Wakana

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【Wakana インタビュー】
今作は今の私だからこそ
伝えたい曲ばかりになっている

Wakanaのソロデビューアルバム『Wakana』が完成! Kalafinaのメンバーとして活躍していたWakana。その美しい歌声はそのままに、彼女が自ら手掛けた歌詞と新たな音楽性を持つ楽曲とともに、さらなる世界を見せてくれる今作は、とても清々しく、心の底から癒してくれる気持ちの良い一枚だ。今作について、じっくりと話を聞いてきた。

とても素敵な一枚が仕上がりましたね。

ありがとうございます。最初から全体像を見越して作っていたわけではなく、一曲一曲しっかりと向き合いながら作った一枚になりました。なので、いざ出来上がって振り返ってみると、自分でも驚くほどにいろんなタイプの曲が入っているんですよ。とはいえ、歌うのは私なので、どの曲にも共通点はあるんです。その中で、いろんな歌声を披露できたのは、スタッフさんや楽曲を提供してくださった作家さんのおかげだと思っています。すごく面白いアルバムになりました。

選曲はどのように行なわれたのですか?

得意な曲ばかりを選ぶのではなく、“この曲を私は歌えるのだろうか”という不安があるものもどんどん歌っていかなくちゃいけないと思ったんです。なので、今回は私の歌に対する苦手意識を払しょくするためにも、“とにかくやってみよう!”という新しい気持ちを優先して選ばせていただきました。

中でも不安だったのはどの曲でしたか?

安藤裕子さんが作詞作曲をしてくださった「記憶の人」です。もともと裕子さんが作る楽曲が大好きだったこともあり、楽曲をいただけたことが本当に嬉しくて、ご本人の仮歌に聴き惚れていたんです。だからこそ、この世界観を絶対に崩しちゃいけないと思ったんですよね。でも、私のことを信じて書いていただいているなら、この真似をするのではなく、“私の歌を歌おう”と思いました。アルバムが完成してから、まだ裕子さんに感想を伝えていないので、“やさしくて素敵な曲をありがとうございます”とお手紙にしたためようと思っているくらいなんですよ。

では、ここにしっかり記しておきますね(笑)。

ぜひ、よろしくお願いします!(笑) あとは、裕子さんもそうですが、「時の音」の歌詞を書いてくださった矢吹香那さんの歌詞にも、女性特有の包容力を感じたんです。なので、私もその包容力をしっかり歌にしなくちゃと思ったんです。

今作ではWakanaさんも作詞をされていますよね。

はい。最初に書かせてもらった「時を越える夜に」は何もかもが初めての経験だったので、どうしていいか分からなかったんです。そこで辿り着いたのが、メロディーをしっかりと自分の中に取り込んで、イメージするということ。すると、だんだんメロディーの中から言葉が生まれてくるんです。その言葉たちをたくさん書き留めて文章にしていきました。そうしていく中で、書き方が分からないながらも、しっかりと作家さんの想いを踏まえ、自分が歌詞を書ける喜びを表現することが大事なんだなと実感しました。

サウンドに導かれた言葉を大事にしたんですね。

それ以外、やり方が分からないということもあるんですが(笑)、これに関しては正解も不正解もないので、私なりの書き方をこれからも模索していきたいと思っています。それに作家のみなさんが、私が書く歌詞を否定しないし、むしろ褒めてくれるんですよ。男性、女性関係なく、そういった母性がある方ばかりだったので、やさしく包まれながら作詞させていただきました。

歌詞を手掛けることで、より“欲”も出たのではないですか?

