【インタビュー】清塚信也、クラシッ
ク音楽を縦横無尽に“つなげる”意欲
作品『connect』

クラシック・ピアニスト、作編曲家、俳優としても活躍する清塚信也が、自身のピアノのみによるクラシック・アルバム『connect』をリリースした。今作は、「クラシック音楽をメジャーにポップに」というポリシーのもとに制作された、より多くの人々に発信する意欲作。クラシック音楽と人々を、クラシックと現代(いま)を、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンと現代人を“connect=つなげる”ため、ピアノの名曲を清塚信也でしか成し得ない解釈で再現している。この“connect”というワードと姿勢に込められた思いを訊いた。

■バッハをエモーショナルに“強い、弱い”をハッキリ打ち出し
■ドラマティックにエモーショナルに弾かせていただきました

──強烈なアルバムに仕上がった『connect』について聞かせていただきたいのですが、connectという言葉、アルバムコンセプトについてお聞かせ願えますか?

清塚信也(以下、清塚):最近のアルバムがオリジナルに偏っていたので、ここらで自分のルーツであるクラシックをまたみなさんにお聴かせしたいなと思って作ったんです。“connect”は繋げるという意味。何百年も昔に繋げトリップさせると共に、昔の音楽を現代に呼び起こすという意味でもあるんです。なので、みなさんを古いところに連れていくだけではなく、古いものを新しくしていこうという試みでもあると思っています。今回は特にバッハにその想いがありました。バッハの曲は今のグランドピアノの機能がなかった時代に作られたんです。例えば当時の鍵盤楽器では演奏に強弱は付けられなかったんですが、今のグランドピアノは付けられます。クラシックの演奏法というのは、なるべくバッハの時代の環境に寄せていこうという試みをするんですよ。つまり強弱がつけられなかった時代の曲だから、あまり強弱を付けないように弾こうとするわけなんですね。それがバロック時代やバッハへのリスペクトというふうにもとれるんです。でも僕らはそういうのを割り切っちゃって「現代なんだから現代でもできることやろうよ」って。簡単に言えばそういうことでバッハもエモーショナルに“強い、弱い”をすごくハッキリ打ち出し、ペダルやレガート奏法も全部取り入れてドラマティックにエモーショナルに弾いてみようと、むしろバッハを現代にコネクトした感覚で今回は弾かせていただきました。

──バッハは日本人は厳格に厳密に、おっしゃったように強弱を付けないで弾こうとされるらしいんですけど、案外、ドイツなどのヨーロッパの方はすごくエモーショナルに弾かれるとか。

清塚:そうなんですよね。彼らはルーツが一緒だっていうことの強みがあって、どれだけ壊したって壊すことにはならないという考え方です。でも、例えば日本人がやってしまうと、ただの破壊行為に思われてしまう。でも日本でも崩していいんじゃないかなと僕は思っています。なぜならば古すぎるから。古ければ古いほど歴史的な証拠って無いんです。それってあやふやなものだし、言ってみれば歴史っていうのは仮説を立てているのに過ぎない。別に見たわけでもないので、ある種の仮説、歴史は簡単に覆えったりもするわけですよ。そういう意味で、バッハもある程度、自分が踏まえた証拠資料を集めれば、そこから先は妄想でいいと思うんですよ。だから、「バッハの音楽をエモーショナルに弾いたらこういうふうになります」っていうのも面白い。仮説を立てる対象が古ければ古いほど、むしろ斬新になっていけるんじゃないかな。50年とか100年くらいだと、演奏資料や録音、映像なんかの証拠が多くあって、そこから離れることってなかなか難しいと思うんですね。だけど、バッハの場合は古いからこそ、そういう意味ではむしろ好き勝手やっていいんじゃないかなと僕は思っています。

──コネクターとしては楽しい作業ですか?

