斬波インタビュー “ポスト純烈”の
呼び声高い平均年齢29歳、新感覚歌謡
男子の懐かしくも新しい魅力とは?

YOMA、孝介、航、義文の4人で構成されたダンス&ボーカルグループ、斬波(ざんぱ)。“日本に笑顔を! 新感覚歌謡男子”を合言葉に、平均年齢29歳ながら、70〜80年代の昭和歌謡・演歌・ポップスなどの名曲をリアレンジしたカバーソングと、斬新なアプローチで毎回リスナーを驚かせるオリジナル楽曲、そして懐かしくも新しいパフォーマンスで汗だくになりながら歌い、踊る彼らがSPICEに初登場。ニューシングル「キメテ!」、そして初のワンマンライブについて訊きながら、斬波の“新感覚”な魅力に迫る。
――最初に、このインパクトある“斬波”というグループ名の由来から教えて下さい。
YOMA:時代の波を斬るという意味で、音楽業界に新しい風を吹き込むような斬新なものを作っていきたい、ニューウェーブを起こしたい。そのような意味を込めたネーミングになっております。
――グループ結成の経緯は?
YOMA:結成は2015年初頭。それぞれシンガーとして活動していたメンバーが集まって誕生したんですが、その後メンバーが変わりまして。僕と孝介くんはその時期からの初期メンバーです。現在いる航君と義文君は、まず航君は元々斬波のマネージャーをやっていたなか、2018年5月からメンバーになり。その1カ月後に航君の知り合いの義文君が加入して、いまの形になりました。いろいろありましたね、こうなるまでには。
――結成当初から“新感覚歌謡男子”というコンセプトは掲げていたんでしょうか?
YOMA:これは、この4人になってからつけたものですね。
孝介:“日本に笑顔を! 新感覚歌謡男子!”というキャッチフレーズはいまの体制になってからです。
――歌ってきたものも歌謡曲中心ですか?
孝介:歌謡曲だけではないです。主にカバーしてきたのは昭和にフォーカスした楽曲なんですよ。だから、演歌も歌えば……。
YOMA:ポップス、ロックも歌います。昭和の名曲たちを僕たちなりのサウンド、ダンス、ボーカルとコーラスでリアレンジして歌ってるんです。
――昭和に注目した理由は?
YOMA:僕たち、結成当初はニッカポッカを履いてたんですよ。それはなぜかというと、昭和の時代を席巻してきたのはそういう日本男子だろうと。
孝介:いまでこそ日本は先進国ですけど、それまでの歴史を作ってきた活気のあった昭和の日本。それをもう一度、平成に呼び起そうじゃないかということで昭和だったんです。
――平均年齢29歳のみなさんが。
孝介:ええ。僕ら3人は昭和ですけど、YOMA君に至っては平成生まれですからね(笑)。
僕はライブ中にすごく汗をかくんですが、僕の汗にはビタミンが豊富に含まれているので、逃げないようにして下さい。(YOMA)
斬波/YOMA 撮影=大塚秀美
――ちなみに、どんな曲をカバーしてらっしゃるんですか?
孝介:様々ですよ。例えば、いまのレパートリーでいうと、YOMA君が「山河」(五木ひろし)を歌ったり、僕が「夜の銀狐」(斉条史朗)を歌ったり。かと思えば、義文君が「プレイバックパートII」(山口百恵)を歌ったり航君が「お嫁サンバ」(郷ひろみ)を歌ったりしてます。
――カバー曲だけでいうと、どれぐらいレパートリーがあるんですか?
YOMA :50〜60曲はありますね。
――“新感覚歌謡男子”として音楽活動を行なっていって、周りの方々の反響はいかがですか?
YOMA :僕らのお客さんは昭和の時代を生きた方、ご年配の年齢層の方が多いんですね。なので“懐かしい”といってくださいますね。
孝介:昭和のカバー曲はリアレンジして披露しているので、“懐かしいわね”のあとに“いまの若い人たちがやるとこうなるのね”といって驚かれたり。若いお客さんはオリジナルをまったく知らない世代なので、ストレートに新しい雰囲気の曲として受け取っていただけてるのかなと解釈してますけどね。
YOMA:僕たちがオリジナル曲をやるときは“斬新だね”、“いままでなかった感じだから素敵”と年配のお客さんもいってくれます。今回の新しいシングル「キメテ!」は、曲中にダンスパートがあるんですが。そこではみなさんが“キャー!! ”と湧いてくれますから。
――「キメテ!」の前に「もぐら」を出したときはどんな反応だったんですか?
YOMA:お客さんも一緒に穴を掘ります。100円ショップで買ってきたマイスコップで。
孝介:ご準備なさって。
YOMA:斬波のオリジナル曲は、お客さんと一緒に楽しめる振り付けがサビに出てくるものが多いので、そうやって踊ってくれるんです。

