首振りDolls

首振りDolls

首振りDollsが5月にニュー
アルバム『アリス』を発売!
新体制で初のインタビューが到着

3人で音を合わせた時は、
“俺たちが首振りDollsだ!”
みたいな感覚

ーーそっか。11月に発表して、ナオがショーンを誘ってみようと思ったのはそのタイミング?
ナオ:ジョンから11月に俺とジョニーに“話したいことがある。内容は脱退したいってことなんやけど、詳しいことは会って話したい”ってメールが届いて、“お~マジか〜!”ってなって。でも、バンドを止めるわけにはいかないから、まだ不確定な状態ではあったけど、まず最初に頭にショーンがパッと思い浮かんだんです。というか、ショーン以外いなかった。一択。

ーーショーンとは知り合いだったの?
ナオ:ショーンとは、ショーンがやっていたバンドとよく対バンをしてたんで知り合いだったんです。一緒にツアーも回ったこともあって。そのときからショーンのベース、ヤベェなって思ってて。遊びに行ったりする仲ではなかったんだけど、ただ対バンをしただけの友達じゃない感じというか、特別な感じで。ショーンは首振りDollsが東京でライヴやったときによく見にきてくれてたし。実は前にバンドに危機があったときも、ショーンに電話したことがあって。相談をしてた仲でもあったんですよね。ショーンからも心配して電話をしてきてくれたことがあったりもしたし。

ーーショーンは首振りDollsを昔からかっこいいバンドだと思ってたって言っていたよね?
ショーン・ホラーショー(以下▼ショーン):そうですね。一緒にツアーを回ってたライヴのアンコールのときに首振りDollsの「ロックンロール」って曲でセッションに参加してたりしてたから、今、正式にメンバーになって、ライヴで「ロックンロール」を弾いてるのがなんか不思議な感じというか。あ、これだったんだって感じるというか。

ーーそのピースのハマり方すごいよね。
ナオ:そう。本当に不思議。ショーンとは年に2回とかの連絡頻度やったんやけど、夜の12時過ぎぐらいに急にジョンから抜けたいっていうLINEがきて、突然ショーンに“電話していい?”ってLINEしてから電話して。“まだ話をちゃんと聞いてないから分からないんだけど、実はジョンが抜けるって言ってて、もしかしたら、もしかするかもしれない”って相談したら、すごく冷静に“うん。わかった。また、連絡待ってる”って言ってくれて。
ショーン:ジョンくんを引き止めようとしていたというのも、ナオくんはちゃんと正直に話してくれていたし、抜ける“かも”っていう未確定な話だと思ったので、“どっちに転んだとしても覚悟決めとくね”って言ったんです。
ナオ:今バンド止めるわけにはいかんけ、サポートでお願いするような形になるのか、正式加入でお願いする形になるのか、もしくはジョンが抜けないのか、どうなるか分からんけどって、正直にショーンに相談したら、“どっちに転んでも大丈夫なようにしておくから”って言ってくれて、なんて神様のようなやつなんだ、救世主すぎるって泣きそうになった。
ジョニー:ナオから、“一緒にやるんだったらショーンしかない。どう思う?”って言われたとき、“間違いないね”って即答したくらい、俺の中でも選択肢は一つしかなかった。そこで行けたら間違いないわって思って。その後すぐにナオがショーンに連絡取って。そこからまたナオから電話かかって来て、“なんかいけそう”ってなったときは、逆に“え!? 行けるの!?”ってびっくりしたくらい。すごいタイミングだなって。
ナオ:で、本当にジョンが抜けるって決まった時に、ジョニーと一緒にショーンに電話したんですよ。スピーカーで電話かけて、“ジョンが正式に抜けることになったから、正式メンバーとして加入してもらいたいんやけど、お願いできるかな?”って。そしたら、“これ断ったら音楽家じゃないよね”って言ってくれて。
ジョニー:あれは本当に嬉しかった。
ショーン:いやいや、俺こそ嬉しかった。喜んでくれたことが本当に嬉しくて。ナオくんから最初に電話もらったときから、断る理由がないと思ってて。俺もバンドがやりたくて上京していたのに、バンドが止まってしまって路頭に迷ってたのもあったから。
ジョニー:いやでも、本当にめちゃめちゃ救われた。
ナオ:めちゃめちゃ救われたよね。俺たちは大丈夫だって確信したというか。ショーンが熱い気持ちを持って入ってきてくれるんだっていうのも分かったし。メンバーが一人脱退して、新しい体制で動き出すときっていろんなところを整えていかなきゃいけなくて、やりっぱなしにはできないことがたくさんあって。実際には、もう動いていなかったバンドだったとはいえ、ちゃんと筋として、ショーンのバンドメンバーには直接会って話をすべきだと思ったから、俺とジョニーとで挨拶に行ったんです。忘れもしない。11月22日だった。
ショーン:そう。その日、すごい偶然にもみんなが集まれる日で。
ナオ:そう。なんだか怖いくらい偶然がハマりまくってる。21日の東京でのライヴの後にショーンと一緒にスタジオ入って、いけるねって確信して、22日にキングレコードに、ジョンが脱退することになったって報告しに行って、その夜だったね。みんなで一緒にご飯食べに行ったの。こっちからしたら、ご両親に“娘さんを下さい!”って言うぐらいの気持ちで出向いたと言うか。
ジョニー:そう。一発殴られるぐらいの覚悟でね。酒をぶっかけられて、“帰れっ!”て言われるかもぐらいかもしれないって気持ちで出向いて。
ナオ:そう。そんぐらいの気持ちで“ショーンくんを下さい!”って言ったんですけど、メンバーもすごい首振りDollsのことをを応援してくれてて、ショーンに対しても行ってらっしゃいっていう感じで送り出してくれたんです。
ショーン:ナオくんから連絡が来たときにまず話さなきゃいけないのはヴォーカルだったので、すぐに電話したんです。そもそも俺を最初に見つけてくれたというか、一緒にやろうってそのバンドに誘ってくれたのもヴォーカルだったので。ちゃんと話をしたくて、まず電話したんです。

