Brian the Sunライブレポート。4つの
星が太陽になるとき
Brian the Sun自主企画ライブ「Four B
right Lights」、第3回はWEAVERとの絆
を深める夜。
第3回は田中駿汰のプロデュースDayとして、神戸出身の3ピースバンドWEAVER(ウィーバー)との対バンが実現。2019年12月11日、遅れてきた冬の始まりを告げる冷たい雨の中、代官山UNITが熱くなった夜の模様をレポートする。
Photography_Masahiro Yamada
Brian the Sunにとって2つの意味を持つ
「10年」。
ここで、来年1月に発売されるシングル『Lonely Go!』のMVにこの日のライブの映像を使用するため、撮影が入ることが明かされる。「皆さんお化粧とか整えていただいて、映ってもいい状態にしていただいて、いつも以上に目立って、盛り上がっていただければと思います!」と白山がフロアの緊張をほぐしつつ「FBL、始まりま〜す!」と高らかに開催を宣言して二人はステージを後にした。
まもなくしてSEが流れ、WEAVERの3人が登場。1曲目の『トキドキセカイ』の演奏が始まると、すぐさまハンドクラップで会場は一つに。杉本雄治(Vo/Key)のピアノは跳ね、奥野翔太(Ba/Cho)のベースはうねり、河邉徹(Dr/Cho)はドラムスローンの座面に立ってフロアを煽る。ライブ開始1分でボルテージは最高潮に達した。
「お待たせしました、WEAVERです!」と杉本が一声、『くちづけDiamond』へ。透き通るピアノの旋律と重厚なバンドサウンドが絡み合う。立て続けに『S.O.S.』。シンセサイザーがダンサブルに弾むと、合わせてフロアも縦に揺れた。
MCではWEAVERからもブライアンとの馴れ初めが語られる。もともとは2008年、10代アーティスト限定のロックフェスティバル「閃光ライオット」の関東地区予選で出会った2組。ブライアンは準グランプリ、WEAVERは惜しくも3次予選で敗退となったが、それぞれのペースで歩みを進め、10年経った今こうして同じステージでライブできること、そしてその機会をくれたことについてブライアンとファンそれぞれに向けて感謝を述べた。
WEAVERもデビュー10周年の集大成へ
自分たちとブライアンを繋いでくれた曲として、ブライアンが閃光ライオットで歌った『Suitability』のカバーも披露。ギターをピアノに替え、ヒリヒリとしたギターロックは軽やかにアレンジされた。ブライアンファンにとっても嬉しいサプライズに、フロアは再び踊り出す。
『だから僕は僕を手放す』、そして『Free will』へ。気持ち良さそうに手を左右に触りながらシンガロングが起こると、その空気を感じるように奥野翔太(Ba)もまた気持ち良さそうに弦を弾く姿が印象的だった。
WEAVERはデビュー10周年を迎える2019年に向け、「流星コーリング」プロジェクトが始動している。最後のMCでは、作詞を担当している河邉徹の小説と、その世界観を音楽にしたアルバム、そしてライブが一体となり、これまでに見たことのない景色を見せるとファンと約束を交わした。ミラーボールがフロアに流星のような光を降り注ぐなか、同プロジェクトで先行配信されている『最後の夜と流星』でWEAVERは完走。数秒間深々と頭を下げてステージを後にした。
ブライアン登場。怒涛のパフォーマンス
で畳み掛ける
早速演奏がスタート。1曲目の『神曲』では「今はまだ未来など見えていないけど/僕はまだ歌うだろう/ずっとずっとずっと」と今を確かめるように、あるいは先を見据えるように森が歌う。そして本家の『Suitability』を披露。2組は、互いの現在地を確かめるように原点のこの曲を選んだ。これはフロアが盛り上がらないわけがない。
息つく間もなく『都会の泉』へ。煽るような視線でセクシーにギターをかき鳴らす森と小川の姿を、赤いライトでムーディーに照らし出す。2本のギターはさらに絡み合い、歪み合った。『早鐘』、『13月の夜明け』、そして『Sister』とMCなしで一気に5曲を畳み掛けた。
新曲『Lonely Go!』でファンとの思い出
づくり
そして流れは『Lonely Go!』の撮影へ。「一生モノですよ、その姿がずっと残ります」と森は空気を引き締め、簡単なコールの練習を行うことに。サビ部分の「ローンリローンリローンリゴー!」を数回合わせて感覚を掴むと、フロアに緊張させる時間も与えずに「後半戦行きますよ!」と早速本番へ。コールもクラップもひときわ大きく鳴り響き、撮影は大成功を収めた。
続けてこちらもアニメのテーマソングになっている『HEROES』が演奏されると、撮影が終わった開放感からかファンはさらに手を高くかざした。テンポをスローダウンし『Good-bye My Old Self』へ。ここまで、実に45分弱で9曲と怒涛のパフォーマンスを展開した。
しっとりと締めくくる本編、アンコール
は「一番しんどいやつやろう」
全身で聞き入るファンに向けて、森はフッと優しい笑みをこぼす。フロアには指揮を執るように指を振って楽しむ影が見えたが、確かにこの曲はいつか合唱曲になるかもしれないと思った。
そして最後の曲『月の子供』でピアノソロのイントロが流れ出すと、会場はさらに静まり返り、止まるミラーボールが星のような光の粒を落とす。1番では森以外の全員が弾き語られるメロディと歌詞に身を委ね、2番をバンドサウンドで歌い上げると、アウトロは再びソロとなり、森が一音一音を噛みしめるようにピアノを鳴らす。気づけば、会場は空調や機材の音が聞こえるほどに澄んでいた。演奏を終えたブライアンの4人を温かい拍手が包み込んで本編は終了したのだった。
姿が見えなくなるかならないかですぐにアンコールの拍手が沸き起こる。4人が再び登場し、改めて感謝を述べる。森の「ライブでしか生きてる意味あるなって思うことない」と、ここまで強気なスタイルを貫いてきた彼が遠回しに感謝を伝えるような言葉もあった。
〈セットリスト〉
1.トキドキセカイ
2.くちづけDiamond
3.S.O.S.
4.Tonight
5.Suitability(Brian the Sunカバー)
6.だから僕は僕を手放す
7.Free will
8.最後の夜と流星
Brian the Sun
1.神曲
2.Suitability
3.都会の泉
4.早鐘
5.13月の夜明け
6.Sister
7.Lonely Go!
8.HEROES
9.Good-bye My Old Self
10.カフネ
11.月の子供
En1.パトスとエートス
En2.ロックンロールポップギャング
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ミーティア
「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。