「メリー・ポピンズは女優によって違
うもの」ミュージカル版女優が語るメ
リーの魅力

映画『メリー・ポピンズ リターンズ』が2019年2月1日(金)全国公開されます。メリー・ポピンズの魅力を、ブロードウェイ版オリジナルキャストを務めたアシュリー・ブラウンが語りました。

映画『メリー・ポピンズ リターンズ』が2019年2月1日(金)全国公開されます。
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ディズニー不朽の名作『メリー・ポピンズ』の続編として描かれる最高にハッピーな物語。
メリー・ポピンズの魅力を、ブロードウェイ版オリジナルキャストを務めたアシュリー・ブラウンが語りました。
メリーは演じる女優によってバラバラで構わないブロードウェイミュージカル『美女と野獣』15代目ベルを演じ、2006年に『メリー・ポピンズ』がミュージカル化された際にはメリーを主演。
メリー・ポピンズのオリジナルキャストとして2019年1月31日(木)・2月1日(金) の「ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ」(パシフィコ横浜)に出演するアシュリー・ブラウンさんが、メリー・ポピンズの魅力を語りました。
メリー役を演じる上で大事にしたことは?
いろいろあるわ。私が真剣に受け止めていたのは、大変な役をいただいたってことだった。
私は子どもの時からジュリー・アンドリュースに大きな影響を受けてきた。
だけど、自分が選ばれた時に、いや、実際はオーディションの最中から、私はジュリー・アンドリュースのメリー・ポピンズにはなれないと気づいていた。
私自身のメリー・ポピンズを作らなければと思ったの。
だってジュリーが作ったメリー像を、彼女以上に上手に再現できる人なんていない。
私は新しいメリーを作る方法を探し始めた。私の中にいるメリーを探し出す過程を本当に大事にした。
助けになったのが、新しく加えられた曲や、ブロードウェイ化にあたっての脚本の変更だった。
そこには私が自分らしさを出せる余地があった。
だけど、私の仕事はお客さんにメリーを好きなまま劇場を去らせること。
なじみあるものを好む人が大勢いるのだから、お客さんが求めるものはちゃんと与えることだった。
そこは満たしつつ、自分らしさも出そうと思った。
私にとってのメリー・ポピンズはずっとジュリーだった。今でもそうよ。
だから、どれだけ多くの人がそのメリー・ポピンズを愛しているかを真剣に受け止めた上で、楽しみたいと思った。
楽しくて生意気な、まるで私自身みたいなところを大事にしようと思った。
私は時間をかけて自分のメリーを見つけていった。わくわくした。
これだって思った瞬間のことを覚えているわ。残念なことに、開幕してだいぶ時間が経ってからだったわ。
週に8公演していると、だんだんペースがわかって自分なりのメリー像が見えてくる。
プレッシャーが減り、リラックスできるようになってくるの。
“私はメリーだ”とはっきり思えた瞬間を覚えてる。最高の気分だった。あらゆる努力がついに報われた瞬間だった。
映画『メリー・ポピンズ リターンズ』は楽しみですか?
ええ。もちろんまだ見ていないんだけどね。
数年前の『ウォルト・ディズニーの約束』しかり、メリー・ポピンズが登場する映画が始まる時はいつも、気合いを入れなければ見ることができないの。ポジティブな意味でよ。
キャラクターやストーリーをすごく近くに感じて、心が揺り動かされてしまうの。
映画を見に行く時って現実からの逃避みたいなところがあるでしょ。でも私はどっぷり入り込んでしまう。だけど、映画を見るのは本当に楽しみだわ。
ディック・ヴァン・ダイクとは何度か共演したことがあるの。彼は今作でもすばらしいに決まってる。すてきな人よ。
一番楽しみにしているのは、エミリー・ブラントがメリー・ポピンズをどう演じるのかを見ること。
メリー役のクールでユニークなところは、これまでのメリー役の女優を全員集めたら、驚くぐらいどの人もバラバラだということね。
見た目も所作もユーモアのセンスも声も、何もかもが違う。
それはとても興味深いことよ。
ほとんどの役にはタイプがあって、“彼女の背の高さはこのくらい、声のタイプはこれ、こういうタイプの女優、こういうタイプの歌手“みたいに決まっている。
だけど、メリーは違っていて構わないの。
ただし、唯一いじくってはならない部分がある。
ミステリアスなところよ。
どう表現するかは人ぞれぞれだけどね。
エミリー・ブラントはすばらしい女優で彼女のやることはすべて好きよ。だから、彼女がどう表現するかを見るのが楽しみだわ。
メリーのなんとも言えないミステリアスさが、彼女をマジカルな存在にしている。
私は自分のやり方は自分の秘密にしておくわ。
とにかくメリーには謎めいたところがあって、それがわかったと思った瞬間、人生に影響を及ぼしてくる。
メリーは私たちを決して油断させない。