ーーナオとジョニーは北九州在住だけど、ショーンは現在東京在住なんだよね。
ショーン:はい。でも、出身は宮崎なんです。そのヴォーカルも宮崎で一緒に上京したんです。音楽やるなら東京しかないなってことで。僕自体、そのバンドにも後から加入だったんですけど、誘われたときは既に上京していたんで、誘われてから宮崎に一回戻って5、6年ぐらい宮崎でバンドやってたんです。けど、そこからやっぱり東京でしょってことで、メンバーと一緒に上京したんです。

――なるほど。ショーンにもここに至るまでのドラマがあったんだね。
ショーン:そうですね。だから、そのヴォーカルは一番恩がある人だったので、ちゃんと話したくて。正直に相談したら、“行きな! 行きな!”って言ってくれたんです。“もったいねぇよ、断る理由なんかねぇよ!”って言ってくれて。
ナオ:かっこいいな。泣けてくる、何回聞いても。

ーーほんとにね。大切に思ってる人の背中を押せるって本当の愛情だよね。
ジョニー:めっちゃいい人なんですよ、本当に。

ーー素敵な話だね。最初に3人で音を合わせたときの手応えはどうだったの?
ナオ:初めてスタジオに入って音を出した瞬間、勝ちを確信したんですよね。
ジョニー:そうやね。それで全ての不安がなくなったといっても過言ではないぐらいやった。もう、“俺たちが首振りDollsだ!”みたいな感覚(笑)。
ナオ:自然とニヤケちゃった。でも、あのときずっと笑顔になれたのは、俺もジョニーもすげぇずっと不安だったからだと思うんですよ。ジョンに脱退したいって言われてからずっと不安で不安でたまらなかった。でも、ショーンが全部の不安を取り除いてくれたというか、音で“俺イケまっしゃろー!”って感じで来てくれて(笑)。
ジョニー:バンドって、どんなに仲良くても、音を出さんと分からんから。音がダメやったら全員分かるんだよね、バンドって。”ダメかもしれん”みたいなことが肌で分かる。でも、そういうのが一切なかったからね。
ナオ:うん。なんなら、俺たちすごくね? かっこよくね? みたいな感じだったよね。

ーー初めてな感じがなかったんだね。
ナオ:そう。それに、そのとき、ジョンが辞めることが決まったのもすごく急だったのに、初めて音を合わせたスタジオまでに、ショーンは9曲も覚えて来てくれたんですよ!
ショーン:いやいや、9曲ぐらいだったらま~なんとか。サポートでやっていらっしゃる方とか、もっとすごい人はいますから。でも、その日、プロデューサーの戸城さん(exZIGGY・THE SLUT BANKS・戸城憲夫)もいらっしゃってたのでドキドキで。
ナオ:そう。最初、戸城さんは、“首振りDollsの音にスラップは合わねぇよ”って頑なに拒否しててね。でも、それをショーンは音でねじ伏せたのよ! 頑なにスラップいらんって言ってたのに、後半、“スラップもっとやれよ!”って言ってたからね(笑)!
ジョニー:なんなら戸城さんが一番大喜びしとったよね(笑)。“いいじゃん! いいじゃん!”って(笑)。
一同:(爆笑)。
ナオ:“大丈夫だね”って言ってくれてね(笑)。それだけ、やっぱりショーンのベースプレイはすごいんですよ!
ショーン:いやぁ、嬉しかったですね。
ーーショーン的にも手応えはあった?
ショーン:そうですね! バッチリとハマってるなっていう手応えを感じました。楽しー!って思いましたね(笑)。
ジョニー:あの日、わざと爆音にしとったんよ。ショーンがどんな反応するかなって思って。探りでもあって。俺ら基本的に音デカイから、どんな反応するかな? と思って。
ナオ:そしたらショーンがそれ以上の爆音にしてきてね(笑)。
ショーン:そうそうそう! 気持ちいい!って思った(笑)。
ナオ:あのとき誰も負けてなかったよね。俺もドラムの音もデカかったもんね。
ジョニー:も~はしゃぎにはしゃいとったからね(笑)。ガンガンに走っとったよ、俺も(笑)。
ナオ:興奮しまくって、ギャンギャンにスティック折れながらやってましたよ。リハスタでスティックばちばち折るなんてね(笑)。その日、ライヴの後やったのにめちゃめちゃ元気やった(笑)。

