H!dE

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【H!dE インタビュー】
今までになかった部分も含め
新しいH!dEを魅せていきたかった

“うたものがたり”シリーズをはじめ、数々の楽曲を手渡しのプレゼントのように届けてきたH!dEの初のアルバム『STORIES』は、新章の幕開けを告げ、次のフェイズに向かう大切な一枚。外部作家とともに従来以上にカラフルで、より幅広い人に届き響く全11曲が揃っている。

今作からはすごくH!dEさんの次のフェイズや、どこか新章を告げる印象がありました。

自分の中でもそれは確かにあります。これまでは“うたものがたり”という自分の中での連作の脚本があり、僕に対して温かい楽曲のイメージをお持ちの方も多いとは思うんです。でも、今までになかった部分も含めて新しいH!dEを魅せていきたかったところもあって。H!dEらしさは残しつつ、どこか新たなものにチャレンジしていきたいとの想いも強くあったんです。

新しい要素も多分に含まれていますもんね。

さまざまな方と共作というかたちを多くの曲でとらせていただいたのが大きかったです。それが僕にとってもすごく新鮮だったし。おかげさまで歌詞もメロディーもですが、サウンドも含めて新しいH!dEをしっかりと感じてもらえる作品になったんじゃないかなって。

今回はどうしてそのような気概に?

これまでの自分の延長線上では、やはり自分の目指す地点までは到達しにくいとの考えからでした。“もっと違うものを生み出さないと”との気持ちもあって。そのためには、やはりこれまで以上に多くの人や幅広い人たちに向けての楽曲の必要性を感じたんです。

ちなみにその自身が目指している地点というのは?

大きな目標で言うと日本武道館公演や『NHK紅白歌合戦』出場ですね。今回、いろいろな方とコラボレーションすることで、そこにより近付けたらなとの想いはありました。

確かにこれまでのストリートや身近で伝える作品性から、ホールや大きい会場で歌っても遜色のない作品性への移行も多分に感じられます。

ストリートでは比較的、ミドルやバラードのほうが聴きやすく好まれますからね。それらを歌うと、やはり通りがかりの人が足を止めてくださったり、聴いてくれることも多いんです。でも、ことライヴとなると、もっと盛り上がる楽曲やアッパーチューンの必要性も感じていて。なので、今作に関してはこれまでのストリートのことはあまり考えずに作りました。

それって結構大きな決断ですね。

ストリートはもちろんですが、それ以上に今後のワンマンライヴを行なうことを想定して、盛り上がれるものや世界観があるもの、またスケールやダイナミズムのある楽曲を目指していきました。なので、アップテンポの曲もこれまで以上に多くなったし。逆にチョイスによってはストリートでもしっかりと届けられる一枚になったんじゃないかなって。

でも、H!dEさんの場合、ストリートでの活動から育まれたお客さんとのコミュニケーションも大事にしている感があるので、今後そこから会場でのライヴへのシフトの怖さもありそうな…。

それは特にはありませんでした。もともとライヴハウスは音楽を楽しむ意識が高い人たちが集まる場所でもあるので、そこでどう楽しませるかになるから。僕の場合、ストリートで道行く人たちの足を止めさせ、聴いてもらってきた自負もあるので、そこに問題視や懸念はありませんでした。

それにしても今作はさまざまなタイプの楽曲が目白押しでカラフルですね。

その辺りは共作していただいた各作家さんのお力も大きいです。それこそこれまで使ってこなかったコードやメロディー、サウンドも多く含まれているので、それによって今まで表現してこなかった要素も多分に引き出せてもらえた感がしています。

確かにチャレンジしている楽曲も多いですもんね。意外性も含めて。

そうなんです。自分の実感しているH!dEらしさと、曲を提供してくださった方々が抱くH!dEらしさが良い意味でブレンドできたかなって。正直言って、作っている最中は自分でも仕上がりがイメージできずに歌っていたものもあったんです。でも、結果的にどの曲も完成形は自分の想像を超えたものばかりで。逆に自分の新たな魅力にも気付かされたし、発見等もありました。しかも、どの曲もきちんと従来の自分らしさが残っていたものばかりだったので、それこそ自分らしさが残りつつ新しい要素も盛り込めた楽曲たちかと。

その中でも冒険やチャレンジ面に関してはいかがですか?

