堂野晶敬

堂野晶敬

レーベル『TOKYO RABBIT』代表の
堂野晶敬に訊く【後編】
気分を変えるための“慰めの応援歌”

これからも結果的に
ポジティブになれる楽曲を作っていく

さまざまながら東京に於ける時間軸や人間模様が3種に分かれて描かれている感がある今作。加え、各曲に宿している次に向かっていく前夜の密かな決意や決心、その第一歩を踏み出す直前の心境が曲毎にうかがえる部分も特徴的だ。
「人の想いや考え方を変えることは難しいですが、気分だったら変えられる。そこを信じて今回は3曲作りました。実際、自分がアドバイスをした人たちも、内容も大切ですが、気分の矛先を数センチ変えるために話をするだけで状況が変わったんですよね。その実体験を自分の音楽でもやりたくて。自分では、これらを“慰めの応援歌”と称してます。

“慰めの応援歌”とは言い得て妙だ。加え、そこにはこれまで数多くの挫折や再出発を繰り返してきた堂野が描くがこその信憑性を宿していたりする。
「自分が負けそうになった時に自分に向けて書いた応援歌や鼓舞ソングですからね、どれも(笑)。この「東京」にしても、どこかそこ以外の街から夢を持ってやって来たり、何か目標や目指しているものがあって上京してくる方々も多いと思うんです。僕自身、これまでも何度も挫折をして、その度に壊れては作って壊れては作っての繰り返しでここまできましたからね。そんな夢を持ってやってきた人で、それが叶わなくて、どうしようもない気持ちを抱えて生きている人たちに向け、この歌が多少でもそのような方々の考え方を変え、前向きや次へと向かうためのちょっとしたきっかけになれたらなと作りました。これからも結果的にポジティブになれる楽曲を作っていく所存です」

次に歩き出す一歩手前というか、表現的にも“さぁ、頑張って一緒に行こう!と声高に背中を押さないところがいい。
「大人になって挫折すると次に何を目指したらいいのか分からなくなる場合も多い。そのような方がキラキラワクワクなれるというか、“自分ももう一回チャレンジしてみよう!”と思い立ってもらえる。これらの楽曲を通して、そんな気分に変えてあげたいんです。印象的に夢への応援歌のターゲットってやはり若者が中心じゃないですか。だけど、中年以上でも夢は叶えるチャンスはあるし、叶えるチャレンジをするべきなんです。それらのわだかまりを打破し、前に向かっていく活力の一部になれたら嬉しいですね」

OKMusic編集部

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