【超特急 インタビュー】
史上最長&最多曲数のライヴで示す
不屈の闘志と未来への決意
昨年春に行なわれた東西アリーナツアー『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2018 Sweetest Battlefield』から東京公演がBlu-ray化。客席内に設けられたステージは全方位を8号車(ファンの呼称)に囲まれて、まさしくタイトル通りの“戦場”となり、同時にファンとの愛を育む場となった。ダンス&ヴォーカルグループとしての矜持を示すストイックなライヴから滲む、6人の決意を見よ。
超特急の多彩さを体現していて
入門編にはぴったりの作品
昨年5月のライヴですから約8カ月前の映像になりますけれど、観返すとそれ以上前に感じるんじゃありません?
タカシ
すごく昔のように感じますね。2018年はいろんなライヴやツアーがあって、特に夏はかなりの数のステージに出させてもらったから、上半期となると余計遠くに思えます。
ユーキ
我ながら本当に決意であふれたステージだったなと。MCもあえて少なめにして、純粋に歌とダンスのパフォーマンスで8号車に訴えかけて。“この先も超特急に付いてこい!”っていう気持ちが強かったし、特に8号車のみんなに囲まれたセンターステージでのパフォーマンスだったことで、また不思議な一体感が生まれた気がします。
360度から姿を観られるので気が抜けないと、ライヴ当日の会見でタクヤさんもおっしゃっていましたね。
タクヤ
でも、大変なのはリハーサルだけで、僕たちも8号車もお互いがよく観えるような環境だったから、本番は楽しかったです。普段より8号車が近く感じられました。
ユースケ
初の360度ステージだったり、メドレーだったり、いざ映像で観返してみると豪華でカッコ良いステージングでしたね。改めて気付いたのが、やっぱり超特急の楽曲って多彩なんですよ! メドレーを含めて30曲2時間半のライヴなのに、観ていても本当にあっと言う間。
カイ
その上に演出も多彩で、タカシがステージにひとりで歌う曲もあれば、ダンサー5人のパート、各メンバーがセンターで踊る場面、フラッグを使ったカラーガードもあるし。いろんな曲が目まぐるしく披露されるので、初めて超特急を観る人も“あ、この曲好きかも”っていうのがあると思う。MCがなくても6人のキャラが分かったり、全編を通して超特急というものを体現しているライヴになっているから、今までの映像作品の中でも特に入門編に向いてますね。
では、そのツアーの総合演出を務めたユーキさんが、中でも力を入れた曲を挙げるなら?
ユーキ
やっぱり後半の「Feel the light」ですね。このツアーが初披露だったんですけど、今までにはまったくなかったタイプの楽曲で会場全体を巻き込めたというか。8号車もペンライトの動きを止めて見入っているのが分かったので、幻想的な世界観に上手く誘えたんじゃないかな。
タカシ
僕も今まで出会ってこなかった自分に会えた気がしますね。自分の声はみんなに届いていないんじゃないかと恐れつつ、“それでも前を向いて突き進んでいきたい”と闇から光へとエスケープするさまを強く意識して歌ったんですよ。
スモークの中から登場したタカシさんを囲んで踊る5人も、何だか人ではなく魂そのもののように感じましたよ。
ユーキ
僕からしたら光の中にいるタカシを求め、手を伸ばしているというか。光を求めて蜘蛛の糸を手繰りながら彷徨ってるイメージでしたね。あと、力を入れたことと言えばカラーガード。いかに自分たちっぽく落とし込めるかを考えて、「fanfare」に乗せることにしたんです。もともと聴き手にエールを贈る曲だから、そこで一生懸命な僕らの姿を観せることで、8号車にも何かを感じてもらえたらいいなと。
ユースケ
今までの挑戦の中でも難易度の高いパフォーマンスでしたけど、その分、“応援する”という意味では観ている人を惹き付けられるパフォーマンスになったし、すごく良い経験になりましたね。超特急のライヴって毎回そうやって何かに挑戦するのが伝統なんですよ。そのおかげで唯一無二のグループになってきているようにも思います。
メンバーカラーが並んだ巨大フラッグをアクロバットも交えながら鮮やかに操る姿は圧巻でしたが、体重の軽いメンバーは重いフラッグに引き摺られたりしませんでした?
