「劇場版 Fate/stay night [Heaven'
s Feel]」リレーインタビュー(2)門
脇舞以 ずっとイリヤに寄り添い続け
られる幸せ

 「劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] ll.lost butterfly」リレーインタビュー第2回に登場いただくのは、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(イリヤ)を演じる門脇舞以。10年以上イリヤを演じるなかで大切にしていることや、第1章「presage flower」をはじめて見たときの素直な感想などを語ってもらった。(取材・構成:五所光太郎/アニメハック編集部)
―― はじめてイリヤを演じたときのことを覚えておられるでしょうか。
門脇:はい。最初のテレビシリーズのときにオーディションを受けたのですが、そのときはセイバーで受けにいきまして……。
―― そうだったのですか。
門脇:そのときに、「別役もやってもらっていいですか」と言われて、(遠坂)凛もやらせていただきましたが、オーディションではイリヤはまったくやらないままでした。その後、役を知らされずに合格の連絡をいただいて、追加キャストとして発表されたときに、はじめてイリヤとして受かったことを知り、そこからの長いご縁になります。
 「私の役はどんな子だろう?」と見てみたら、すごくかわいらしくて、特別感を感じて大喜びしました。
―― イリヤとして最初のテレビシリーズのアフレコに参加したのは、門脇さんが声優として活動しはじめた頃ですよね。
門脇:メインキャストのなかで、ジュニアは私ひとりだった気がします。アフレコ現場では他の皆さんが堂々と素晴らしい演技をされているのに圧倒されながらも、とにかくイリヤのことだけを考え、彼女の声を届けるために精いっぱいやっている状況だったと思います。その後、ゲームの「Fate/stay night [Réalta Nua]」の収録をとおしてイリヤの多様性を知り、いろいろな面にふれることができました。ゲームにはすべてのルートが入っていますし、彼女の役割も様々でしたから。
―― 「Réalta Nua」のイリヤは、「タイガー道場」での演技も楽しかったです。
門脇:ありがとうございます。イリヤとしては、本編と同じぐらいのボリュームがあった印象です(笑)。ゲームの収録前にアニメの特典として一回だけやっていたので、「タイガー道場」をこんなにやれるなんてという喜びがありました。また、なんといっても“師匠”であるタイガ(藤村大河)役の伊藤美紀さんとご一緒できたのがうれしかったです。収録は美紀さんが先に進められていて、毎回いろいろなバリエーションの本当に面白いタイガの声を聴かせてもらって(笑)。こんなに勢いのある面白い演じ方があるんだと衝撃をうけ、楽しみながら収録したのを覚えています。
―― 「Fate/Zero」では、イリヤの過去が描かれるエピソードもありました。
門脇:一通りイリヤを演じたあとに新たに過去の物語にふれることで、彼女の内面をより満たすことができました。イリヤというキャラクターは、長い間描かれ続けるなかで時にはためらいなく変化し、成長していきます。こうして何度も演じては彼女の進化を追いかけていく未来を予感するきっかけとなる作品でした。
―― 「Fate[Heaven's Feel]」が劇場3部作として映画化されると聞いて、どう思われましたか。
門脇:作り手も受け手の皆さんも、ずっと気持ちが途切れることなく「Fate」という作品に思い入れをもって接してくださっているのが分かっていたので、「いつかアニメになるかもしれない」とは思っていました。それでも発表を目の当たりにしたときには、ファンの皆さんの積もりに積もった思いや熱量が導いた奇跡のように感じられてすごくうれしかったです。これだけの熱量があるからこそ、「かなわないかな?」と思っていたこともかなえられる力があるのだなと思いました。
(c) TYPE-MOON・ufotable・FSNPC―― 「Fate[Heaven's Feel]」第1章のイリヤは出番こそ少なめでしたが、強烈な印象を残す登場でした。
門脇:ありがたいことに、多くの方の心に残る登場だと感じていただくことができました。マスターとして聖杯戦争に参加し、士郎との対面を果たす際の演出も素晴らしく、見ている人が気になってしまうような印象を残せたのではないかと思います。
―― 第1章のご覧になっての感想はいかがでしたか。
門脇:こんなにも心をつかまれ、引き込まれてしまう作品があるんだと思いました。見ている側もジワジワと浸されて沈みこんでいくといいますか。最初に拝見したときは、ただただ放心してしまい、見終わったあとには「早く帰って寝たい」と俯いてしまうぐらいでした。
―― そうした感想をもたれること分かる気がします。見てグッタリするといいますか。
門脇:映画を見てこんなに疲弊したのは、ほとんどはじめての経験でした。どのようにつくられているのか私には分かりませんが、アニメの力を感じましたね。こんなにすさまじい演出がアニメでできるのだなと。
 第1章では、バーサーカーの大活躍もうれしかったです。バーサーカーの活躍は私のいちばんの喜びでもあるので、登場シーンから圧倒的な強さを見せつけてくれて、第2章以降も本当に楽しみになりました。

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