L→R 高原未奈(Ba&Cho)、松本明人(Vo&Gu)、MIZUKI(Dr&Cho)

L→R 高原未奈(Ba&Cho)、松本明人(Vo&Gu)、MIZUKI(Dr&Cho)

【真空ホロウ インタビュー】
聴覚だけではなくて
視覚も使って音楽を届けたい

渋谷は居心地が良くて、
でも居心地が悪くてという街

どの曲も聴いていると物語や映像が浮かびます。

松本
実は、全部の曲のMVを作るんですよ。「ただ今日を消化するために生きています。」のMVはダンサーに踊っていただいたんですけど、すごい表現でした。びっくりしました。
MIZUKI
大変な撮影だったんです。薄着の衣装だったんですけど、屋外のマイナス2℃の場所とかの撮影もあって。脊髄から震えました(笑)。
高原
指先がガタガタ震えた状態で演奏シーンを撮影したんです。
MIZUKI
ちゃんと風邪をひきましたからね(笑)。でも、そんな苛酷さは感じられないようなMVになってます。
松本
僕が歌っているところで白い息を吐いていますが、CGじゃないです。「ただ今日を消化するために生きています。」の歌い出しは《ひどく悲しいこともないけれど》ですけど、寒さのあまり、ひどく悲しんでいました(笑)。

(笑)。「水縹-mihanada-」はコーラスがクイーンっぽいと思ったんですけど。

松本
まさにクイーンの感じを狙っています。この曲、MVもかなり攻めていますよ。リリックビデオなんですけど、メンバー全員が出ているんです。言葉でどう説明したらいいのかも分からないので、ぜひ実際に観ていただければと思います。

「水縹-mihanada-」はサウンドのノリも独特ですね。

松本
リズム隊が可笑しいことをやっているんです。
高原
確かに、可笑しなことをしています(笑)。
松本
ライヴだとリズム隊のセッションがあるんですけど、最近、とんでもないんですよ。“僕は今、何を観てるんだろう?”ってなりますから(笑)。
MIZUKI
ライヴでのセッションは、今後もさらに攻めていきたいですね。

このバンドの演奏力を活かすためには、インストナンバーを作るというのもありかもしれないですよ。

MIZUKI
いつかやってみたいですね。私、インストも好きなんです。
松本
真空ホロウは歌を押し出しますけど、ライヴで生で観ると、全員すごいことをやっていることが伝わるバンドだと思っています。
高原
私、ステージで演奏している時が一番楽しいんです。セッションの時とか、男が宿っているような感じなんですよ。
松本
僕、ふたりが鬼に見える時があるんですよ。豆投げ付けたら食べるんじゃないですかね。
MIZUKI
食べるの!?
松本
食いしん坊だから。
MIZUKI
なるほど。確かに食べるかも(笑)。

(笑)。ボーナストラックの存在感もすごいですね。3曲も収録するって大サービスじゃないですか。

松本
はい。本当の意味でのボーナスです(笑)。去年、メンバーそれぞれの誕生日に自主企画をやった時、グッズと一緒にプレゼントした曲のリマスターです。誕生日の人がやりたいかたちでやった3曲なんですよ。それぞれの曲が黄色、赤、青のイメージ。この3色は去年のメンバーカラーです。
MIZUKI
私は黄色です。
高原
私は赤です。
松本
僕は青です。担当の色があるのって、なんかアイドルみたいですけど(笑)。

(笑)。「ズーフィリズム」は誰が主体となってやったんですか?

MIZUKI
私です。これは曲自体もすごく好きなんです。みんなで盛り上がれる曲になっていると思います。

「ドリップ」は?