――新曲「キメテ!」はどんな仕上がりになりましたか?
YOMA:「キメテ!」は以前から僕たちが歌っていた曲で、それを今回リアレンジしてシングルにしたんです。この曲は、ある1人の女性を僕ら4人が“俺に決めろ!”、“いや僕にしろ”と取り合ってる曲なんですね。なので、歌詞を見てもらうと同じことをいってるんだけど、メンバーのキャラクターに合わせて言い方が変わってる部分が3カ所あるんですよ。1番は孝介君のキャラクターのワイルドな感じに合わせて<俺にしろよ>、2番は僕で<僕にしてよ>って可愛く。
孝介:ちょっとチャラい感じで。
YOMA:チャラくないから(笑)。ラストサビは航君で、可愛らしくもあり男らしくもある感じで<僕にしなよ>。だと私は分析しているので、そこを意識して聴いてみて欲しいです。
孝介:この1曲で、全員のキャラクターが見ても聴いても垣間見れるようなバラエティーに富んだ楽曲ですね。
航:<キメテ!>と繰り返すサビのメロディーはキャッチーなので、一緒に歌っても楽しいかなとすごく思いますね。振り付けも、「もぐら」は掘る感じでしたけど。
義文:こちらは、グー、チョキ、パーをやる振り付けがありまして。斬波は、オリジナル曲はライブでみなさんと一緒に踊りたい場所というのがあるので、MCができるときは振り付けを先にレクチャーして、みなさんにやっていただくんですね。今回の「キメテ!」も、「もぐら」に続き、みなさんと一緒に振り付けが楽しめる曲になっているので、CDを聴くだけでも楽しいんですが、ライブに行くとより楽しめる楽曲になっていると思います。

――「キメテ!」の振り付けは義文さんが担当されたんですか?
義文:「もぐら」はメンバーで振り付けしたんですけど、「キメテ!」は今回初めて外部の方にお願いしました。サビの部分の振り付けは以前から僕たちがやっていたものを残していただいて、お任せしました。
――ジャケットの“フィーバー”っぷりも懐かしい昭和な雰囲気が出てますね。
YOMA:あれは『サタデー・ナイト・フィーバー』を意識して(笑)。
孝介:今作はジャパニーズラテンな曲調なので、それがディスコ世代につながって『サタデー・ナイト・フィーバー』であったり、ミラーボール、キラキラの衣装になった感じですね。

――C/W曲についても訊かせて下さい。Type-Aには「白夜月」というバラード、Type-Bには「漢鳴〜OTOKONAKI〜」という、「もぐら」系のダンスナンバーがそれぞれ収録されていました。
YOMA:これは航君が作詞、作曲したんですよ。
航:「もぐら」に続く曲がラテン調の「キメテ!」という流れには、バラエティーに富んだ斬波を見せたいという意図があるなと思ったんですね。なので、C/Wでも“こんな楽曲も斬波は歌えるんだよ”というのを見せたいなと思って、いままでのオリジナル曲にはないようなところを攻めて作りました。「白夜月」は晴れていれば昼間は太陽、夜になればお月さんが見えるけれども、白夜月は昼間にかならず見えるものではない。そこに、会いたいけど会えないという儚い気持ちを重ねて描いた楽曲になっています。アレンジはモータウンサンドを意識しました。「漢鳴〜OTOKONAKI〜」は、「もぐら」とよさこいを掛け合わせたようなアップチューンで、歌詞のテーマは“命”です。実は2番のところにビルのてっぺんに仁王立ちしている描写があるんですけど、これは、身投げを考えている人の描写なんですよ。そこまで追い詰められちゃってもガンバって前向きに生きようぜということを訴えかけてる曲なんです。なので、力強い掛け声が随所に入ってて、歌自体も「もぐら」に匹敵するぐらい激しい曲になったと思います。この曲のポイントは、サビに誰もが聞いたことがあるフレーズ、“せっせっせのよいよいよい”を入れたことです。この掛け声だと、お客さんも知ってるからコール&レスポンスが入れやすいかなと思って。
義文:振り付けもみんなで一緒にできるものを意識して付けましたので、楽しみにしてて下さい。
――童謡のフレーズを入れようなんて、よく思いつきましたね。
航:ここはみんなに相談したんです。“どう、これ?”って聞いたら“いいじゃん! いいじゃん!”といってくれて。楽曲や歌詞については、僕が思いついたあと“どうこれ?”って相談して、“ん?”だったらやらないし、“いいじゃん!”だったら採用してます。
――斬波はメンバーが作詞・作曲できるところも大きな特徴ですね。
航:YOMA君はアカペラサークル出身なので、コーラスアレンジもできますし。孝介君は歌詞を書けますし。義文君は振り付けができますし。
義文:(笑顔で)はい!!
航:ウチは、すごくクリエイティブな集団なんですよ。歌謡曲は(作家の)先生に書いてもらうというイメージがあると思うんですが、ウチはちゃいますよ、と。楽曲から振り付けまで作っちゃうところも、僕らが“新感覚”なところだと思います。
ウチのライブに来るようになったら元気になって歩けるようになったというお客様がいたり、やっと自分たちの活動がつながってきた気がします。(孝介)
斬波/孝介 撮影=大塚秀美

