「よく分からない人で終わりたくない
」 綿めぐみに芽生えた表現者として
の自覚【Archive】|the future mag
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2014年、インターネット上に『災難だわ』という曲が投下されるやいなや、「あの美少女は何者だ?」といった具合に話題を集めていった綿めぐみ。当時N.O.R.K.というユニットに在役していたOBKR氏率いるTokyo Recordings(メンバーが全員平成生まれのレーベル)が彼女の楽曲を担当&プロデュースしていること、『香港生まれ、インターネット育ち』という触れ込みで素性がよく分からないこと、それでいてこのルックスの持ち主。話題にならない訳がないといえば、そうなのだが–。

ヴィレッジヴァンガード限定で『災難だわ』をリリースした後、昨年スポット的にCULPOOLというイベントに出演したりはしていたものの、しばらくなりを潜めていたが、今年2月に『ブラインドマン』をリリース。そして未リリース2曲を追加収録した『災難だわ -完全版-』を本日より再発する。
ー確かに先日のライヴのときもじっと目を閉じて体を揺らして聴いているお客さんもいたのが、印象的でした。

綿:
それはとっても嬉しいです。今までは「ビジュアルとかイメージとかでいいと思ってくれる人が多いのかなぁ」と思っていたのですが、深いところまで楽曲を理解してくれる人もいるのだなぁと感じさせてくれるお話ですね。
ーアルバム収録曲の中で、どの曲が一番好きですか?

綿:
『インビジブルマン』ですね。最初から最後まで無償の愛を歌っている曲で、アルバムの最後に救いがあるのがいいなぁって思います。
ー僕も同じ意見で、実際この曲を聴いてインタビューしようと思いました。何故ならこの曲が圧倒的に他の曲と比べて、歌に感情が乗っている気がして・・・。

綿:
あーなるほど。たしかにそうかもしれない。
ーこれがOBKRさんの詩の影響なのか、綿さんの表現力なのか、聴きながらすごく考えて。感覚的な言い方をするならば、ブラインドマンの魂が綿さん自身に乗り移っているような印象を受けました。

綿:
その意見は納得できる部分がありますね。しかも私自身が楽曲に感情移入したというよりは、ブラインドマンの気持ちやOBKRさんの気持ちが乗り移っているような感覚がありました。自分自身が第三者で、歌詞に描かれる思いを伝えるためにただそこにいる、みたいな感じがするくらい。
ーそれが綿さんの媒介としての能力というか、語り部・シンガーとしてOBKRさんに歌って欲しいと選ばれた理由かもしれないですね。綿さんはそのときそのときで自分が引き受けないといけない役割みたいなことを直感的に察知しているようにも思えます。

綿:
ああ。そうかもしれないですね。直感みたいなものだと思うんですけど。私は『自分をこう打ち出したい!』と主張するよりは与えられた役割を見出して、そのなかで寄り添えるところは寄り添うけれど、芯は曲げないという感じですね。OBKRさんにはそういう私の性格を「よくも悪くも人の意見に左右されない、流されない」って言っていましたけど(笑)
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