リョウガ
…引き摺られますね。空気抵抗がすごいんで。
カイ
いやいや(笑)。重要なのは筋力よりバランスなんで。教えてくれた先生にも女性がいたし、女性でもできますよ。
そうなんですね。あとは、円形のステージが6分割でリフトアップする、最初のMC後のブロックも印象的でした。段々になるステージがまるでケーキのようだなと。
ユースケ
普段と違うかたちのステージで踊るから、今回のためだけに振り付けも新しくしたんですよ。特に「Starlight」とかは感情移入もしやすくて、踊っていて気持ち良かったです。他のメンバーがソロで踊る場面も、それぞれに感情の入れ方がカッコ良いなぁって映像を観て初めて気付いたり。
タカシ
そんなダンサーたちを見て自分の気持ちも高まったし、あのブロックは個人的にも気に入ってます。頭から7曲休みなく飛ばして、ここでミディアムな曲を続けて、気持ちを整えてからメドレーに入る感じがすごく良かった。「Clap Our Hands!」ではひとりでステージに出るというのも初めてでしたし、一番上までリフトアップしてたから客席が隅から隅までよく見えるんですよ。そこでひとりひとりがクラップしてくれたのが、すごく心強かったです。
1万人超えのアリーナで、そんな遠くまで見えます?
タカシ
見えるんです。だから、気を抜いてると分かりますよ。
カイ
怖い(笑)。メドレーでは自分が裏にいた曲もあったんで、映像を観て“こういう感じだったんだ。カッコ良いな”って思いましたね。ユースケは「Turn Up」で、あの振りをやっと蔵出しできたんでしょ?
ユースケ
そう。夢で見た振り付けがあって、休憩時間に遊びでやってたら「Turn Up」に上手くはまって! タクヤとユーキと3人でソロダンスをする曲だったから、ふたりに負けたくない!っていう気持ちが振りにも表れましたね。
それはおふたりも同じ気持ちだったのでは? タクヤさんもアクロバットしてましたし。
タクヤ
ロンダートしただけですよ。観てる人たちにカッコ良く映ればいいなぁっていう感覚でした。
ユーキ
僕も遊んでましたね。確かDA PUMPさんの「U.S.A.」を踊ってた。
タクヤ
いやいや、“カッコ良いな〜”って羨ましかったよ。僕とか「Feel the light」前のダンスパートで、よくカウントミスって後ろのユーキに怒られてたし。めちゃめちゃ速いカノンみたいな振りで、僕が先頭だったんです。
あのダンストラックから「Feel the light」、リフトアップしたステージでセクシーに挑発する「We Can Do It!」、ファイヤーボールが上がる「Kura☆Kura」の流れは息もつかせぬほどスペクタクルで、観ていて本当に惹き込まれました。
タクヤ
やってる側は大変すぎました。もう忙しすぎて!
カイ
カラーガードが終わってひと息つけるかと思いきや、追い込まれる感はあるよね。
だから、そのあとにリョウガさんから飛び出した“身を削るほど、魂を削るほど楽しいのがライヴ”というMCに納得させられたんですよ。あれはライヴの本質を突いた名言。
ユーキ
その分、本編ラストの「a kind of love」がグッときたんですよね。ラフな感じも出しつつ笑顔いっぱいで、あれは今まで披露してきた中で一番良かった「a kind of love」じゃないかな。なのに、アンコールでは「Party Maker」でTシャツを引き裂くっていう(笑)。
こちらも初披露でしたが、まさかMVと同じ演出をするとは“本気なの!?”と驚きました。
リョウガ
本気ですよ。1サビ終わりに僕とタクヤ、ユースケでタカシのTシャツを破くのも本気で! 神戸公演では気持ちが入りすぎて、身ぐるみ剥がしてしまったという(笑)。