『THE RENAISSANCE』には
THE ALFEEがブレイク後に示した
堂々たるロックサウンドがある

『THE RENAISSANCE』(’84)/THE ALFEE

『THE RENAISSANCE』(’84)/THE ALFEE

今年結成45周年、来年にはデビュー45周年を迎える、現在進行形の伝説、THE ALFEE。彼らのすごさを今回の名盤紹介だけで書き切れるとは到底思わないが、それでもTHE ALFEE本格ブレイク後のオリジナルアルバム『THE RENAISSANCE』について個人的に思うことを記してみた。若い読者に少しでも興味を持ってもらえたら幸いである。

2700本超! 圧倒的なライヴ本数

先日、何気なくSNSを眺めていたら、『日経エンタテインメント!』の“2018年度コンサート動員力ランキング”なる記事が流れてきた。1位は東方神起。そして、女性の1位が安室奈美恵。なるほど。その他、B’z、福山雅治、嵐を筆頭としたジャニーズ勢、EXILEらLDH勢と、上位にはそうそうたるライヴアーティストが名を連ねている。そんな中、48位にTHE ALFEEの名前を見つけた。“さすがだなぁ”と思うと同時に、THE ALFEEの場合、今年がずば抜けて公演数が多かったわけではなかろうと思い立って、興味本位で昨年の同ランキングを調べてみた。2017年。THE ALFEEは47位。何とポール・マッカートニーよりも上だ(ポールはこの年48位)。何かすごい。さらにその前年も調べてみる。2016年。41位だ。2015年は48位。2014年は何と33位。ランキング上位ではないものの、毎年50位以内に顔を出している。そりゃあ、順位は前述のアーティストやアイドル勢には適わないものの、ある年だけにランクインしてその他の年にはまったく出て来ない人たちも少なくない中、THE ALFEEはコンスタントにランクインし続けていた。

その公演数にも注目した。2018年56公演。2017年52公演。2016年56公演。2015年54公演。2014年55公演。ここ5年間、THE ALFEEの公演数は毎年50公演を超えている。この数字はロック、ポップスでは結構多いほうだ。倍とは言わないが、その他アーティストの1.5倍程度の公演数ではある(演歌、アイドルは、昼夜2回公演や、専用劇場でチーム別の公演を行なっていたりして、公演数は多いので、それらとの単純比較は難しい)。同ランキングを眺めてもらえればお分かりになっていただけると思うが、公演数が少ないバンド、アーティストは会場の規模が大きい。どこで何回やったとか細かく掲載されているわけではないが、顔触れだけ見てもドームやアリーナでライヴをやっていることが分かる。すなわち、キャパシティーが大きいので動員数が多いということも分かる。一方、THE ALFEEの場合、もちろん日本武道館や大阪城ホールでのコンサートもあるが、公演のほとんどは所謂ホールや会館と思われる。公演数が多いということはそういうことだろう。

2017年の同ランキングを見ると分かりやすい。47位のTHE ALFEEは52公演で18万人。48位のポール・マッカートニーは4公演で17.9万人(※数字はいずれも『日経エンタテインメント!』の“2017年度コンサート動員力ランキング”から)。1公演あたりの平均動員数は、THE ALFEE約3500人、ポール約4万5000人となり、生臭い言い方をして申し訳ないが、こうして見てもTHE ALFEEのほうが細かく稼いでいることが鮮明となる。

しかも、これはここ数年の話ではない。THE ALFEEはそれを何十年間も続けてきた。さらに調べてみたら、彼らは1982年から毎年全国を回っており、春と秋の年間2回のツアーをほぼ欠かしたことがない。コンサート総数は今年10月ついに2700本を超えた。単純計算では、年間平均75本のコンサートをこの36年間ずっと続けてきたこととなる。

浮き沈みの激しい音楽業界において、高いレベルでコンスタントにライヴ活動を続けているのは相当に凄まじい事実だ。コンサート制作に関わるものであれば、ほとんど奇跡的とすら思うのではなかろうか。さらに言えば、これだけの偉業はソロアーティストでもかなり難しいことではあろうが、THE ALFEEはグループであり、離合集散の激しいロックバンドに分類される形態である。1982年以降、どれだけのバンドが世に出て、解散していったか、考えるまでもなかろう。そう考えるとTHE ALFEEは奇跡的ではなく、完全に奇跡と言っていい。今年のツアータイトル『Château of The Alfee』とはよく付けたもので、THE ALFEEは長年かけて誰も成し得なかった自らの城を築き上げているのだ。

OKMusic編集部

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