一人一人の女優がそれを見つけきたことが、この物語をより面白くしてる。
『ウォルト・ディズニーの約束』をはじめ、たくさんの映画にメリー・ポピンズが登場し続けるのは、みんながいまだに彼女と彼女の物語に興味を持っているからなのよ。
註)インタビューは『メリー・ポピンズ リターンズ』全米公開前の2018年12月上旬に行われたもの。
ジュリー・アンドリュース:映画『メリー・ポピンズ』のメリー・ポピンズ役
エミリー・ブラント:映画『メリー・ポピンズ リターンズ』のメリー・ポピンズ役
ウォルト・ディズニーの約束:2013年公開の映画。ウォルトが『メリー・ポピンズ』を製作する背景を描いた作品。
メリーを演じて変わったこと
メリーを演じて変わったことオリジナルキャストとして出演することの意味はどのように感じていますか?
『メリー・ポピンズ』のオリジナルキャストと紹介されるたびに、それが自分だなんて信じられないと思うの。
私はフロリダ州ガルフ・ブリーズ出身の南部の女の子で、そんな機会があるなんて想像もしていなかった。
若くして夢を叶えることができたけれど、いまだにそれが自分だと信じられないのよ。
オリジナルキャストになれたことも、ミュージカル史の一部になれたことも本当にうれしい。
しかもそれが、“なにもかもパーフェクト”なイギリス人のスーパーベビーシッター役だなんてね。最高だわ。
傘を持ってフライングをして客席を横断した時の気分は?
フライングで客席を横断なんて、みんなができることじゃないわよね。
お客さんの顔が見えて、最高の気分だった。
ブロードウェイの舞台からはお客さんはよく見えない。強い照明が当たっているから、客席は暗く見えるの。頭が少し見えるくらい。
だから、客席の上を飛ぶのは最高に楽しい体験だった。お客さんの顔が見えるのがたまらなかった。
どの回でも同じことが起きたわ。
お客さんが“メリーは私のほうに向かってきてるの!? ”“これって夢なの? ”って感じで、私が実際に頭上にくるまで疑いに満ちた顔をしてるの。
そのあと、状況を理解し、そのマジカルな瞬間に心を震わせる。
メリーの世界観の中に完全にのめり込んでしまうのよ。
2階席のお客さんも、飛んできたメリーを目の前で見ることができるのよ。
私にとっても、みんなの顔を間近に見られるマジカルな時間だったわ。
時には“私、あなたと同郷なのよ! ”と看板を掲げる人がいたりして、“ごめん、私、今はメリーなの”と思ったり。
面白いのよ。声をかけてきたり、メッセージを掲げたり。
とにかく、めったにできない最高の経験だったわね。
メリー・ポピンズ役をやったことで、ご自身にどのような影響がありましたか?
人生のあらゆる面に影響があったわ。個人的に影響を受けた。
あまりに役が強く刻み込まれているので、たとえばスタバで並んでいる時にメリーのポーズで立っちゃったりするのよ。
“いやになっちゃう、この足”って思うわ。
まだメリーは私の中にいる。発言とか行動にも、メリーっぽさを感じる時がある。
メリーとひとつになっている時間が長かったので、いつも姿を現してくるような気がする。
お母さんになったんだけど、時々、娘にメリーみたいな調子でお説教をしてしまう。
“今の、すごいメリーっぽい”って思うのよ。“メリーなんだから怒らせないでよ”なんてね。
メリーは私の人生の大きな部分になってる。
娘はまだ2歳半で、映画を見るにはまだ早いけど、“ママはこの人を演じたのよ”って言える日を楽しみにしてる。
メリーが教えてくれることはすべて、いい人になるための訓練なのよ。
私もメリーみたいに娘を育てたい。娘がいい人に育つように、優しく、時に受け流し、一方的な判断をしないようにしたい。
メリー・ポピンズの教えは、毎日の生活の中でものすごく大事なことばかり。
私はメリーほどマジカルではないけれど、やってみるわ。
アシュリー・ブラウンさんは最も好きだという歌「Feed the birds ~2ペンスを鳩に~」を「ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ」で歌います。
他にもメリー・ポピンズ・メドレーや「Part of Your World」(『リトルマーメイド』)、「A Change in Me」(『美女と野獣』)などディズニーミュージカルの名曲を歌い上げます。
ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ
公演日程:2019年1月31日(木)18:00開場 19:00開演
2月1日(金) 18:00開場 19:00開演
会場:パシフィコ横浜 国立大ホール
チケット料金: VIP席¥16,000(お土産付き、前方席保証) S席¥11,000 A席¥8,640 学生席¥5,500(全席指定・税込)
※一部チケットは完売しています
メリー・ポピンズ リターンズ
2019年2月1日(金)全国公開

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