――ライブはどんなところが“新感覚”なんでしょうか。
孝介:基本的に演者である僕らは絶対的に、100%いつも汗でびっしょびしょです。なぜかというと、全曲振りがあるから動きっぱなしなんですよ。YOMAは特にすごくて。この人は水でできてるんじゃないかっていうぐらい。
YOMA:いやいや。一応水でもできてるけど。
孝介:滝のように汗が吹き出るんです。そういう“一生懸命さ”が伝わるステージが僕らの売りだと思います。だから、ステージは“はぁはぁ(深呼吸をして)、じゃあ次の曲にいきます”って、毎回死に物狂いでやってますよ。
YOMA:クールな感じではないな(笑)。
孝介:どれだけその日のステージのために命削れるか。それぐらいのテンションでやってます。だから、真冬の外のステージでやろうが汗だくです。
――汗だくでラウンド(ステージのなかで客席をメンバーが歩いて回る)もされるんですか?
孝介:ええ、そうです(きっぱり)。“気をつけて下さーい。飲み物に汗が入るから”っていいながら(笑)。
航:だいたいラウンドに行くタイミングというのが、僕らもお客さんも温まった頃なんですよ。なので、僕らももちろん汗が落ちないようにタオルは持って行くんですが、なかには僕等の汗を拭くためにハンカチを用意して待ってくれてる客さんもいらっしゃるんですよ。たま~に自分の使ってたおしぼりで拭いてくる人がいるんで、そういうときは“ちょ、ちょ、ちょ”って思いますけどね(笑)。あと、歌ってるのに口元拭いてくる人とかもいるんで“いま歌ってるから”って(笑)。自分が歌ってないときは、“あの曲よかったよ”とか“テレビ観たよ”とか“頑張ってね”とか話しかけてくれるお客さんに、一言づつぐらいですけど、声を返したりもできるんですよね。
孝介:バラードが多かったりすると“今日は汗、足りないんじゃない?”って自分の発汗量についていってくるお客様がいたり(笑)。ラウンドはコミュニケーションのひとつです。
――そんなライブを通して、身近なところから日本を笑顔に。
孝介:そうです。ウチのライブに来るようになったらだんだん元気になって歩けるようになったというお客様がいたり、僕たちの曲をかけるとお子さんが元気に歌ったり踊りするという動画をツイッターにあげて下さる親御さんがいたり。そういうのを聞いたり見たりすると、“日本に笑顔を”というコンセプトにやっと自分たちの活動がつながってきたのかなという気がします。まだまだですけど。
純烈に間違えられることもプラスにとらえて。いつか一緒に同じステージを踏めたら面白いと思うので、そのためにも売れたいです。(航)
斬波/航 撮影=大塚秀美

