伊藤健太郎、岡本夏美、栗原類が“思
春期の生と性”を表現 舞台『春のめ
ざめ』が再演

KAAT 神奈川芸術劇場芸術監督白井晃演出で、2017年春に好評を博した舞台『春のめざめ』が、2019年度、新メンバーを迎えて再演されることが決定した。
本公演は若者の性を扱ったドイツの作家、フランク・ヴェデキントの戯曲で、ロックミュージカル作品としてブロードウェイで上演され、高い評価を得た作品だ。そんな本作を2017年 5 月から 6 月にかけ、KAAT 神奈川芸術劇場ほか、京都、北九州、兵庫で芸術監督白井晃演出によりストレートプレイとして日本で上演された。主人公メルヒオールに志尊淳、ヴェントラに大野いと、モーリッツに栗原類を迎えた初演は、彼ら若手俳優たちの熱演とアクリルボードに囲まれた白井による斬新な演出と共に高い評価を得た。
そして初演から 2 年経過した2019年、映像作品でも大活躍する若手俳優の伊藤健太郎が主人公・メルヒオール役を新たに務める。ヒロイン・ヴェントラ役には、初演を観劇して絶対勝ち取りたかったという岡本夏美がオーディションにより選出、さらに初演での好演で高い評価を得た栗原類が、絶望を抱えて暴走する若者・モーリッツ役を再び演じる。
KAAT神奈川芸術劇場は白井が芸術監督に正式就任した2016年 4 月以後、近現代戯曲を現代視点で蘇らせるシリーズとして、白井の演出により、『ペール・ギュント』、『夢の劇-ドリーム・プレイ-』、『マハゴニー市の興亡』、そして本作を上演してきた。このシリーズは、KAAT奈川芸術劇場の独自の個性として多くの演劇ファンに認識されている。そして、このシリーズで上演された作品を、観客の要望に応える形で再演するのは劇場としては初めての試みとなる。
本公演は、ミュージシャンである降谷建志が書き下ろし、ダンサーの平原慎太郎が思春期にある若者たちの性衝動や煩悶を振付によって表現。演出・白井晃を筆頭とするクリエイティブスタッフは踏襲しつつ、新たに加わったキャストと共に平成最後を飾る新たな『春のめざめ』を構築する。
■戯曲『春のめざめ』について
1891年にフランク・ヴェデキントによって書かれた戯曲『春のめざめ』は、思春期の少年たちの性への目覚め、生きる事の葛藤、それに対する大人たちの抑圧などが描かれ、そのセンセーショナルな内容から上演禁止の処分を受けていた作品。初演されたのは、上梓から15年後の1906年という問題作。100年後の2006年に、米国・ブロードウェイでロックミュージカルとして上演され、大いに話題となった。2007年の第61回トニー賞では、作品賞を含む8部門を受賞している。そして2017年。ヴェデキントの原作をもとに白井晃が世界観を新たに構成、これまでにない『春のめざめ』をストレートプレイで上演して大好評を得た。
<あらすじ>
ドイツの中等教育機関“ギムナジウム”で学ぶ優等生のメルヒオール(伊藤健太郎)、友人で劣等生のモーリッツ(栗原類)、幼馴染のヴェントラ(岡本夏美)。ある日の帰り道、メルヒオールはモーリッツに、「子供の作り方」を図解で説明すると約束する。成績のさえないモーリッツは、学校での過度な競争にたえられず、米国への出奔を企てた。しかし、それが果たせなかった彼は、将来を悲観して自殺してしまう。一方、メルヒオールは半ば強姦のように幼馴染のヴェントラと関係をもつ。やがて自殺したモーリッツの遺品からメルヒオールからのメモが見つかり、モーリッツを自殺に追い込んだとして両親に感化院へと送られるメルヒオール。その後ヴェントラの妊娠が発覚、彼女の両親の知るところになり、ヴェントラは……。

■白井晃(演出)コメント
この作品が新しいキャストを迎え再演できることを嬉しく思っています。約130年前に書かれた作品が、今なお社会の軋歴の中で苦悩する若者たちの姿と重なることを感じ、改めてヴェデキントの視線の深さに驚かされました。若い俳優と向き合うことは、自分自身の演劇への姿勢を問われることでもあります。凛とした居住まいの中に信念を感じさせる伊藤健太郎さんと、優しさの中に芯の強さが溢れ出る岡本夏美さんの二人がメルヒオールとヴェントラを演じることで、初演時モーリッツ役で好演した栗原類君との間にどのような関係が生まれるか楽しみにしています。再演とはいえ、改めて新作を作る思いで若い俳優のみなさんと創作していけたらと思っています。
■伊藤健太郎(メルヒオール役)コメント
今回、『春のめざめ』に参加させていただきます伊藤健太郎です。白井さんとは今回初めてご一緒させて頂くのですが、役者の先輩方から白井作品に参加したいという話をたくさん耳にしてきたので、ご一緒させて頂けてとても光栄です。先日、白井さん演出の舞台『バリーターク』を観劇させていただいて、白井さんの創り上げた世界にグッと引き込まれてゾクゾクしました。今回は再演なので前回とは違った新しい『春のめざめ』を、白井さん、そして他のキャストの皆さんと創り上げたいと思います! ぜひ楽しみに待っていただけると嬉しいです!
■岡本夏美(ヴェントラ役)コメント
昨年『春のめざめ』を観劇した際、作品のメッセージとエネルギーに圧倒され、客席で体が痺れた感覚を今でも覚えています。「この作品に携わりたかった。」それがこの作品を観終わったときの想いでした。ヴェントラ役に決まったときは素直に嬉しかったです。今回、私は初めて白井さんと一対一でお話しして、台本の一部分を演じるというオーディション形式のところからスタートさせて頂きました。作品に対する思いを溢れさせて挑んだので、白井さんに少しでも思いが届いたという事が光栄でした。それからは、ヴェントラとして早くお芝居がしたくて堪らない日々です。 これから稽古本番と続きますが、全身全霊この作品に寄り添って体当たりしていきたいと思います。
■栗原類(モーリッツ役)コメント
このたび再び『春のめざめ』が上演される事になりました。この作品を再び皆さまに見ていただけるチャンスが来たことを嬉しく思います。再演ではありますが、スタッフ、キャストが一人でも変わればそれは新作だと僕は感じています。このカンパニーで、この戯曲を作り上げる作業をとても楽しみにしています。初演を観た皆さまも、是非また違った『春のめざめ』を体感しに来てください。お待ちしております。

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