【この2.5次元がすごい】アニメと同
じく爆笑の連続! 喜劇「おそ松さん
」で繰り広げられたあっという間の7
5分間をチェック

(c)赤塚不二夫/喜劇「おそ松さん」製作委員会2018 人気の漫画、アニメやゲームが多く舞台化され、多くの有名俳優も輩出している「2.5次元」。作品の世界観を具現化しながらも、新しい可能性に挑み続けている2.5次元ステージの楽しさと魅力を全力で紹介します!
 疲れた毎日の中で、笑って元気になった、という経験がある人も多いかもしれませんが、皆さんは最近どんなことで笑いましたか? 大ヒットしたアニメ「おそ松さん」は、月曜日の深夜に放送することで疲れた視聴者を癒し、翌日からも元気に仕事に行けるようにという意味もあったという話もありました。今年の3月15日には完全新作の映画も全国ロードショーされる「おそ松さん」。昨年末には主人公である松野家の6つ子たちによる喜劇「おそ松さん」が上演されていました。今回紹介するのは東京と京都で全7公演行われたこちらの舞台です。
まさに喜劇! 松野家をめぐって次々起こる事件(?)に会場は終始大爆笑
 今回の喜劇、舞台はポップでアニメの印象そのままの松野家の家のセットを中心に展開されます。セットはきちんと2階建てで6つ子たちの部屋は2階に、家族で過ごすリビングは1階。キャストは1階と2階をドタバタと行き来し、物語を進めていきます。そう、「喜劇 おそ松さん」はまさにドタバタコメディ。「おそ松さん」らしいしつこいくらいのギャグや、ベタな展開はもちろん健在で、75分という上演時間の間ノンストップで会場は笑いの渦に巻き込まれます。何度も繰り返されるギャグも(「天丼」という手法ですね)飽きたりダレたりすることなくお芝居を盛り上げていくのはさすがです。「吉本新喜劇」のような生で見るのが一番おもしろい! という勢いで、最初は上演時間が短いかも……? と思っていた人も大満足できる内容だったのではないでしょうか。
 そして忘れてはいけないのが、キャスト陣の実力です。会場全体を世界観に巻き込み、ある意味最後まで来場者を冷静にさせてはいけないのがコメディ。何度見ても笑えるという難しいお芝居を身体を張ってキャストの皆さんが演じきっていました。
 キャストの中でも特に注目したのがヒロインのトト子を演じた出口亜梨沙さんです。アニメの中でも、男子に負けないくらい振り切ったボケや下ネタを披露してくれるトト子ちゃん。今回もストーリーの中で、6つ子を天秤にかける打算的なシーンがありましたが、それもキュートに嫌味なく見せてくれました。6つ子全員が高い人気を持つ作品だけに、ヒロインの存在がどのように描かれるのは重要。誰からも愛されるトト子ちゃんの魅力に釘付けになってしまいました!
 また途中では、キャラクターだけではなくキャスト同士の仲のよさを感じられる、ある種メタ要素のあるアドリブも飛び出し、客席を盛り上げていたのが印象的でした。アニメでも視聴者に問いかけるようなシーンが見られることもあったため、見せ方を含めてこれが「おそ松さん」だ、と感じられる舞台でした。
笑えるだけじゃなく、家族の大切さも感じることができる「おそ松さん」ワールド
 「おそ松さん」がただのギャグアニメじゃないことを象徴しているのが、突然描かれる家族の絆です。普段は互いにちょっかいを出し合ったり、喧嘩をしたりしている6つ子たちですが、その根底に流れる家族への想いにホロリとさせられる人も多いのではないでしょうか。今回の喜劇でも、両親の間に入って家族をまとめようとする6つ子たちの姿に心が温かくなるようでした。とにかく笑えるのに、見終わった後はじんわりやさしい気持ちになれる「おそ松さん」ワールド。3月から公開される映画にも期待が高まりますね!

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