音楽劇『マニアック』東京公演開幕~
古田新太「意外といい作品になってし
まった」発言に安田章大、成海璃子が
大笑い

青木豪が脚本と演出を手掛け、関ジャニ∞の安田章大が主演を務める音楽劇『マニアック』が大阪公演を経てついに2月5日(火)から東京・新国立劇場 中劇場にて開幕した。面白くもあり怖くもあり、そしてバカバカしさにも満ち溢れた痛快青春暴走音楽劇。安田のほか、芝居巧者の成海璃子、この世界観を体現するような怪優・古田新太が軸となり、堀内敬子、小松和重、山本カナコ、宮崎秋人、山崎静代、頼経明子、浅野和之らが一言では表現しきれないカオスな世界を作り上げる。
初日直前の時間にはゲネプロ(通し稽古)がマスコミに披露された。この模様をお伝えしよう。
<あらすじ>
舞台はとある町の山の上、広い庭には樹木が生い茂り鬱蒼として不気味な……いやとても昭和的な佇まいの八猪(やずま)病院がある。この病院の院長・八猪不二男(古田)は、人当たりの良い柔和な人物として、近隣でも評判だった。そこへ院長の一人娘のメイ(成海)が病院に帰ってくる。ある日病院の庭の手入れに訪れる植木屋の犬塚アキラ(安田)。そしてアキラとメイはひょんなことから運命的に出会う…!
というあらすじはあるが、これがその後のストーリー展開にまるで不要となるくらい、とんでもない展開が待ち受けていた。物語はスリラー、サイコ、ホラー、コメディ、シュール、ちょっとだけラブを生演奏という音楽の鍋にぶちこんで高温で煮込んだよう。一幕冒頭の雰囲気とエンディングで見せる世界がこれほどまでに違う作品はなかなかないかもしれない。これまで多くの作品を世に送り出してきた青木豪の頭の中にこんな無茶苦茶で破廉恥、それでいて何とも言えない笑顔にさせる引き出しがあったとは!
安田が演じるアキラはおそらく登場人物の中ではいちばんマトモなキャラクターかもしれない。古田をはじめとする周りのキャラクターの個性があまりに強すぎるがため、薄味の主人公?と思われがちだが、アキラがいて走り回る事で物語に魂が宿り動き出す。と、そこに現れるのが古田演じる病院の院長。ハナからうさん臭さを感じさせる古田は、徐々に『ロッキー・ホラー・ショー』のフランク・N・フルターを彷彿とさせるマッドぶりを見せていく。そして古田演じる八猪院長の娘メイを演じる成海の存在は妖しく薄暗い病院の中を明るく爽やかに輝かせる。無論、それだけで終わらせないのがこの作品の醍醐味なのだが。
この他出てくる度に笑いを巻き起こす浅野や小松を初め、迫力ある歌声で魅了する堀内と山本の存在にも注目いただきたい。
ゲネプロ後に行われた囲み会見では、安田、古田、成海が出席。音楽バラエティ番組『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系列)で共演している安田と古田は息もぴったり。安田が古田の魅力を「やっぱり統率力じゃないですか。このカンパニーがこれだけまとまれているのは(古田)新太さんのおかげ」とリスペクトすると、古田も「安田くんはすごく素直でアドバイスも通る人。非常に信頼のできる俳優さんです。芝居の部分では、役として動いてくれるので、本当に頼りになる」と安田への信頼を口にした。
安田章大
作品タイトルに絡め「自分のマニアックな部分はないか」と聴かれた安田はしばらく考え「周りに言われて初めて『マニアックやったんや!』と気づくことが多いですね」と答える。自分で自分の事は分からないと言いたげな安田に代わり、古田から見た安田のマニアックさを、という質問が飛ぶと「安田くんは関ジャニ∞のなかでもバランサーですからね……ほかの人たちは変わった人が多いけど」と話すと記者も含めて皆大笑い。安田も「笑ってしまいました」と否定もせずに笑っていた。
そんな古田についてマニアックな点を聴かれた成海は「知らない事はないんじゃないかってくらいいろんな事を知ってますね。いつもいろんな情報を教えてもらっています」と笑顔を見せていた。
成海璃子
古田さん曰く「りこぴん(成海)はおニャン子クラブ、バックはスクールメイツ」だそうです!
本作について話が及ぶと「最初の台本から役柄がだいぶ変わって楽しいです」と成海が語る。古田は「青春ラブストーリーの『ラブ』がなくなってたね」と指摘。安田も「ラブをどっかに落としてきたんだろうなって(笑)。でも、ラブはあると思います」とニヤリ。「意外に、良い作品になってしまった。初めの頃は怒られるだろうなと思ったけれど、意外にお客さんニコニコしていてああ、失敗しちゃったな」とまるで怒られたかったような古田の口ぶりに笑いが起きる。安田も「客席で最後にブラボー! って聞こえましたからねえ」と大阪公演の模様を振り返ると、古田は「ブラボーとアレをかけているのかな?……ブラブラする棒でしょ?」とギリギリの発言でさらに場を沸かせていた。
古田新太
「新年らしくおめでたい作品」「道祖神も出ますから」と安田たちが口にする不思議マニアックな世界を是非劇場で楽しんでいただきたい。
(左から)成海璃子、安田章大、古田新太
取材・文・撮影=こむらさき

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