『ChouCho Acoustic Live"naked gar
den"vol.5』オフィシャルレポート

2019年3月16日(土)HAKUJU HALLにて開催された『ChouCho Acoustic Live"naked garden"vol.5』のオフィシャルライブレポートが到着した。今年で5回目の開催となる、ChouChoによるアコースティックライブは初のホール公演。今までとは全く違った雰囲気でのライブとなった。

音楽の素晴らしさに浸ったアコースティックライブ
次回の"naked garden"は5/12に大阪で開催!
2年前に「アコースティックライブをやりたい!」というChouCho自身の発信からスタートした"naked garden"もついに5回目を迎えた。しかも今回は、彼女の夢でもあるホールでのワンマンライブ。心地よい演奏と歌声に癒やされる一夜となった。

会場が暗転すると、ステージがキャンドルのオレンジ色の光に包まれる。そして、白い衣装をまとったChouChoがステージに登場すると大きな拍手が起こる。アコースティックライブということで、バンドはピアノ(村山☆潤)とヴァイオリン(吉田翔平)とパーカッション(桑迫陽一)という編成。一瞬の静寂のあと、ChouChoの声からライブがスタートする。「アリア」での透き通るボーカルとヴァイオリンの音色に、観客はただただ音楽に酔いしれるしかなかった。アコースティックとなると、曲の中でのドラマがより明確にわかるので、後半徐々に気持ちが盛り上がっていく感じなど、バンド全体の呼吸が伝わってくるようで面白い。ピアノと息を合わせて歌い始めた「Authentic symphony」も、間奏では情熱的な演奏が見られたし、続くアップテンポなナンバー「優しさの理由」では、ライブの定番でもある“何度でも”のコール&レスポンスを実行。ChouChoが客席にマイクを向け、観客がそれに即座に反応するというシーンもあった。いつもとは違う、格調高いホールの雰囲気に少し戸惑っている観客に向け、リラックスして楽しんでほしいという、彼女なりのメッセージを込めたパフォーマンスだった気がした。

MCを挟み、最新シングルから「オレンジ色」を披露。原曲ではチェロが印象的だったが、今回は全編に渡ってヴァイオリンが際立っていて、アコースティックライブならではのアレンジ違いを楽しむことができた。とは言っても、曲の持つ青春感というのはなくなっておらず、グッとくるところが何度もあった。続く「ワンダーテイル」は原曲同様、ノリの良さを楽しむことができた。クールでカッコ良いパフォーマンスを見せたあとのMCでは「上質な音楽を良い音で、そして素晴らしい演奏で。アコースティックならではの生の音楽を、今日しか聴けない表現でお届けしていきたいと思います」と、このライブに対する思いを伝える。

また、元の曲から雰囲気がガラッと変わった「あの空に還る未来で」は、1コーラス目をピアノと歌だけで、2コーラス目からはパーカッションが入り低音を心地よく響かせ、最後にヴァイオリンが加わり広がりを出すという演出で、まさにこの日だけの表現だったし、真っ直ぐと前へ響かせるボーカルも素晴らしかった。一転「アンダンテ」では、痛々しさとか、ヒリヒリするようなシリアスな感じを音で表現する。「薄紅の月」は、本当に夜空がステージの上空に見えるようだったし、徐々に感情的になっていくChouChoの歌声に、心が揺さぶられた。あらためて“音楽の可能性”を思い知るような3曲だった。

続いてはカバーコーナー。"naked garden"では、いつもリクエストを聴いて、それをその場で歌っていくということをやっていたのだが、今回はChouChoがセレクトした2曲を披露。まずは父がよく聴いていて、大人になって歌詞の深い意味を理解したという、スターダスト・レヴューの「木蘭の涙」を、ピアノと2人で歌っていく。歌詞を感じて、彼女の呼吸と間で歌っていき、最後に感情が溢れてしまうところは弾き語りだからこそできることだろう。さらにアニソンからメロキュアの「Agapē」をセレクト。こちらはバンドでカバー。彼女自身、ライブで歌ったこともある慣れ親しんだ曲でもあるそうだが、岡崎律子が作詞・作曲したアニソン史に残る名曲を、エモーショナルに歌い上げていた。
ライブ終盤は「flyleaf」で一気にテンションを上げ、疾走感溢れる「カワルミライ」、そして壮大な「kaleidoscope」と一気に駆け抜ける。ここでもボーカルとして声の強弱や、歌詞への感情の込め方など、じっくりと聴けるアコースティックライブだからこそ、心の機微がより伝わる歌唱で感動を誘う。そして、「歌手になることができて夢を叶えることができたんですけど、音楽を仕事にすることは楽しいことだけじゃなく、悩んだり不安になることもたくさんあるんです。でも、こうやってライブに来てくださる人がいるということが心の支えになっていて、皆さんと会えるから頑張れています。最後の曲は心の支えになっているみなさんのことを思って作った曲です」と言って、本編ラストに歌った「searchlight」。彼女が語った通り、ファンとの繋がりを歌った楽曲で、彼女の心からの想いがすべて歌詞に込められていると感じる。それを夢でもあったホールワンマンの最後の曲に選んだことが美しかったし、歌が終わったあとの鳴り止まない大きな拍手が、彼女の想いがファンにしっかり届いたことを物語っていたと思う。本当に心にダイレクトに伝わってくる1曲だった。
大きな拍手に応えてのアンコールは、最新曲でありTVアニメ『ツルネ ―風舞高校弓道部―』の挿入歌である「風のソルフェ」から。彼女の歌は、切ない中にもどこか希望に溢れている感じがする。聴いたあとに一歩前に進めるような、そして幸せな気持ちになれるような歌をしっとりと聞かせると、MCでは少しリラックスした緩いChouChoが顔を出す。グッズ紹介、そして"naked garden"vol.6が、5月12日に彼女の地元大阪のフラミンゴ・ジ・アルーシャで開催されることを発表!「チケットの情報などは近日公開になるので、できれば“毎日”私のオフィシャルサイトをチェックしてほしいです」と言って笑わせると、最後にあらためて、このイベントを続けられるのはみなさんが来てくれるおかげだと感謝の気持ちを伝える。「みなさんが毎回来たい!と思えるようなライブにしたいと思っています」と伝え、最後は「piece of youth」で、優しく柔らかい歌声と演奏を響かせ、初となるホールでのアコースティックライブを終えた。歌に癒やされ、感動し、心弾ませたあっという間の2時間。音楽の素晴らしさや可能性を存分に感じるライブだった。

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