清塚:楽しいです。モーツァルトに関しては、“実はこうだったんじゃないか”っていう話を聞いてもらうことがすごく僕はゾクゾクワクワクする。『ダ・ヴィンチ・コード』みたいに“本当はこういう真相なんじゃないか”とか都市伝説的なものもありますし。そういう意味あいで、クラシックのミステリーを紐解いていく感覚。ミステリーツアーに案内するという役回りは非常に僕にとっては快感です。

──なるほど。ミステリーを解き明かす狂言回し的な役割は、面白そうですね。

清塚:だから、今回のモーツァルトは“本当は怖いモーツァルト”的な感じ方で(笑)。モーツァルトってすごく闇があった人間だと思っていて、僕らが窺い知れるモーツァルトの曲というのは、煌びやかで可愛らしくて軽やかな曲が多いですよね。でもそれだけじゃなく、本当の核心めいたところはドン・ジョヴァンニの父親のシーンとかレクイエムにもあるように怒りとか悲しみに満ちていたんじゃないかなって僕は思っていて。ただ時代がまだ個性を必要としていなかったので、ベートーベン以降にもしモーツァルトがいたら、もっともっと劇的な曲を作っていたんじゃないかなと僕は思っています。そのこぼれ落ちた一つとして、この「ピアノソナタ 第14番」があると信じているんです。そういった聴き方で、もう一度モーツァルトを聴いていただいたら、コネクターとしてもすごくみんなを感化できるんじゃないかという気がしています。
──なるほど。じゃあ、今回のアルバムでバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンを取り上げたのは、必然だったわけですね。

清塚:そうですね。まずは1回立ち戻ってちゃんと年代順にみなさんにお伝えしたいという想いがあって、パッと思い浮かんだのがこの三人でした。ショパンやロマン派までちょっと食い込もうかなと思ったんですけど、あとはスカルラッティとか、あそこらへんも入れようかなと思ったんですけど、時間がいっぱいでした。

──あまりクラシックに詳しくない音楽ファンとクラシックをコネクトするという意味でも、すごくいい三人ですよね。今回もオーケストラなしでピアノだけですね。

清塚:そうです。僕のスタイルというか、共演者もPAもライティングも何もなしで、2,000人ぐらいのホールを感動させたいという想いが僕の中にある。アルバムを作るということは、これでコンサートをしたいということなので。

──以前に、クラシック界は厚い殻の中に閉じこもってポピュラリティーを持つという発想がないことにすごく不満を抱いていると話されていましたね。だからこそ、クラシックと現代人をコネクトしなければならないという考えになったのでしょうか?

清塚:もともとはそうでしたけど最近はむしろ快感のほうが上回っています。TVなどの効果もあってか、ジワジワと僕の説明に耳を傾けてくれる人が多くなってきたので、最近は業界全体がどうっていうよりかは、ただただ良い音楽というか、面白いストーリーを伝えたい。音楽だけ聴いてほしいんじゃなくてコンサートやTVなどでサイドストーリーを知っていただいて、全体の流れ、ストーリーをみなさんにお届けしたい。映画を見たような感覚になってほしいという想いがあります。

──そういう意味でも『らららクラシック』や『恋するクラシック』は良い番組ですよね。サイドストーリーがすごくわかって。リストとショパンのときもそういう話をしていらっしゃいました。

清塚:けっこう僕の回だけディスり気味な方面をはやらせようとする(笑)。「清塚さんだから言えるんです」って頼ってくれるので。嬉しい反面「気をつけなきゃな」って思っています。「あんまり死人を悪く言うもんじゃない」って(笑)。

──でも、すごく勉強になります。では曲について伺っていきます。「イギリス組曲」は、バッハのごく初期の曲ですね。技巧的にもバッハの曲の中でも難しいと言われている。

清塚:そうですね。そんなに僕は難しいとは思わないんですけどね。「フランス組曲」や「パルティータ」などバッハにはいっぱいありますけど、僕は「イギリス組曲」が一番コンサート的だと思うんです。ドラマティックな展開をするし、一つ一つの曲でキャラクターがものすごくハッキリしている。

──どういうところに重きを置いて演奏されましたか?

