舞台『銀河鉄道 999』続編の稽古場披
露&会見! 中川晃教らが万感の想い
を込めて再び宇宙(そら)へ

2019年4月20日(土)から東京・明治座にて舞台『銀河鉄道 999』さよならメーテル~僕の永遠 が上演される。松本零士の人気マンガ「銀河鉄道999」を原作とし、2018年6、7月に上演された舞台『銀河鉄道999』~GALAXY OPERA~ の続編となる本作の公開舞台稽古が4月7日に行われ、主演の中川晃教や凰稀かなめ、松下由樹らが物語冒頭の15分ほどを披露した。今回は松本零士監修のもと原作にないオリジナルストーリーを加えて、星野鉄郎と最後の敵プロメシュームとの戦い、そして鉄郎とメーテルとの別れまでが描かれる。
座る場所を確保するのも厳しいくらい多くの報道陣が集まった稽古場で、公開稽古が始まった。キャプテン・ハーロック(平方元基)がストーリーテラーのようにある惑星で起きた事を語り出す。その惑星の民衆は平和に暮らしていたが、女王プロメシューム(松下)の声が突如響き渡る。驚く民衆の前にクイーン・エメラルダス(凰稀)が現れるが、メーテルの父であり、プロメシュームのかつての夫である科学者ドクター・バン(声:塚原大助)の懲罰が執行された、とプロメシュームから告げられるやいなや、民衆たちが次々と殺されていく。
何もできず立ち尽くすメーテル(木下晴香)と、民衆のためにプロメシュームに剣を振りかざすエメラルダス。だが。エメラルダスの心の動きが気になる場面だ。
場面は変わり星野鉄郎(中川)とメーテルが車掌(お宮の松)の合図で銀河鉄道999の旅に出る。食堂車で働くクレア(美山加恋)と鉄郎が一緒に歌い出すと、999の座席が命が宿ったように動き出しー。

稽古披露の後に行われた会見では、中川、凰稀、木下、平方、松下、美山のほか、ハミル/機械伯爵役の前山剛久、リューズ役の矢沢洋子も出席、車掌の衣裳に身を包んだお宮の松が司会を務めた。
鉄郎役の中川は前回の続編であり完結編となる本作について「まったくの新作に取り組んでいる稽古の最中」と今の気持ちを語る。松本先生の言葉にこんなものが、と中川は「無限大に輝く大宇宙の星々、それは死んで行った孤独な勇者たちの涙の凍ったものだと。その中を999はまっすぐと進んでいく、走っていきます」とそらんじる。「僕は昭和生まれですが、平成、そして新たな年号、令和という年を迎えるこの時に『銀河鉄道999』をやることの意味をすごく感じています。999という列車に乗ってみなさんと宇宙に旅ができるように初日に向けて頑張っていきます!」と力を込めた。
凰稀は「昨年に引き続き出演できて嬉しく思っています。お稽古も順調に進んでおります。早く皆さまの前に立ちたいなという気持ちでワクワクしています」とコメント。
前山は「僕は今回からの参加となりますが、まだまだ手探りの部分もありますが、どう演じたら『銀河鉄道999』がもつ大きなメッセージやパワーが伝わるのか、どうやったらお客様に感動が伝わるのかと考えながら必死に模索しながら稽古に臨んでいます。本番では素敵な機械伯爵を届けられると思うので、楽しみにしていてください」と語った。
矢沢は「前作に引き続きのリューズですが、より一層の機械伯爵に対する熱い情熱、愛情を歌と演技で表現できたら」と述べる。
木下は「今回からの参加です。メーテルとして時を過ごせることを光栄に思っています。本番まで2週間、稽古では悩んだり探りながら刺激的に過ごしています。この舞台を通して作品をさらに愛していただけるように精一杯努めたい」と笑顔を見せた。
「前作に引き続き出演できて嬉しく思います」というのはクリスタルの身体を持つクレア役の美山。「緊張の中先ほど歌わせていただきましたが、今回初めて歌をいただけてすごく嬉しいですし、頑張っていかないと。車掌さんと一緒に! 素敵な999にできるように頑張ります」と意気込みを見せた。
続いて先日体調不良から降板した浅野温子に代わり出演する松下が挨拶する。
「登場人物の全ての人たちの壁になるという役柄です。舞台ならではの最後の結末を自分自身も楽しみにしていますし、『銀河鉄道999』はよく知っていて、楽しみにされている方も初めてご覧になる方も舞台ならではの『999』を観ていただけたら」とプロメシューム役について触れながら語った。

最後に平方は「前回を経験しているので、より、プラス、濃厚な稽古時間を過ごさせていただいてます。脚本も変わりまして、それぞれにキャラクターが色濃く描かれていますので、前回観た方も楽しめますし、今回からご覧になる方も楽しんでいただけると思います!」と挨拶を締めた。
この日会場にこれなかった原作者の松本から松下宛のコメントが寄せられ、お宮の松が代読した。
松本零士コメント
先日、舞台の練習も拝見させていただき、浅野温子さんのプロメシュームがとても素晴らしいと思っておりましたが、急遽、交代されることになりました。
そして新しく松下由樹さんがプロメシュームを演じていただけるとのこと、楽しみであり、感謝しております。浅野温子さんと松下さんは本当に、メーテル、エメラルダスの姉妹のように全く違和感を感じさせません。お二人とも頑張ってほしいと思います。
出演者のみなさん、新しい舞台が完成するのを楽しみにしておりますので、どうか頑張ってください。私も心から感謝しつつ、協力いたしますのでよろしくお願いいたします。
『銀河鉄道999』はまだ終わりません。皆さんも一緒に999で旅をしましょう。
松本からのメッセージを受けた松下は「浅野さんに代わり、大きな役をやらせていただく重責を感じております」と背筋を正したが、中川から「今日初めてプロメシュームを拝見して、作品の迫力というものが冒頭から感じられました。迫力がやばいっすね!」と凰稀に同意を求めると、凰稀も「ハンパない圧!」笑わせた。松下はさらに松本からプロメシュームのイラスト入り色紙をプレゼントされ、満面の笑顔に。中川が代表して松下に色紙を渡す際、「『令和』みたいに見せて!」と先日の新元号が発表されたときのように、と他キャストが声をかけると、中川は皆の期待に応えるように身体の横にゆっくりと色紙を見せ、さらに笑いが倍増。松下も笑顔を見せながら「プレッシャーはありますが、生身の人間が演じる機微を出せたら」と改めて気合いを入れていた。
ストーリーに関しては質問が及ぶと、中川は「映画版を踏襲しつつ、顔に傷をおったエメラルダス、その前の話が描かれています。また絶対的なヒーローであるハーロックもかつては成長する過程があり、その若かりし頃のハーロックというものが描かれています」と見どころに触れ、これから始まる新たな『銀河鉄道999』に期待を持たせていた。
(前列左から)平方元基、凰稀かなめ、中川晃教、松下由樹、(後列左から)お宮の松、美山加恋、木下晴香、前山剛久、矢沢洋子
取材・文・撮影=こむらさき

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