「君と好きな人が百年続きますように」一青窈の『ハナミズキ』に込められた想い

「君と好きな人が百年続きますように」一青窈の『ハナミズキ』に込められた想い

「君と好きな人が百年続きますように
」一青窈の『ハナミズキ』に込められ
た想い

数々の音楽賞や新人賞を受賞した一青窈とは
台湾人の父と日本人の母の間に生まれた一青窈(ひととよう)。日本語、英語、北京語を話せるトライリンガルです。
2002年、シングル『もらい泣き』でデビューし、翌年には、日本レコード大賞最優秀新人賞、日本有線大賞最優秀新人賞などを受賞します。NHK紅白歌合戦初出場も果たしました。
その後、5枚目のシングル『ハナミズキ』、そして初のベストアルバム『BESTYO』が大ヒットを記録。2008年には、初の日本武道館ライブ開催。
2004年に映画「珈琲時光」、2008年に音楽劇「箱の中の女」で主演をつとめ、2013年に初の詩集「一青窈詩集 みんな楽しそう」を発売するなど、歌手の枠にとらわれず活動の幅を広げています。
2017年10月にはデビュー15周年を迎え、シングル『七変化』と、オールタイムベストアルバム『歌祭文 ~ALL TIME BEST~』をリリースした一青窈。
そんな彼女のデビュー曲『もらい泣き』と、2010年には映画化もされた大ヒット曲『ハナミズキ』をご紹介します。
一青窈のデビュー曲にして出世作『もらい泣き』
デビュー曲にして大ヒットとなり、大ブレイクをしたファーストアルバム『月天心』にも収録されている『もらい泣き』。
もらい泣き
少し癖のある表記が特徴の歌詞です。このシングルのヒットにより、一青窈は一般的に広く認知されるようになりました。
1stアルバム『月天心』が出るまでロングヒットし、1stシングルと1stアルバムがオリコンチャートの同じ週にTOP10入りしていたほどです。
●もらい泣き / MV

現在でもランキング上位にいる一青窈の『ハナミズキ』とは
2004年2月11日にリリースされた一青窈の5枚目のシングル『ハナミズキ』。
オリコンの週間シングルランキングでは125週連続チャートインし、累計136週のチャートイン。カラオケランキングでは90週連続でTOP5入りとなるロングヒットを記録し、2007年度の年間ランキングでは6位となりました。
カラオケランキングでも、リリースから約15年経つ現在もTOP10以内にランクインし続けている唯一の楽曲であり、数々のCMタイアップや多数のアーティストにカバーされ、その度に人気が再燃しています。
また、2010年8月21日には、この唄のイメージを実写化した映画「ハナミズキ」が東宝系で公開され、興行収入27億円を超える大ヒットとなりました。
互いを想いながらもすれ違い続ける男女の恋の行方を描いたラブロマンスで、主演は新垣結衣、生田斗真です。
一青窈が『ハナミズキ』に込めた想いとはいったいなんでしょうか。
花水木の花言葉
「永続性」
「私の想いを受けてください」
「返礼」
20世紀初頭、日米の友好を願って、日本から桜がアメリカに贈られました。その返礼としてアメリカから日本に贈られたのが花水木。この出来事から「返礼」という花言葉が出来たようです。
また、西洋の花言葉の中には「durability(永続性、耐久性)」の他に「love undiminished by adversity(逆境にも耐える愛)」という意味の言葉もあります。
名曲『ハナミズキ』に込められた想い
『ハナミズキ』は、アメリカ同時多発テロ事件発生時、ニューヨークにいた友人からのメールをきっかけに、一週間ほどで涙ながらに書いた詞でした。テレビに映る悲劇は、彼女の想いをA4用紙3枚程に溢れさせました。
作詞当時、「テロ」「散弾銃」「ミサイル」といった生々しい言葉があり、一青窈いわく「挑戦的な詞」であったといいます。テロに対する自分の想いを全部吐き出してから、その詞を削っていって「君と好きな人が百年続きますように」の言葉にたどり着いたのです。
ハナミズキ
彼女はこの歌に、テロに対する怒りの連鎖がとまるようにと、祈りをこめて作りました。
9.11の起こったニューヨークは水辺の都市だった為、一青窈は事故当時「客船タイタニックの事故」を連想したようです。多くの人が逃げ惑う光景は、タイタニックでの事故と重なって見えたのでしょう。
船が沈みゆく中、救命ボートにあともう少しで乗れるという時に、「自分と好きな人が助かる」よりも「好きな人とその人が好きな人」を助けたいという想いをみんなが持てば、もっといろいろなことが変わるのではないかと感じ、彼女はそれを歌詞に託しました。
●ハナミズキ / MV

あの夏を繰り返さないために平和を歌う『ハナミズキ』
9.11が起こったあの夏。複雑な思いを抱え、多くの人が死んでいきました。
『ハナミズキ』には、「君と好きな人」を優先的に船に乗せてあげられるような、未来への希望を繋げていく気持ちがあれば、きっと世界からテロは無くなる。そんな思いを込めて一青窈はこの曲を作りました。
一言一言、想いを込めて歌う彼女の平和への気持ちが痛いほど伝わります。
大切なひとを想い、そのひとの幸せを願い、それに必要不可欠な平和を祈念する歌として、今一度聴いてみてはいかがでしょうか。
TEXT:UTAKATA

UtaTen

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