新年からフルボリュームの“JAM初め
”!「JAM Project Special Live 20
19 A-ROCK」豊洲PITライブレポ

結成19年目を迎え、今なおアニソン界のスーパーユニットとして驀進し続けるJAM Project。今年の最初のライブとなる「JAM Project Special Live 2019 A-ROCK」でも、2日間で100曲超えというエネルギッシュなステージを観せてくれた。今回はキャリア前半の楽曲=「Early Numbers」が中心となった東京・豊洲PIT公演・Day1の模様をお伝えする。

走り続けてきた彼らだからこそ見せられる光景
ステージに過去のアートワークや写真が次々と映し出される中、開幕曲として飛び出したのは「SOULTAKER」。まさしく活動初期を代表する1曲にイントロから大歓声が沸くとともに、瞬く間にフロアがペンライトの紅に染めあがる。続いての「CRUSH GEAR FIGHT!!」では「READY GO!!」のコールで客席も一斉にジャンプ。冒頭の2曲から会場はすさまじいテンションに達した。

最初のMCを挟んでは『スーパーロボット大戦』シリーズ主題歌のメドレーが続く。「Break Out」を皮切りに、「Fight to the end~聖戦~」「RISING FORCE」といったライブではレアな楽曲を繰り出しつつ、定番曲「VICTORY」「GONG」まで、休む間もなく10曲。「GONG」での客席と一体となった大合唱には、まるで長い長いライブのクライマックスかのような錯覚を抱きそうになったが、実際にはまだまだ前半を終えたばかりなのだ。
メドレーを終え、一度メンバーが立ち去ったステージにあらわれたのは、つい先ほどまで熱唱を響かせていたうちの1人にそっくりな男、“DJ KG”。彼の正体はさておき、「Space Roller Coaster GO GO!」などを織り交ぜた軽妙なプレイを披露する。「JAMがもってった!セーラーふく」はまさに隠し玉といった趣で、沸騰しきった会場につかの間、和んだ空気を呼び込んだ。
DJパート後に披露されたのは「牙狼 ~SAVIOR IN THE DARK~」「Fencer of GOLD」、そして「Name ~君の名は~」。これらもライブではなかなかお目にかかれない楽曲たちだが、それぞれ特撮TVドラマとPCゲーム作品の主題歌で、駆け抜けてきた時間の長さとともに、彩ってきたタイトルの幅広さも感じさせる。
続いては『スーパーロボット大戦』エンディング曲のメドレーが繰り広げられる。激しく拳を振り上げ続けた主題歌メドレーに対して、深く心に刻みつけるようなバラードが続く。特に「FOREVER&EVER」で冴えわたるコーラスには、聴く者すべての心を揺さぶる迫力があった。
二度目の登場となったDJ KGのパートを終えると、ステージはいよいよクライマックスへと駆け上がっていく。マフラータオルが振り回される“タオル曲”「ハリケーンLOVE」から「限界バトル」、空を裂くような遠藤正明のロングトーンが圧巻だった「鋼の救世主」、最後は「レスキューファイアー」にて“爆鎮完了”し、ライブはいったん幕を閉じた。
アンコールをまたいでは、昨年リリースのアルバム『A-ROCK』からこの日唯一の楽曲となった「A-ROCK ~電脳Wars~」を披露し、締めくくりの楽曲はもちろん「SKILL」。“部長”と書かれた手製の手旗を手にした“SKILL部長”きただにひろしの盛り上げっぷりともあいまって、最高潮に達したボルテージで「Motto! Motto!」のコール&レスポンスが巻き起こる中、ライブは終演した。
アンコールのMCで印象的だったのは「19年といえば、生まれた子どもがもうすぐ成人する年月」という言葉だ。この日の会場では、JAM Projectの結成時にはまだ産声をあげていなかっであろう少年少女たちが、ベテランのアニソン・ファンと一緒になって声を振り絞る姿も見られた。この光景こそ、JAM Projectが残してきた足跡そのものなのかもしれない。来年迎える20周年にはより大きな会場でライブをやりたい! と意気込んでくれた彼らがさらにその先に見せてくれる光景を楽しみに待ちたい。
取材・文:御杉重朗

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