清塚:やっぱり、あまりバロック、バロックしないでエモーショナルに弾こうと思ったので、テンポ感もちょっと速めに弾いたりとか。で、遅い曲はもっと遅く弾いたりっていうのを心がけました。僕は特に「ガヴォット」が好きなんです。

──この曲が作られた時代とはピアノ自体が違いますよね。

清塚:ピアノフォルテもないですから、おそらくクラヴィコードかチェンバロを弾いていたんじゃないかな。ただ前奏曲なんかは、弦楽奏とかピアノコンチェルトっぽい作りになっているんですよ。なので弦楽奏っぽいところをオーケストラで弾いたらこれぐらい盛り上がるんじゃないかなという想いで弾いてみました。フォルテとピアニッシモの差をつけて、クレッシェンドも、もうバリバリでやりましたね。バッハやバロックとか抜きで、普通に若者が聴いたときに「バッハとかはよく知らんけど、カッコよくね? これ」みたいに思ってもらえれば。

──バロックで幕を開けて、次はモーツァルト「ピアノソナタ 第14番」。モーツァルトとしては珍しいマイナーキーのピアノソナタですよね(笑)。これを取り上げたというのはすごいなって思いました。僭越な言い方で申し訳ないですが。

清塚:そう言っていただけると嬉しいですよ。「モーツァルトのソナタ1曲だけ入れていいよ」って言われたときに、これを選ぶのは勇気がいると思います(笑)。

──そうでしょう(笑)。

清塚:でも僕は迷いなくこれでした。これ以外はむしろ考えられない。というのは、モーツァルトのソナタの中で唯一、モーツァルトの個人的な想いが入っているような気がするんです。もう一つは、この曲はベートーヴェンとコネクトしていると思ってるんですよ。僕は、この曲をベートーヴェンがどこかでバイブルにしてたんじゃないかなって睨んでるんですよ。

──第2楽章のところが、ベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」ですよね。

清塚:よくぞお気づきで! まさにそうなんです。ベートーヴェンがあれを知らなかったわけがない。ベートーヴェンがおそらく10才くらいのときの曲ですからね。あとこの曲、楽譜を見ていただくとわかるんですけど、フォルテとピアノの指示がおびただしいほどあるんですよ。第2楽章のところは1音ずつフォルテ、ピアノ、フォルテ、ピアノって書いてあるんですよ。それぐらい注文をつけたっていうのは、ようやくこの頃、フォルテピアノが発売されたからなんですよね。で、モーツァルトはその新しい機能がついた楽器をものすごく気に入って、「この機能をふんだんに使ってやる」と思ったんでしょう。で、ハ短調であの2楽章のメロディ。これが「悲愴」に繋がった。「悲愴」もコントラストがハッキリしている曲です。フォルテとピアノをすごく明確に持つ曲で。だから、ベートーヴェンはこの曲を聴いて、ものすごくショックを受けたんじゃないかなと僕は思っているんです。この曲はモーツァルトの真意というか核心に迫る、本当はモーツァルトはこういう曲を作りたかったんじゃないかって、僕が立てている仮説にみなさんがコネクトすると共にモーツァルトとベートーヴェンのコネクトでもあると僕は思っているんですよ。

──なるほど。意外でしたけど、今のお話を聞くと必然だったんだなっていうのがすごく理解できます。

清塚:ありがとうございます。こういった前提をわかった上で、今回は聴いてほしいっていう想いありますね。

──激しいドラマティックな曲なので、これがモーツァルトだとは、普通思わないだろうなって。

清塚:思わないでしょうね。なんかちょっと激しめに書いたハイドンなのか、初期のベートーヴェンみたいな感じに思うかもしれないですね。ただやっぱりモーツァルトってハーモニーが綺麗で、そこがベートーヴェンとは違うなと思いました。どんなに慟哭のような叫びのような魂の震えるような和音をジャーンと鳴らすときも、すごくバランスのとれた和音を使う。そこが天才的な感性を持っていたモーツァルトがベートーヴェンとは違うところです。ベートーベンの“美しさなんか関係ねえ。悲しいんだ。俺は!”みたいな和音をモーツァルトがやっていたら、モーツァルトのときにベートーヴェンより先に時代は変わったかもしれないですね。
■「月光」のメインは第3楽章で、第1楽章と第2楽章は前振りと思っている
■だから、第3楽章への振りを第1楽章で思う存分、もったいぶってやろうと思って

