“新しい季節の訪れ”が告げたられた
、UNIDOTS主催ツーマン企画『SHIKIS
AI』ファイナル公演をレポート

UNIDOTS presents SHIKISAI 2018 ― 四季彩、或いは四奇才の色彩 ― ~冬編~

2018.12.8 Shibuya eggman
新しい季節の訪れ……それは目や耳はもちろん、それよりも先に匂いや肌にて感じられるものだと、その新季節の到来を最初に知る度に思う。そして、新シーズン毎にそれを最初に察知した際の嬉しさたるや。まさに、このUNIDOTS(ユニドッツ)主催の2マンライブは終演後、その「新しい季節の訪れ」の際のような出会いや発見、または再会のような歓びで私の身体を包んでくれた。
UNIDOTSがShibuya eggmanにて2マン企画ライブ『SHIKISAI 2018 ー四季彩、或いは四奇才の色彩ー ~冬編~』を行い、満場のなか大成功を収め、同シリーズの幕を下ろした。このシリーズは2018年の1年を通し年に4回。春夏秋冬の四半期毎に行われたもの。場所は全て自身「ホームグラウンド」と語るeggmanだ。毎度2マン形式で敢行された同シリーズ。3月の春編ではシナリオアート、6月の夏編ではチアキ(ex:赤い公園)、9月の秋編ではLOCAL CONNECTを迎え行い、今回のクアイフとの冬編を含め、各回全てソールドアウトを遂げてきた。
UNIDOTS presents SHIKISAI 2018 ― 四季彩、或いは四奇才の色彩 ― ~冬編~
このUNIDOTSは瑞葵(Vo)とコンノツグヒト(B)によるユニット。2016年1月に活動開始。2017年夏には初の東名阪ツアーを行い、同年11月の初のeggmanワンマンはソールドアウトを記録。とは言え、これまで一切の音源等のリリースはしていないでの事である。
その音楽性は、コンノを軸にしたバンドサウンド+プリセットされた同期がもたらすサウンドのフレキシブルさや、エレクトロを積極的に取り入れたトレンド性や、逆に80's性、そしてファンキーでハネる部分や、対してメロディにしてもそこはかとない歌謡性や哀愁も特徴的。瑞葵の歌にしても従来の神秘性を帯びた部分や伸びやかで艶やかな歌声に加え、色気やふくよかさ、時に哀愁や情緒も織り込まれたものとなっている。
共演のクアイフは、UNIDOTSがまだ数曲しか曲がない時からライブに誘ってくれ、昔から信頼し合っているバンド。瑞葵もクアイフのボーカル・森綾乃とは公私の仲だと語る。そんな大切なバンドとこのシリーズを一旦締め、またUNIDOTSは「新しい季節」へと向かおうとしていた。
UNIDOTS presents SHIKISAI 2018 ― 四季彩、或いは四奇才の色彩 ― ~冬編~
UNIDOTS presents SHIKISAI 2018 ― 四季彩、或いは四奇才の色彩 ― ~冬編~
クアイフがまずステージ登場。この時期ぴったりな「snow traveler」をいきなり場内に広げていく。また、躍動感を寄与した「Wonderful Life」では、三輪幸宏(Dr)と内田旭彦(Ba/Cho/Prog)が打ち出すラテンポップなグルーヴが会場とステージをグッと近づけ、またすぐにでも逢いたい気持ちを炸裂させた「さよならライアー」では、儚さや一抹の切なさ、強がりが4つ打ちの躍動的な曲の上に溢れていった。内田、三輪の3声も加わった「Re:Answer」では後半に向け曲がぐんぐん広がっていくのを感じ、「じゃあ、またね。」では、君のことを想い返して明日からも歩いて行くよとの可愛い決意が察しられた。
左からUNIDOTS・瑞葵、クアイフ・森綾乃(Vo)  UNIDOTS presents SHIKISAI 2018 ― 四季彩、或いは四奇才の色彩 ― ~冬編~
「ずきみちゃん(瑞葵を森は親しみを込め以前よりこう呼んでいる)はイツエ時代から一緒にライブをやってきた仲。基本、彼女も私も振り返らないタイプ。そんなUNIDOTSが1年間大切に築いてきたこのイベントのラストに呼んでもらえて嬉しい」と語り、次曲「Clock hands」が瑞葵に贈られる。同曲の<君が笑った>のフレーズが会場中に笑顔の花を咲かせ、ちょっとした切なさで会場中を満たした「after rain」、対して「ピラミッドを崩せ」では、前のめりでアグレッシブな面が6/8のリズムと共に場内に広がる瞬間を見た。
後半に入ると「meaning of me」がライブを再びストレートに走り出させる。また内田のベースライトハンドも交えた「organism」では渦巻くサウンドが会場を惹き込み、「大好きであり尊敬もしている。仲良しだけど馴れ合いじゃなく、今後もいい関係でいたい」(森)と控えているUNIDOTSに言葉を残し、ラストは大切な人に想いを伝えなくちゃの気持ちをしっかりと込めて、嵐を超えた凪のように「愛を教えてくれた君へ」が贈られた。まるで冬の日に想い返す陽だまりのような愛しさを残し、3人はステージを去った。

