【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#77 歌
手・布施明の言葉

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

歌う人間が、その歌を作った人と同じ景
色を歌うことはできないし、それを聴い
てくれる人が同じ景色を見るとは限らな

より

布施明は、曲や詞も書いており、作詞作曲を手掛けた名曲「落ち葉が雪に」をはじめ、アルバム『WALK』にも書き下ろし作品が3曲収録されている。これについてインタビュアーが紹介すると、布施は、「正直に言うと、僕はそれはいいことだとは思わない」と明かす。「誰かが詞を書き、曲を作り、アレンジしたものに、どうやってまた違う命を吹き込んでいくかというのが、歌手としてのいちばんの醍醐味だから」と語り、今回の名言につながる。これらの言葉から、彼の歌手としての誇りと自信を感じ、歌手という仕事の奥深さを知る。

布施明(ふせあきら)
1947年12月18日生まれ、東京都出身。歌手、シンガーソングライター、俳優。高校在学中、オーディションテレビ番組『味の素ホイホイ・ミュージック・スクール』(日本テレビ)に合格。1965年、「君に涙とほほえみを」(キングレコード)でレコードデビュー。同年、青春ドラマ『青春とはなんだ』(日本テレビ)の主題歌「若い明日」を歌い注目を集める。その後、「霧の摩周湖」(1966年)、「恋」(1967年)、「愛は不死鳥」(1970年)など、順調にヒットを飛ばす。1974年、「積み木の部屋」で『第16回日本レコード大賞』歌唱賞を受賞。1975年、「シクラメンのかほり」で『第17回レコード大賞』大賞など、多くの音楽賞を獲得。1980年、ハリウッド女優のオリビア・ハッセーと結婚し、大きな話題を呼ぶ(1989年離婚)。2005年、特撮テレビドラマ『仮面ライダー響鬼』の主題歌「少年よ」をリリース。2009年、『NHK紅白歌合戦』に出場25回を果たし、以降は出場枠を若い歌手に譲りたいとして勇退を宣言。2015年、『第57回日本レコード大賞』功労賞を受賞。2018年5月には、22年ぶりとなるオリジナルアルバム『WALK』をリリース。現在も、リサイタルを中心に精力的に活動を続けている。2019年1月19日、オリンパスホール八王子を皮切りに各地で『AKIRA FUSE LIVE 2018-2019“WALK”』を開催。

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