──そしてベートーヴェン「ピアノソナタ 第14番《月光》」です。

清塚:第1楽章は、極端なほどテンポを落として弾いています。遅すぎるということで騒ぎを起こしたくて(笑)。この第1楽章は、EQかエフェクトを掛けた響きというか、本当はシンセとかで弾きたいぐらいなんです。骨組みだけの曲なので、余白を埋めて響きもいじくってシンセとかでやりたいなと思ったりもします。でも、そこまですると壊れちゃうんで、やりませんが。要は弾いていて退屈なんですよ(笑)。

──(笑)そうなんですか?

清塚:はい。だから、なんかやりたいなという想いが出るんでしょうね。コンサートではものすごく速く弾くかもしれないし。

──でも、だからこそ、第3楽章で怒涛のような速弾きが来るっていう。この振り幅の大きさがすごく響きます。

清塚:「月光」って、ちょっと交響詩みたいなところがあるんですよね。だから、メインは第3楽章で、第1楽章と第2楽章は前振りと思っているので。ベートーヴェンって、もったいぶるの大好きだから(笑)。「まだ行かないの」「まだやるの?」っていうのばっかりだから。第3楽章への振りを第1楽章で思う存分、もったいぶってやろうって。

──面白いですね、そういう考え方。

清塚:僕、「月光」のソナタって、ベートーヴェンにとって、「悲愴」や「熱情」みたいに練り込んだ作品ではなく、わりとパパッと書いちゃったんじゃないかと思っているんですよ。非常にピニスティックというか、コンサート向きというか、実践できるように書かれている曲。そんなに難しくなくて単純だし。ベートーヴェンなんか、第1楽章なんか即興でも作れると思うから。僕はチャラい曲だと思ってるんですよ。

──チャラい曲?

清塚:はい。「悲愴」や「テンペスト」のような強い意志がここにあるわけではないと思っていて、だから、人気曲で目立ってはいるけれど、三大ソナタと言われていても、「月光」はすごく浮わついた曲と感じるんです。結局、ある貴族に捧げようとしていたのが違う貴族に捧げなきゃいけなくなっちゃったから、じゃあ、これにしようって作った曲だから。そんなに重い動機があって作ったわけじゃないんですよね。ただ、しばしば音楽家、作曲家っていうのはそれぐらい力が抜けているときのほうが良い曲を作るんですよね。オペラの間奏曲やショパンの遺作の「ノクターン」、ドビュッシーの「夢」とか、あんまり出版してほしくないんだけど、っていうような気楽に書いた曲のほうが名曲として語り継がれる傾向はあるんですよね。

──なるほど。

清塚:だからポップスとかシンガーソングライターさんもよく言うように、ミリオンヒットした曲は「もう自宅で10分ぐらいで作った」とか、そういう話が多いですよね。だから、意外と難しいことをやっていて、その休憩がてらにウォーミングアップでパッと書いた曲がめちゃめちゃ売れたなんていいうことも多いらしいんですよ。
──そういう考えもあって「悲愴」や「熱情」を選ばずに「月光」を選ばれているっていう。

清塚:そうですね。ホントは「悲愴」の方が人気曲なので良かったのかもしれないですけど。ただ「悲愴」は2018年度のツアーで弾いたんですよ。だから、このアルバムに入れると、2019年も弾かなきゃいけなくなっちゃう(笑)。お客さんが入んなきゃイヤだなって。そういうチャラい理由もあっての「月光」です(笑)。