僕だけで作っていたら、たぶん自分の限界点や自分らしさを気にしてここまでさまざまなタイプや冒険、チャレンジもできていなかったでしょう。これまでになかったキーやサウンド等、幾つかの壁や挑戦もありましたから。中には楽曲をいただいた瞬間は不安な曲もありました。“これって本当に自分が歌えるんだろうか”って。レコーディングに時間が掛かって苦労した部分もありましたが、その分、乗り越えた際の新たな自分の可能性の広がりや出会いを実感できたんです。

「星の相合傘」なんてまさにこれまでのH!dEさんからは出てこないタイプの楽曲ですもんね。

歌詞だけ見ると略奪愛みたいですからね(笑)。このような曲は自分の中だけだったら決して出てこなかったタイプで。この曲も含め聴いてくださる方がどう受け取ってもらえるかも楽しみです。

今回は比較的キーが従来より高めの曲も多いですよね。

今回は全体的に“歌いこなす”がテーマのひとつにあったかもしれません。おかげさまでより広いレンジ(声域)で歌わせてもらいました。逆にこれまで出してこなかった低いキーもあったり。

個人的には“うたものがたり”シリーズの続編が入っていなかったのが寂しかったです(笑)。

当初、そこは悩みました。でも、これでいくぞ!と。これまでの連作的な物語こそありませんが、1曲毎の物語やこれまで通り熱い想いをそのままストレートに伝えるタイプの楽曲もありますし。新たなものにはなりますが、バランス良く従来のH!dEらしさもしっかりと残せた一枚になった自負はあります。

これまで以上に幅広い方々に広まっていくポテンシャルを十分に擁した作品になりましたもんね。

ありがとうございます。これまではやはり“うたものがたり”をコンセプトに作ってきたこともあり、女子中高生がリスナーの中心でしたが、最近は背中を押せる曲の出現も手伝い、男性や上の世代の層にまで幅が広がってくれている感があるんです。それもあって今回は特にターゲットも絞らず、たくさんの方やいろいろな場所に届けばいいなと。なので、幅広い方に聴いてもらいたいです。特に男性には気持ちを重ねる曲があったり、男らしい曲もあるので、ぜひとも男性にも聴いてほしいです。

取材:池田スカオ和宏

アルバム『STORIES』2019年1月23日発売 徳間ジャパンコミュニケーションズ
    • TKCA-74755
    • ¥2,778(税抜)

【ライヴ情報】

『H!dE ONEMANTOUR 2019 「STORIES」』
3/30(土) 岡山・IMAGE
4/06(土) 宮城・仙台spaceZero
4/13(土) 愛知・名古屋ell.SIZE
4/21(日) 北海道・札幌CrazyMonkey
4/29(月) 福岡・INSA
5/05(日) 大阪・FANJtwice
5/11(土) 東京・morph-tokyo

『H!dE ONEMAN LIVE 2019 〜With KURASHIKI〜』
7/27(土) 岡山・倉敷市芸文館

H!dE プロフィール

ヒデ:岡山県倉敷市出身。映画、ドラマ、小説のような“ものがたり”をやさしい声、耳に残るメロディー、飾らない真摯な言葉で紡ぎ、嘘のない“うたものがたり”と呼ぶラブソングとして届け続ける注目のシンガーソングライター。渋谷で路上ライヴを行なうミュージシャンたちの姿に刺激を受け、自らも歌うことを決意。音楽活動をスタートさせ、YouTubeでも自作曲を発表。“うたものがたり”シリーズのMVは2,000万回以上の再生回数を記録する。2018年5月に初のベストアルバム『うたものがたりコレクション』をリリースし、7月には全国4カ所のツアーを行なった。H!dE オフィシャルHP

H!dE
アルバム『STORIES』

「メゾン」MV(short ver)

OKMusic編集部

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