます。全員が集まって、曲を作れる日が少なかったんで、サクちゃん、ケイタ君、Shigeoが詰めた曲を俺に送ってもらって、俺が歌を別で録ってというデモの作り方をしたんですけど。送られてきた曲を聴きながら、自分の中でイメージを膨らませて、メロディーと歌詞を乗せるんですけど、もうシンプルに音に呼ばれるまま。だから音がなければ、このメロディーも出てこなかったし、音がなければ、この歌詞にはなってないしっていう。そのやり方は1stアルバムの時と変わらないんですよ。だから、今回のアルバムと前回、何が違うかって言ったら、今回はメジャーな曲はメジャーぶりをプッシュしてて、マニアックな曲はマニアックぶりをプッシュしているところ。
Shigeo:どっちかに振り切ったほうがいいって感じだよね。
KEN:さっきサクちゃんが、尖ったことやらないとって言ってたけど、トゲのあるものは思いきり尖らせて、幕張メッセのやつは思いっきり幕張メッセにして。
Shigeo:幕張メッセって(笑)。
KEN:っていう感じがあったから、「Dead Battery」とか、「Doves」とか、「Getaway」は、歌詞もメジャー感もあって、すごくポップでキャッチーだし、逆に「Kick The Habit」とか、「War」とか、「My Cure」は、テーマ重視で世界観を作っていって、っていう感じですね。
――じゃあ、前作以上にバンドの個性が……。
Shigeo:出ていると思いますよ、キャラクターは。前作は、自分たちでまだよくわかっていないでやっているキャラがあったけど、今回は、それが実感としてあってからの制作だったから、まぁ、時間もかかっているし、そういう意味では、キャリアの裏打ちも生かしながらの、しっかりとした自分たちのアルバムという形でキャラクタライズできたんじゃないですか。
――前作以上にリスナーに刺さりそうですね。
Shigeo:願わくば、そうなってほしいですけどね。ただ、刺さるか刺さらないかは出してみないとわからない。今から“これは刺さるぜ”って言って、コケるほどサムいことはないですからね(笑)。
――まあまあ、それはそうですけど(笑)。
Shigeo:ただ、作ったからには、もちろん、たくさんの人に聴いてもらいたいです。
今、応援してくれているみなさんの“待ってたよ!”っていう思いが我々に届けば、すぐに次のアルバムは出る。今年、応援しなかったら来年ないからね。
――そういうアルバムが出来上がった今、バンドとして、これからどんなところを目指したいですか?
Shigeo:とりあえず5月に東名阪でワンマンツアーがあるので、そのワンマンを呼吸できないくらい人でいっぱいにして、ね?
桜井:活力をもっともっとバンドに吹き込んで、やる気が出れば。何でもそういうもんじゃないですか、評価されたら、嬉しいし、次もがんばろうって思うし。
Shigeo:今、応援してくれているファンのみなさんの“待ってたよ!”っていう思いが我々に届けば、すぐに次のアルバムは出るだろうし。
KEN:自発的じゃないのかよ(笑)。ATOM ON SPHEREがあまりプロモーションしない理由わかります?
Shigeo:よけいなことを言うから?
KEN:全然プラスにならないから(笑)。
――プラスにならない、ですか?(笑) 言いたいことを言っていておもしろい。どんなバンドなんだろう?って興味が湧くと思いますよ。
KEN:そう、Shigeoのいいところでもあるんですよ。バカ正直さなところは。音楽に対しても、喋ることに対しても。本人は“ウソばっか言ってる”って言ってるけど、実は、ホントのことを言いすぎなんですよね。
Shigeo:でも、今年、応援しなかったら、マジ、来年ないからね。
KEN:すげえプロモーション(笑)。
――その東名阪ツアーですが、ファンはどんなライブを期待していったらいいですか?
Shigeo:単純に尺が長いっていう。
桜井:そうですね。ワンマンは初めてなんで。
Shigeo:我々も体験したことがないゾーンなんで。
KEN:なんで2枚目を作ったのかっていう理由には、ライブの曲を増やしたいっていうのもあったんですよ。うちらがライブで同じ曲を演奏することに飽きてきてたんです。なので、今回、10曲増えて、前作の11曲と合わせて21曲の中から選べるってところで、セットリスト作るのも楽しみになったから、いろいろ曲順で実験しつつ、ライブもまた変わってくると思うので。
Shigeo:だから、ファンは全員、来とかないと、明日にも日本は壊滅するかもしれないんだから。
桜井:今度は日本のせいにしちゃった(笑)。
Shigeo:でも、ほんとに、またいつか見られるなんて保証はないんだからさ。
KEN:それはミュージシャンはみんな思っているんじゃないかな。解散を発表すると、“まだライブを見てないから解散しないで”ってファンは言うけど、だったら見られる間に見てもらいたいって。
Shigeo:ほんとそうだよ! 解散するするって言って、解散しないビジネスってあるじゃないですか。でも、うちら、そう言ってしっかり解散した人間が二人いますからね。
ケイタイモ:それも同時期にな(笑)。
Shigeo:そういう意味ではリアリティーはんぱじゃないから(笑)。
取材・文=山口智男 撮影=横井明彦
ATOM ON SPHERE 撮影=横井明彦

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