――4月7日に東京・よみうり大手町ホールで初のワンマンライブ『the!The!THE!斬波~500/1,000~』が決定しています。こちらはどんなライブになりそうですか?
YOMA:斬波史上、一番大きな会場でのワンマンとなります。タイトルに“500/1,000”と付いているのは、人数のことで。まずはこのよみうり大手町ホールで500人規模のワンマンライブを成功させようと。そうして、将来的には“1,000/1,000”、1,000人規模のライブを成功させるという野望のなかの、ここは一つの通過地点。そんな気持ちを込めてこのタイトルにしました。
――自信のほどは?
YOMA:自信しかないです。当日に向けてお客さんへのサプライズも用意してますし。演出の面でも絶対に喜んでもらえると思ってます。
――初めて斬波を観る方々には、どんな風に楽しんでもらいたいですか?
航:メンバー4人個性があって、ソロで歌う曲のタイプも違うので、初めて来る人もまず4人のなかに男性としてタイプのメンバーが見つかるかもしれないし。“この曲、昔好きだったんだけど”という楽曲が聴けるかもしれないし。オリジナル曲もバラエティーに富んでいるので、そのなかに好みの曲があるかもしれないし。初めての人でも、なんか一つお気に入りが見つかれば斬波を楽しめると思います。
――いま描いている斬波の夢とは?
YOMA:東京ドームでやりたいとかそれぞれあると思うんですが、僕個人としては『NHK紅白歌合戦』に出たいです。あと、福島県出身なので、地元の大きなホールでライブをやりたいです。
孝介:僕も『NHK紅白歌合戦』に出たいです。あと日本武道館のステージにも立ちたいです。父親や母親でも分かることをやって、親も誇れる存在になりたいです。
YOMA:親孝行だな~。
――みなさん、ライバルはいるんですか?
孝介:自分たちじゃないですか?
YOMA :いろんなところで“ポスト純烈”といっていただけたりするんですが、僕は昔から純烈のことが好きで知ってましたし、ずっと憧れで観てきた人たちで。でも、彼らはすでに『NHK紅白歌合戦』という夢も叶えましたから。その分お客さんにも“純烈に負けないで頑張ってね”といっぱいいわれるんですけどね(笑)。
航:だから、純烈は意識せざるを得ない存在なんですよ。なので、ライバルといってもいいとは思うんです。よく間違えられますしね。“紅白おめでとう!”って(笑)。
YOMA:本当にいるんですよ!
航:“それ違うよ”、“僕らは斬波。まだ出てないよ”って。そうやって間違えられることもプラスにとらえて。同じようなところでライブもやってるから、勘違いして観に来る方もいるんですけど。そこで“同じ漢字2文字のグループだけど、こっちはこっちでいいわね”って、そこで思わせればいいと思ってます。なので、間違えてもらえるポジションにいることは、逆にありがたいことだと思ってます。いつか一緒に同じステージを踏めたら面白いと思うので、そのためにも売れたいです。
“新感覚歌謡男子”といってますが、ライブはどんな音楽のジャンルが好きな方でも楽しめるものです。そこは自信を持ってます。(義文)
斬波/義文 撮影=大塚秀美
――分かりました。では最後にSPICEの読者のみなさんにメッセージをお願いします。
YOMA:僕は最後でお願いします。
航:分かりました。じゃあYOMA君どうぞ。
YOMA:俺か~い! っていう茶番劇をライブではやったりしております(笑)。
航:SPICEのロゴの唐辛子、かわいいですね(笑)。みなさん僕たちの記事を読んで下さってありがとうございます。コンセプトに恥じぬよう、斬波らしいステージで日本を笑顔にしていきたいと思いますので、ぜひ注目していただければなと思います。
義文:斬波を初めてこの記事で知った方がいらっしゃましたら、“新感覚歌謡男子”といってますが、ライブはどんな音楽のジャンルが好きな方でも楽しめるものです。そこは自信を持ってますので、1度遊びに来ていただけたらと思います。
孝介:この記事で初めて斬波に触れた方は、騙されたと思って僕たちのライブ会場に足を運んでいただいて、まずは僕たちのステージを観て、僕たちの熱い温度感を生で感じていただければなと思います。そして、これまでも応援して下さってるみなさん。この出会いもなにかのご縁だと思ってます。みなさんの口コミという労力がなければいまの僕たちはないので、これからもこんな僕たちですが、どうかよろしくお願いいたします。
――分かりました。本日はありが……。
YOMA:おぉーい!(爆笑)
航:最後に斬波のリーダーが気の利いたコメントで締めさせていただきたいと思います。
義文:ハードル上げたところで。
孝介:どうぞ!
YOMA:よろしいですか? まずは記事をお読みいただきありがとうございます。僕はライブ中にすごく汗をかくんですが、その汗がお客さんのほうに飛んでいってしまう可能性が高いんですね。僕の汗にはビタミンが豊富に含まれているので、逃げないようにして下さい。そして新曲「キメテ!」を聴いた際には、必ずこの4人のなかから世界一頼れる斬波のリーダー、YOMAにキ・メ・テ!!
3人:…(苦笑)。
YOMA :あれ? ……以上、斬波でした~。

取材・文=東條祥恵 撮影=大塚秀美
斬波 撮影=大塚秀美

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着