そうですね。もっと勉強したいと思うようになりました。というのも、歌詞を書く時にいろんな方の曲を聴いてみたら、もう私が書きたいことがほぼ歌詞になっていたんですよ(笑)。その時にすごいショックを受けたんですが、私が書くから同じメッセージでも違うものになるということにも気付いたんです。今までずっと“可能性は広げたほうがいい”と思って生きてきたつもりだったんですが、実はちゃんと分かっていなかったんですよね。だからこそ、改めてそういったことに気付けたのはいい経験でした。

今作では武部聡志さんが作曲された曲も2曲収録されていますが、Wakanaさんの声との相性の良さを感じました。

嬉しい! 武部さんは昨年の秋のツアーの音楽監督として参加していただいたので、すごく私のことを分かってくださっているんです。ライヴで何度も歌っていた曲だからこそ歌っていて安心できましたし、バンドさんたちとのグルーブも感じることができたのですごく良かったですね。それに、武部さんが作るメロディーって、聴いているだけでどんどん言葉が出てくるんです。実は昨年の夏に一気に9曲くらい作ったんですが、それもあまり悩むことなく、すぐに書けたんですよ。メロディーに武部さんの想いがこもっていて、それがしっかりと見えた気がしたので歌詞にしてみたら、武部さんも“僕もそう思う”と言ってくださったんです。そこで自信をもらえたことで、歌詞を書くことが楽しくなれたのかもしれません。

中島美嘉さんの「雪の華」を作った松本良喜さんとSatomiさんによる楽曲「瑠璃色の空」も収録されるんですね。

はい。私自身、「雪の華」や柴咲コウさんの「月のしずく」(RUI名義)が大好きだったんです。それもあって今回お願いすることになったんですが、またイメージとは違うサウンドと、切ない歌詞が印象的な曲になっているので、じっくりと聴いてもらえたら嬉しいです。きっと10代でも、20代でも、この曲は歌えなかったと思うんですよ。

それはどうしてでしょうか?

やっぱり年齢を重ねるからこそ歌える言葉ってあると思うんです。以前なら、相手に好きな気持ちは絶対に伝えたいと思っていたんですが、今は伝えない奥ゆかしさもあると思えるようになったんです。それは「金木犀」の歌詞でも表現しているんですが、今作は今の私だからこそ歌える曲になっているので、じっくり聴いてもらえたら嬉しいですね。

このアルバムが聞けるツアーも始まりますね。

はい。サブタイトルが“VOICE”になっているんですが、私ひとりの声を改めてお伝えするものにしたいと思うので、楽しみにしてもらえたらと思います。

取材:吉田可奈

アルバム『Wakana』2019年3月20日発売
    • 【初回限定盤A(DVD付)】
    • VIZL-1573 ¥3,500(税抜)
    • 【初回限定盤B(ボーナスディスク付)】
    • VIZL-1574 ¥4,800(税抜)
    • 【通常盤】
    • VICL-65175 ¥3,000(税抜)

『Wakana LIVE TOUR 2019 〜VOICE〜』

4月04日(木) 埼玉・飯能市市民会館 大ホール
4月06日(土) 大阪・NHK大阪ホール
4月14日(日) 北海道・札幌市教育文化会館 大ホール
4月20日(土) 宮城・SENDAI GIGS
4月26日(金) 東京・中野サンプラザ
5月04日(土) 福岡・福岡国際会議場
5月12日(日) 愛知・日本特殊陶業市民会館

Wakana プロフィール

ワカナ:12月10日生まれ。福岡県出身。上京後、Fiction Jnctionのプロジェクトに参加した後、Kalafinaのメンバーとして2008年1月にデビュー。19年2月にはシングル「時を越える夜に」で待望のソロデビューを果たし、3月には1stアルバム『Wakana』を、11月には1stEP『アキノサクラ EP』をリリース。20年2月には2ndアルバム『magic moment』、同年12月にはカバーアルバム『Wakana Covers ~Anime Classics~』、23年5月には3rdアルバム『そのさきへ』を発表。Wakana オフィシャルHP

Wakana
アルバム『Wakana』【初回限定盤A(DVD付)】
アルバム『Wakana』【初回限定盤B(ボーナスディスク付)】
アルバム『Wakana』【通常盤】

「時を越える夜に」MV

OKMusic編集部

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