心に刻まれる名曲の数々!日本音楽界の重鎮・松任谷由実を徹底解剖

心に刻まれる名曲の数々!日本音楽界の重鎮・松任谷由実を徹底解剖

心に刻まれる名曲の数々!日本音楽界
の重鎮・松任谷由実を徹底解剖

才能の一端を見せた荒井由実時代
1972年7月、それまで作曲家として活躍していたユーミンは、「荒井由実」の名で、シングル『返事はいらない』を発売し歌手デビューを果たします。
しかし、同曲の売れ行きはお世辞にも芳しいものとは言えず、続く2ndシングル「きっと言える(1973年11月発売)」も、数千枚の売り上げに...。
転機となったのは1973年暮れに発売した1stアルバム「ひこうき雲」。
当初の売り上げは芳しくなかったものの、ラジオ番組『パックインミュージック』において、パーソナリティであるTBSアナウンサー・林美雄が絶賛したことで、売り上げが急増。
林は荒井由実を「天才」と称えるなど、その存在は瞬く間に全国に知れ渡ることとなります。
夫と二人三脚!“世界のユーミン"へ
1976年に、当時アレンジャーとして活躍していた松任谷正隆と結婚。
これを機に「松任谷由実」名義での活動をスタート。
同時に、作詞・作曲などはこれまで通りユーミンが行う一方、編曲などの一部作業を、夫である松任谷正隆が担当することになります。
新体制になると、ヒット曲を連発。
さらに2000年代になると、自身も主題歌に起用されるジブリ作品が、海外で爆発的な人気を獲得。
同時に「松任谷由実」の名は、世界に知れ渡ることになるのです。

ココが違う!松任谷由実が愛され続けるワケとは
昨年末に行われたNHK紅白歌合戦にサプライズ登場したユーミン。
その際、aikoが号泣し、観客の大歓声を受けるなど番組で一番の盛り上がりを見せたのは、記憶に新しいですよね。
老若男女問わず惹き付ける、他にはないユーミンの魅力を徹底解剖します!
松任谷由実の魅力その1「天才的な作詞センス」
ユーミン自身は元々は作詞家の出身。
その時の経験を活かし、当時、数えるほどしか存在しなかった女性シンガーソングライターとして活躍。
メキメキ頭角を現し、「シンガーソングライター」という言葉を日本に広めた、いわば草分け的存在と言えるでしょう。
今でこそ、日本にも多くの女性シンガーソングライターが誕生し、活躍していますが、当時はお手本となるべき存在すらいない状況。
そんな中で自らもがき、苦しみ、その末に、音楽界に新たなスタイルを生み出していきました。
日常に溢れたなんともない言葉さえも、歌詞におしゃれに取り入れてしまう唯一無二の作詞センスは、彼女に続く後輩たちにも多大な影響を与えました。
松任谷由実の魅力その2「自分の魅せ方を知っている」
ことあるごとに「私は歌が上手くない」と自虐的に話すユーミン。
しかし、そんなはずあるわけないのです。
確かにもともと声が低いユーミンは、音域自体は広い方ではありません。
加えて声量自体も並みであり、圧倒的な歌唱力を持っているとは言い難いのも事実。
しかしながら、ユーミン以上に魅力的な歌手はいないかもしれません...。
音域が広くないがゆえに、ユーミンの歌唱スタイルと言うのは、基本的には一貫されたものであります。
言い換えれば短調でバリュエーションが少ないとも言えますが、聴く側が誰一人としてそう感じないのは、やはり彼女自身が自分を誰よりも良く知り、魅せ方を熟知しているからに他なりません。
65歳となった今でも、日本音楽界のトップに君臨し続けられるのは、ユーミン自身が生まれながらのエンターテイナーであり、歌うことを愛し続けられているからなのでしょう。
松任谷由実の魅力その3「温かく人間味あふれる人柄」
デビュー以来、数々の名曲を生み出し続けるユーミンですが、彼女の最大の魅力は何と言っても、その「温かい人柄」でしょう。
現在、自身の名を冠したラジオ番組「松任谷由実のYuming Chord」では、パーソナリティーを務めているユーミン。
前身番組を含めると、実に37年もの間、パーソナリティーを務めている事になるのです。
これは、どれだけトーク力に定評がある著名人でも、まず不可能な数字。
人間味あふれるトークで自身のファンのみならず、一般視聴者さえも魅了し続けるユーミンだからこそ、達成できている偉業と言えるでしょう。
ユーミンを語る上では欠かせない!切ない歌詞が印象的な名曲3選
ひこうき雲
荒井由実時代に発売された、自身のファーストアルバム『ひこうき雲』に収録されている楽曲。
また、2013年に公開されたジブリ映画「風立ちぬ」の主題歌に起用された事でも話題となりました。
曲は、強い「孤独」を感じさせる歌詞から始まります。
主人公は「何もおそれない」、なのに「ただひとり...昇っていく」。
この表現からは矛盾を感じ、すごく寂しく感じてしまう。
短くシンプルながらも、この曲の核となる歌詞。
「空に 憧れて」という部分は、「風立ちぬの」主人公・堀越次郎にピッタリの表現でもあります。
実はこの曲は、ユーミンが高校時代に失った友人を偲んで作ったもの。
また、現れても一瞬で消えてしまうひこうき雲ですが、「白い坂道(=ひこうき雲)が空まで続いていた」という表現から、天国に繋がっていることを強調しているのです。
春よ、来い
1994年発売のシングル。
歌詞の奥深さから教科書にも掲載され、日本の春を代表する歌として親しまれています。
序盤から難しい言葉が並び、ユーミンの楽曲の中でもとりわけ解釈に困る歌詞が特徴の「春よ、来い」。
重苦しく、そして切なさが存分に伝わってくる曲調ですが、歌詞にはどんな意味が隠されているのでしょう。
それが良く分かるのが、この部分。
通常3月の下旬頃に満開を迎える「沈丁花」という季語が登場。
蕾でありながらも、ひとつひとつから香り始めている事から、おそらく春目前となる3月初旬から中旬頃のことでしょう。
でも、なぜ春が遠く感じるのか...それは、ちょうどこの時期が卒業などと重なり、人生の大きな転換期であることにも関係しているのでしょう。
主人公にとって、(希望の)春はまだ遠いもの、なのかもしれません。