UNIDOTS presents SHIKISAI 2018 ― 四季彩、或いは四奇才の色彩 ― ~冬編~
UNIDOTS presents SHIKISAI 2018 ― 四季彩、或いは四奇才の色彩 ― ~冬編~

続いてはUNIDOTS。まずはコンノと、木下哲(Gt)&U(Dr)のサポート陣が登場。間を空け瑞葵が現れる。以降本編ではMCはほぼナシ。各曲毎に全く違った景色や光景、歌物語へと誘われていく。
オープニングは「白昼夢」。ブームのマイクスタンドを両手で掴む瑞葵の伸びやかな歌声が広がっていく。運指側のみ手袋をはめ5弦ベースを多様に扱うコンノ。バンドサウンドはソリッドなのだが、ラップトップからのメロトロンの音色の同期がノスタルジックさを醸し出していく。続く「バスルーム・リフレクション」ではエレクトロの要素が飛び出し、FMシンセのふわっとした音色の同期に4つ打ちの躍動感に深いリバーブのかかったオルタナギターが融合を見せる。明るいんだけどあえて明るくさせない独特さも面白い。続く「神様の言うとおり」では開放的な音色と共に、これまでの抽象性から景色や情景感を魅せ、合わせて瑞葵の伸びやかな歌声がダイナミックに広がっていく。時折現れる瑞葵のフォックスサインも印象的だったエレクトロなトレンド路線「狐の嫁入り」ではコンノもスラップを交え、対して瑞葵がどこかあえて無機質でクールさを演じているところの対称性も面白かった。
UNIDOTS presents SHIKISAI 2018 ― 四季彩、或いは四奇才の色彩 ― ~冬編~

UNIDOTS presents SHIKISAI 2018 ― 四季彩、或いは四奇才の色彩 ― ~冬編~

中盤からは彼らの特性でもある歌謡性が現れ出す。「舗道に咲いた花」では、歌詞も歌謡曲的且つ艶っぽい面も。また「渇き」では、その歌謡的雰囲気の中、誰かの特別になりたかったと、感情やジェスチャーを交え、歌に乗せた切ない本音を染み渡らせていく。後半は躍動的な楽曲たちが目立った。ファンキーさとハネた部分が会場をバウンスさせた「sayosigure」、前のめりな4つ打ちの「裏街道ハイウェイ」が、誰も見たことのない景色を2人で駆け抜けようと歌えば、最後は大海に行き着くように「あなたは嘘つきだ」が伸びやかにジワジワと生命力を取り戻すかのように場内に歌を広げていった。
UNIDOTS presents SHIKISAI 2018 ― 四季彩、或いは四奇才の色彩 ― ~冬編~
アンコールは2曲。その前に瑞葵がようやくここで喋る。「仲はいいけどこれまで一緒に歌ったことがなかった」と森がステージに呼び込まれ、瑞葵+森(歌&鍵盤)、コンノにて「冬がはじまるよ」(槇原敬之カバー)が厳かに歌われ、温かい気持ちにさせてくれた。そして木下、Uも再びステージに呼び込まれ、ここで「UNIDOTSは新しいスタート地点に向かいます」と、3/3に渋谷WWWにてワンマンライブ『孵化』を行うことが告げられる。「もっと大きく羽ばたくためにみなさんついてきてください」と瑞葵。最後は前にしっかり進んでいくべく「僕らの終着点」が力強く、会場を一緒に連れていく気概と意思、決意と覚悟と共に突き進んでいった。
UNIDOTS presents SHIKISAI 2018 ― 四季彩、或いは四奇才の色彩 ― ~冬編~
これまで正式な音源を一切出していないUNIDOTSだったが、初のMV「舗道に咲いた花」がこの日、終演後現れたスクリーンに映し出された。どこか夜明け感漂う映像と彼らの希望へ向かっているかのような美しさを湛えた音楽性とのベストマッチを見せている、このMV。YouTubeでも既に公開中なので是非ご覧いただきたい。
まさに冒頭のような「新しい季節の訪れ」と出会えたような、ささやかな歓びを持ち帰るように会場を後にした、この日。いや、まてよ。あれは「訪れ」もだが「音連れ」でもあったな……。あの場所でUNIDOTSは、「これからの新しい季節」を確実に告げ、それを我々も感受した。それは自らの目や耳からはもちろん、匂いや肌からも感じられるものであった。そう、あの「間もなく新しい季節がやってくる確信」は、五感を通し、歓びと共に今でも私の中で忘れさせてくれないものとなっている。

文=池田スカオ和宏 撮影=Koji Nishida (nirnor inc.)

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