REPORT / aTak 2018 -音楽大忘年会-
黒田卓也プロデュースによる派手な
大忘年会。cero、ものんくる、モミー
FUNK!ら手練れミュージシャンたちが
繰り広げた濃厚な一夜をレポート
ceroのポリリズミックでアーバンな楽曲、ものんくるのジャズに裏打ちされたポップ感覚、aTak Bandの太くて力強いグルーヴ、モミーFUNK!はコミカルながら古き良きファンク、と音楽的には多様性がありながら、広義のジャズ/ブラック・ミュージックとして統一感を感じさせる内容だった。23時から翌朝5時まで盛り上がった、この夜の模様をレポートする。
Text & Photo by Naoya Koike
■黒田卓也 aTak Band Setlist
また、全体的にうっとりする様なシンセの音色や髙城の声用とは別に立てられたエフェクト用マイクの使い方も的確で、随所にセンスの高さを感じる演奏だった。最後に髙城が「まだまだ盛り上がっていきましょう」と言い、イべント・オーガナイザーの黒田を迎えた「街の報せ」を披露。トランペット・ソロ明け、髙城がメロディに戻れないシーンもあったが、動じることもなく笑顔でリカヴァーし最後まで歌い切った。
■cero Setlist
2. 魚の骨 鳥の羽根
3. よきせぬ
4. Buzzle Bee Ride
5. Narcolepsy Driver
6. Poly Life Multi Soul
7. 街の報せ feat.黒田卓也
二曲目の「夕立」などでは、頭を揺らしながらシンセ・ベースを叩く角田が印象的。卓越した歌唱力だけでなく、ハーモナイザーなどのエフェクトも駆使する吉田だが「盛り上がってますか! もっとでしょ!」とアジテーターとしても存在感を示していた。そして圧巻だったのは、「HOT CV」のアウトロをのビートを楽器陣がキープしたまま、ボーカルだけが「RELOADING CITY」「アポロ」のメロディを歌い、全体が「ここにしかないって言って」に繋げていったシーン。まるで楽器の様にメロディを行き来する吉田に歓声を上げずにはいられない。「Birthday Alone」では客演の黒田が、ゆったりしたビート上で段々とハイノートまでのぼりつめる情熱的な演奏を見せた。
■ものんくる Setlist
2. 夕立
3. HOT CV
4. ここにしかないって言って
5. アポロ
6. 異星人
7. Birthday Alone feat.黒田卓也
8. 優しさを重ねること
MCでは黒田が「僕の第一回企画、来てくれて本当あざす!」と感謝を伝える。さらにメンバー紹介を交えながら「アフロ・ビートバンドはブルックリンでもこういう編成でやっているんですけど。日本でこういう信頼できるミュージシャンとやりたいと思って、リハーサルも3、4回やりました」とも語っていた。
続く「カエルの気持ち」は、黒田曰く「ふにゃっとした」メロウな楽曲。ギターふたりのソロ交換によって楽曲に勢いをつけてから、黒田の合図でホーン隊が絡んでくる攻勢に胸が高鳴る。最後はDonald Byrdのカバー「Think Twice」。泥くさいリフとスウィートな歌が交互に提示される冒頭や、モーダルなコード進行上でのペンタトニックなメロディが美しかった。
■黒田卓也 aTak Band Setlist
2.カエルの気持ち
3.Think Twice
イベント最後のスペシャル・セッションには出演者だけでなく、その場に居合わせたミュージシャンたちも参加。11月に亡くなったRoy Hargroveへのリスペクトを込めた演奏もありつつ、朝5時過ぎに全ての演奏が終了。黒田のキャラクターが存分に活きた本企画は、2018年を締め括る“音楽大忘年会”に相応しいものだった。
【イベント情報】
aTak 2018 -音楽大忘年会- Produced by Takuya Kuroda
会場:東京・渋谷 WWW X
料金:前売 ¥3,000 / 当日 ¥3,500 (各1D代別途)
出演:
[LIVE]
黒田卓也 aTak Band
ものんくる
cero
モミーFUNK!
and Special session
[DJ]
Yoshijiro Sakurai
Yusuke Yoshinaga (organ bar suite)
KAME (Opus Inn)
Naz Chris
[FOOD]
マレマティック食堂
■ イベント詳細(https://www-shibuya.jp/schedule/009670.php)
■ 黒田卓也 レーベル・サイト(https://www.universal-music.co.jp/kuroda-takuya/)
Spincoaster
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