ルージュの伝言
陽気なメロディーで、ノリノリな曲の印象が強い曲。
しかし、バスルームに浮気相手の口紅跡が残っていたりと、ちょっと危ない恋愛模様が描かれています(笑)。
さらに、「浮気を辞めない限り家には帰らない」という、強気な女性が登場したりと最後までドロドロの展開も、なぜかオシャレに感じるユーミンの名曲です。
名曲ずらり!平成最後の大イベント「タイムマシーン・ツアー」
昨年9月に行われた盛岡タカヤアリーナでの公演を皮切りにスタートした、ビッグイベント「タイムマシーン・ツアー」(松任谷由実 Time machine tour Traveling through 45years)。
今年5月の日本武道館まで続く同ツアーでは、これまでに発表した曲の中から選りすぐり披露しています。
さらに、これまでのツアーと大きく異なるのが、その演出方法に隠されています。
70年代や80年代の楽曲には、当時のヘアースタイルや衣装を再現。
随所に現代風のアレンジも加えられており、当時を感じつつも、比較的若いファンも楽しめる、手の込んだ工夫がなされています。
まさに「タイムマシーン」の名に相応しい、時代と時代を自由に行き来するような、大胆で粋なユーミンらしさ全開のツアーとなっています。
生涯現役宣言!新たな記録にも期待の松任谷由実
いかがでしたか?
今回は65歳となった今なお、あくなき探求心を抱き、挑戦を辞めないユーミンをご紹介していきました。
今年2月のライブでは「生涯現役」を宣言し、今後も“音楽人・松任谷由実"の活躍が見れるということで、ファンのみならずとも嬉しい報告となりましたよね。
また、昨年大晦日には7年ぶりの紅白出場を果たし、名曲「やさしさに包まれたなら」を披露。
日本中が感動に包まれましたが、今後も名曲を世に送り出し続け、いつの日か紅白最年長出場記録の更新にも期待したいところです。

TEXT レノ
歌詞の意味を解読!?厳選歌詞コラム
■【歌詞コラム】松任谷由実が別れの悲しさを表現する「Hello, my friend」

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