ブリキのサーカス団

ブリキのサーカス団

KraとNoGoDが融合した
“ブリキのサーカス団”の全貌に迫る

Kra(景夕、結良)+NoGoD(団長、Kyrie、Sinno、K)=ブリキのサーカス団。彼らは、3月に東名阪ワンマンツアー『サーカスが街にやってくる』を行い、正式に動き出す。互いのバンドの活動の合間を塗って、その都度、期間限定という形を取り、これからも永続的に続くバンドとしてブリキのサーカス団は始動している。とはいえ、まだまだ未知数なバンド。そこで今回、ブリキのサーカス団のメンバーインタビューを取ってきた。この言葉たちが、少しでも彼ら魅力をつかむヒントになってくれたら幸いだ。

この企画でなら出来るんじゃないかと
思ったのは大きかった

――何故、KraとNoGoDが合体しブリキのサーカス団というバンドが立ち上がったのか。みなさん、そこが気になっていると思います。
結良 きっかけは僕です。昨年のNoGoDさんがいろんなサポートベーシストの方を迎えて活動していて、僕もそこに参加した経験があったのと。Kraとしても、ギターとドラムの脱退が決まり、ヴォーカルとベースの2人だけになってしまう。そんなときに、ふっと「うちにギターとドラムが欠けてしまうのか。あっ、そういえばNoGoDにはベースが不在だったな。あれ? これは一緒に組んだらハイトーンヴォイスの上手いヴォーカル2人が並ぶツインヴォーカルのバンドを組めるじゃん」と思ってしまったのがきっかけでしたね。しかもその時期に、僕がKyrieくんとKくんと舞台の音楽制作面の仕事でふたたび一緒になり、いろんな話をしていたことも大きかった。
Kyrie 前にも3人は同じ舞台の音楽制作面で共演、その縁から今年5月に結良さんにはNoGoDのサポートをお願いした経緯もあったし、ふたたび同じ舞台で共演していたのも確かに大きかったこと。だって、そのときの結良さんの第一声が、「バンドやろうぜ」でしたからね(笑)。
K その言葉、聞いたね(笑)。
団長 「バンドやろうぜ」って、中高生がバンドを組むときに言う言葉だよ(笑)。
結良 KraもNoGoDも新メンバーの加入予定がなかったように、「2バンドを合体させるなら、今のタイミングだ」と思ったことも、きっかけとしては大きかったなと思う。
――具体的な話を始めたのはいつ頃でした?
Kyrie 舞台の再演で共演していたときには話が出ていたから、9月頃?
景夕 9月11日にうちの周年を跨いでの時期に舞台も行われていたので、その辺じゃない?
――だとしても、急な展開ですよね。
団長 急ですよ。そこから、「一度6人だけで集まって話をしよう」ということで集合。そのときに、「本当にやるなら、具体的にどういう形でやりましょうか」という話から始めて、互いの役割分担などの交通整理をしたり。そういうビジネス的な話もありましたけど、それ以上に、6人とも純粋に「楽しそう」という気持ちのほうが強かったから、いろんな話をしていましたね。
――団長は、この話を聞いたときにどんな気持ちでした?
団長 長くバンドをやっているからこそ出来ることもいっぱいあるんですけど、難しいことも必然的に生まれてくるんですよ。それを、この企画でなら出来るんじゃないかと思ったことは大きかった。具体的に言うなら、NoGoDでツインヴォーカルは絶対に出来ないこと。でも、こういう企画だったら、ツインヴォーカルの映える楽曲を作って演奏をすることも出来るし。話をした時点から、このメンバーでNoGoDやKraの曲をアレンジを変えて演奏しようという話もしていたように、既存の曲たちをツインヴォーカルでやるというチャレンジにわくわくしたことも大きかったですね。
景夕 ブリキのサーカス団は、永続的に続けていこうという形で始めつつも、お互いのスケジュールを合わせながら、どうしても定めた期間ごとの活動にはなってしまいます。だからこそ、「お互いに自分たちのバンド活動が軸にある中、ブリキのサーカス団は別の表現を楽しめるチャンスになるな」と思えたことで、僕らもわくわくした気持ちになれましたし。ブリキのサーカス団というバンド名が決まったときにも、うちらもサーカスが好きだし、サーカスにまつわる曲たちもいろいろあったことから、ブリキのサーカス団を通してさらにその表現の幅を広げられそうだなという気持ちや期待感も生まれましたからね。

お互いのバンドのイメージに
紐付いた名前を付けた

――最初の話し合いの時点から、話はどんどん具体化していたのでしょうか?
団長 最初の打ち合わせの段階でバンド名を決めていましたからね。アイデアを出したのは自分ですけど、Kraさんって、すごくファンタジーでメルヘンという印象が自分の中にあったんですよ。具体的な言葉として示すなら、「ブリキの旗」というイメージがとても強かった。ブリキって、オズの魔法使いの登場人物じゃないけどメルヘンなイメージにも繋がるもの。しかもKraさんって衣装も毎回奇抜だし、そこにもロマンティックなものを感じていました。対して自分は、サーカスという存在やテーマが好きで、ずーっと道化寄りの衣装を身につけている。そこからメルヘンな形を持ったサーカス団を作れないかと思い、ブリキのサーカス団という言葉をパッと思い浮かべたわけです。
――まさに、お互いのイメージをしっかり投影し具現化した名前だ。
団長 2つのバンドが1つのバンドの中へ混在しているのは事実なのでね。もちろん、いきなりオリジナル曲を量産していくのは、互いのバンドの展開を考えたら難しいのはわかっていたので、ライヴを想定した時点で、「ブリキのサーカス団として、お互いのバンドの曲をアレンジしてライヴで演奏しよう」という話もしていて。そこでも「2つのバンドが組み合わさったからこそ、互いの曲をこういうアレンジで演奏するんですよ」ということもしっかり示したかった。それもあって、お互いのバンドのイメージに紐付いた名前としてブリキのサーカス団と名付けたところもありましたからね。
――2バンドに紐付かない、まったく異なる存在にするのは違っていたわけだ。
団長 そういう意識は、お互いになかったです。
結良 あくまでも、お互いのコンセプトをくっつけてやろうというスタンスでしたからね。

OKMusic編集部

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