高原
私です。この曲は全体にかかるエフェクトにもこだわっています。ベースも好きなように弾きました。フレットレスのアコースティックベースなんです。

「仮想行列」は松本さんが主体となった結果、こうなったわけですね。

松本
はい。おどろおどろしさも全開で出しています(笑)。みんなでフロアタムを叩いたのも楽しかったですね。3台用意して、みんなで同じフレーズを叩いたんですよ。

ハロウィンで大騒ぎになっている街が浮かびます。

松本
ハロウィンの時の渋谷です。僕がイヤホンで音楽を爆音で聴きながら人を睨みつけて歩いていたような時期の曲ですね(笑)。

(笑)。「ズーフィリズム」ももしかしたら渋谷のイメージ?

松本
そうなんです。これは渋谷のセンター街…バスケットボールストリートです。

バスケットボールストリートって本当に言う人に初めて会いましたが(笑)。

松本
僕はちゃんとバスケットボールストリートって言いたい(笑)。あの通りに入っていって自分をひけらかすけど、それは演じている姿である女性の曲です。狼の皮を被った羊としてのその女性の周りには獣がたくさんいて、人狼ゲームみたいなことをやっていて…というイメージです。

松本さんは渋谷が好きですよね? 渋谷の銀座線の乗場に向かう通路の窓からスクランブル交差点を眺めるのが好きだという話を聞いたことがあった気がします。

松本
それ、「回想列車」ですね。

道玄坂あたりから109のほうを眺めるイメージの曲もありましたよね?

松本
それは「クレイマン・クレイマー」です。渋谷が一番曲が生まれるかもしれない。僕は渋谷以外の都会では、心がざわざわしすぎちゃってダメなんです。渋谷は居心地が良くて、でも居心地が悪くて…という街だから曲ができるんです。新宿は歩いている人の目が怖くて、さらに嫌なのが池袋。渋谷は気取っている人が多くてネタにしやすいんです。大人に操られているのが新宿で、ガチで大人なのが池袋というのが、僕の中でのイメージなんですよ。

なるほど。ボーナストラックも含めて聴きどころが満載の作品となったわけですが、リリース直後の3月23日から始まるツアーは、どういうものになりそうですか?

MIZUKI
楽器隊はバリバリでゴリゴリですよ。そんなところも楽しみしていただきたいです。真空ホロウはライヴで生で感じてほしいバンドなんです。
高原
すごく盛りだくさんのライヴになっているので、最初から最後まで観どころがいっぱいです。
松本
初めて真空ホロウのライヴを観る人にも“こういうバンドなんだな。出会えて良かった。これからが楽しみ”って感じていただけるものになると思います。真空ホロウの新たな始まりとなるライヴをするので、ぜひたくさんの人に観ていただきたいです。

取材:田中 大

アルバム『たやすくハッピーエンドなんかにするな』Clayman Bros. 2019年3月20日発売
    • CLBR-0006
    • ¥2,500(税込)

『真空ホロウ ワンマンツアー2019 『たやすくハッピーエンドなんかにするな』』

3/23(土) 愛知・名古屋ell.SIZE
3/24(日) 大阪・心斎橋Pangea
3/29(金) 宮城・仙台HooK
3/30(土) 東京・TSUTAYA O-WEST

真空ホロウ プロフィール

シンクウホロウ:2006年、松本明人を中心に3ピースバンドとして始動。 09年にRO69が運営する新人コンテスト『RO69JACK 2009』を勝ち抜き、『ROCK IN JAPANFESTIVAL 2009』に初出演。その後も数々のフェスに出演するなど、ライヴバンドとしても注目を集め、12年10月にミニアルバム『小さな世界』でメジャーデビューを果たす。15年にメンバーの脱退により松本明人のソロプロジェクトとなる。17年3月に高原未奈、11月にMIZUKIが加入し、3ピースバンドとして活動を再開。リアルな女性目線に切り込んだ世界観が、多くのリスナーの共感を呼んでいる。真空ホロウ オフィシャルHP
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真空ホロウ オフィシャルFacebook

「おんなごころ」MV

「ただ今日を消化するために生きていま
す。」MV

『たやすくハッピーエンドなんかにする
な』ティザー映像

OKMusic編集部

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