場所◎松山・カフェトレイン

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人間、なにもかもなくなっても生きて
いける:杉作J太狼XE「美しさ勉強講座
」連載95

軟弱な男たちの姿に見かねて、あの先生が立ち上がった!

杉作J太狼XE先生の「男の偏差値がぐんとアップする美しさ勉強講座」
95時限目・人間、なにもかもなくなっても生きていける 今年は春の訪れが早いね。
 このぶんだとお花見も三月中ではないか。
 俺は「男の墓場プロダクション」のお花見を毎年やっている。15年ぐらい前からやっているのではないか。去年は松山(愛媛)と新宿(東京)で開催した。その一年前は難波(大阪)でも開催した。何年か前には瀬戸内海の因島(広島)でも開催した。10年ぐらい前は長時間開催のピークで最大三日間ぐらいしたこともある。公園でいちどシートを開いたらそこで三日間ぐらいお花見を続けるんだね。ま、あまり桜の木がない、花見会場としては閑散とした新宿中央公園だからチャレンジしていたのではあるが。基本、公共の場所で、人気のあるような場所ではコンパクトなほどいい。同じ場所でやりたい次の人がいるのでね。昼間、夕方、夜、深夜、早朝。それぞれの時間にお花見の人は来るのです。
 子供の頃にお花見をした記憶もあるし、若い頃にはつきあってた女性とふたりでお花見をしたこともある。ま、それはそれで別にたいした思い出ではない。とくにその女性はもう遠い人なのでね、思い出すだけつらくなる。
 15年ぐらい前になぜ始めたかというとそれは会社や職場で開催するお花見と同じでスタッフ、出演者に対するねぎらいの気持ちからだった。ほんとうは飲み屋でもてなしたいのだが当時は男一匹火の車だった。生活費もすべて映画製作に注ぎ込んでいたのでね。なぜそんな無茶なことをしていたかというと物事にはたいてい理由というやつがあり、死んだ気で生きてたんだね。あいみょんの歌にそんなのがあるね。死んだつもりにならないと生きているのがつらかったんだね。だから団体名も「男の墓場プロダクション」というのです。
 そんな俺の死んだつもりにつきあってくれてる周囲のみなさんの中にはまっとうに生きている人もいるので申し訳ない、もてなさねば、なにかごちそうしなければ、みたいな。それがお花見だったわけですね。お花見はお金がなくてもできるから。公園に行ってシートを広げるだけでできる。シートがなければ古新聞でいい。古新聞の下に段ボールなどをしけば暖かくて座り心地がいいということも三年目ぐらいにはわかってきた。
 で、別に仲がいいというわけでもないのでケンカにもなる。凄いのも何度かあった。人間関係が悪くなったこともある。新宿にはホームレスの人も多いのでホームレスの人たちが合流してくることもある。
 三日間ぐらいお花見してた頃はその指向が強く、お金も最大に困っていて、毛布や布団を公園に持っていって桜の花もないような場所で寝泊まりしながら朝も昼も深夜もそこでめし食って生活していたのでホームレスの人たちから見ればそりゃ仲間というか後輩になりますよね。ちょっと様子を探りに来られていたのもわかります。
 ま、お金がなくても仕事がなくても生きていくことは可能だということを確認する作業でもあったんだね。
 今年は日程的に新宿でできないかもしれないと思ってましたが。千葉で開催される「ちば映画祭」に「チョコレートデリンジャー現時点最良版」の上映があって3月29日の深夜24時ぐらいには千葉から新宿に帰ってきているのでやろうと思えばできるのですがどうでしょうか。ここで書くなというのもありますが。松山はその前後、こちらは基本いつもいるので毎晩でもできるんだね。
 ひとりでもいいからやればわかる。人間、なにもなくなっても命さえあれば生きていける。寂しかったらそこにもまた別の誰かはきっといる。人跡未踏の山奥でひとりのお花見だとさすがに誰とも出会わないかもしれないが鳥がいる。
(この項、おわり)<隔週金曜連載>
写真:場所◎松山・カフェトレイン
91時限目 コンビニのイートイン、女学生、その序
http://bucchinews.com/subcul/6399.html
92時限目 コンビニのイートイン
http://bucchinews.com/subcul/6405.html
93時限目 帰宅できない女子学生たち
http://bucchinews.com/subcul/6405.html
94時限目 その家路は絶対でも永遠でもない
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【杉作J太狼XE:プロフィール】
すぎさく・じぇいたろうXE
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める男の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
おすすめ本:Jさん&豪さんの世相を斬る!(残侠風雲編)@ロフトプラスワン(ロフトブックス)
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