ーー根拠のない自信が湧くっていうけど、あった?
ナオ:あった、あった! すごい自信に満ち溢れるというか。
ジョニー:安心もあったけどね。
ナオ:うん。本当に安心した、本当に。ショーンのすごいのはそこから。既に決まってた年明けのMUCCとミオヤマザキとの対バンや、セックスマシンガンズとの2マンツアーもあって曲を覚えなくちゃいけなかったのに加えて、レコーディングも差し迫っていたのもあったから新曲を作らなくちゃいけないってのもあって、必死で個人練習にもいっぱい入ってくれてたからね。
ジョニー:マシンガンズとのツアーは本編の最後にセッションがあってそれもコピーしなくちゃいかんかったから、ショーンは相当大変やったと思う。セッション曲がKISSやったから、ショーンは自分のルーツには無い曲やもんね。
ショーン:セッション曲がツアーの前日に決まったのもあって、本当に大変でしたね。
ナオ:ベース弾きすぎて膿が溜まってましたからね。病院に行ったらもしかしたら切らなきゃいけないかもって話になって。
ショーン:溜まってたね、膿(笑)。左手の人差し指が腫れちゃって。親指みたいにパンパンになっちゃったんですよ(笑)。でも、先生がいい先生で、切らずに治してくれて。無事に難を乗り切ったという。でも、今も腱鞘炎で痛いですけどね、利き手が(笑)。
ジョニー:俺たちですら12月、1月とかめちゃくちゃキツかったもん。とにかく濃ゆい日々を過ごしとったからね。でも、ショーンはもっと濃ゆかったと思う。ほんとに大変だったと思う。
ショーン:濃ゆすぎて、まだあんまり時間経ってないっていうことに最近気づいて。まだ2ヶ月ぐらいなんすよね。1月が初ライヴですから(笑)。
ジョニー:濃ゆすぎるね! 1ヶ月ちょいしか経ってないのか(笑)。半年ぐらい経ってる感じ(笑)。
ナオ:本当に。でも、ショーンには感謝しかないね。ねぇねぇ、この場を借りて聞きたいんだけど、ショーンが首振りDollsに入る前の印象ってどんなだったの? 首振りDollsをどう思ってた?
ショーン:それはもちろん、音がカッコイイと思ってたから行ってたし、メイクとかステージングも個性的でいいなって思ってた。なんて言ったらいいか分からんけど、本当にカッコイイって思ってたからライヴにも行ってたし。人もいいし、普通に会いたいなって思って行ってました。それに、その頃から、自分の中で、首振りDollsの中で自分を生かせそうだなって思ってたのもあって。ライヴパフォーマンスも好きだし、顔に絵を描くのも好きだし。
ナオ:首振りDollsになるために生まれてきたんかな(笑)。
ショーン:こういう世界観もあったら面白かったなっていうのも見て思ってました(笑)。そしたら、まさか本当に自分が首振りDollsになるなんて(笑)。
ジョニー:最初にナオから電話あったときはどんな感じやった?
ショーン:きたか。みたいな。
一同:(爆笑)
ショーン:いやでも、本当に嬉しいけど、もっと周りにすごい人いるでしょ、みたいな感覚だった。
ジョニー:いや、さっきも話したけど、本当にショーン一択だったやからね、何故か。全くそこに迷いがなかった。
ナオ:うん。何故かね。ジョニーに”誰がいいと思う?”って聞いたら、ジョニーからも”ショーン”って上がってきてたからね。
ショーン:嬉しいですね。俺の居場所はここだったんですね。
ジョニー:それ勇者の台詞やん(笑)!

OKMusic編集部

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