──アルバムとしてはこれで一区切りで、あとはボーナストラックという扱いになるんですよね。その一つが「Etude No.1 “Dessin”」。

清塚:いま東京都美術館で『ムンク展』をやっているんですが、そのテーマ曲に選んでもらって、「Dessin」っていう名前をつけました。これはアマチュアの大人の方でもピアノを演奏なさる方が多いので、そういう方に向けた現代人のためのエチュードがそろそろ必要かなと思って作りました。やっぱり練習って苦痛だし、つまらないとやめちゃうので、やっぱりレパートリーにしたいと思うような綺麗な曲、特に日本人に合うようなハーモニーとメロディを作りたかったんです。ショパンなどの練習曲は難しすぎて、あまり現代に合ってないなと思ったから。ゆくゆくは24曲ぐらい作りたいんですけど。曲集にして楽譜とかも作りたいなって。

──で、『シラノ・ド・ベルジュラック』~愛のテーマは楽士役で舞台でもやっていらっしゃる。

清塚:そうですね。舞台でもやらせていただいたんですけど、その時のテーマ曲というか代表曲として作らせてもらったテーマを忘れないうちに録音しておこうと思って(笑)。

──シラノがロクサーヌに愛を告げるときの曲ですね。

清塚:ロクサーヌが絡むときに、いろんな形にして演奏されます。シラノがロクサーヌを思うときに流れる曲ということで作ったんです。『シラノ・ド・ベルジュラック』の名シーンっていうのがありまして、それがバルコニーのシーンでそこでいちばん派手に出てくる曲として作ったんですけど。すごく吉田鋼太郎さんのシラノが素敵だった。

──ホントにロマンティックで惚れ惚れしますよ。

清塚:ありがとうございます。『シラノ・ド・ベルジュラック』はちょうどロマン派の時代の話なんです。なのでちょっとロマンティックに作らせてもらいました。この曲は舞台でも生演奏で僕が弾いていました。なかなかチャレンジングな舞台です。僕が舞台上で弾いているとき、たまには本当にその場にいる人として演奏するし、ときには黒子としてロクサーヌとシラノしかいない部屋の片隅でなぜか弾いてる。難しい設定ではあったんですが、うまく立ち回れたかなと思います。

──清塚さんにしかできないですね。そんな役。

清塚:セリフに合わせて終わらせるの難しかったですよ。

──最後は「春よ、来い」。盛り上げますね。

清塚:これはアレンジを羽生選手と一緒に作り上げていって、今季のエキシビジョンにも選んでいただいたので、そういう意味でも彼がいなかったら生まれなかったアレンジですね。

──最後に、2019年に開催される<清塚信也コンサートツアー 2019 connect>はどんなツアーに?

清塚:前半クラシック、後半オリジナリティーっていう感じの作りにしようと思っているんですけど、クラシックは今回のアルバムの三人の曲でほぼいっぱいでしょうから、あと後半はボーナストラック以外に何しようかなと今考えているところで。それも「あれもやりたい。これもやりたい」ってアイディアがいろいろあって。

──今のところソロピアノのリサイタルになるんですか?

清塚:完全にソロです。無添加のコンサートです。全く演出もなしで身一つで。

──北海道で3日連続で3公演あるんですね。

清塚:そうなんですよ。けっこうキツいんですけど、必要だと思うんですよね。先日も北海道に行ってきたんですけど、日本ってホントに広いなと思うし、地方にも立派なホールがあったり、音楽に思い入れの深い人々がいるんですが、地元の人は簡単に大都市に出てこられないんですよ。その代表が北海道だと思ってるんです。札幌だけでやって「北海道行ってきました」というのは、ちょっとかわいそうだなって。あまりにも広いですからね。だから、隅々まで行きたい。僕のいちばんの強みは大所帯じゃないっていうこと。移動が非常に身軽。楽器もないし、楽譜すら持っていかないので。そういう意味では会館とピアノさえあればやれるよっていうのが僕のモットーだから。そういう意味ではいろんなところ隅々まで行きたいなっていう想いがあるんです。

──じゃあ、みなさん期待して。

清塚:そうですね。今回のアルバムは、バッハやモーツァルト、ベートーヴェンへのストーリー仕立てっていうところが大きくて重要なところなので、それを合わせてこのアルバムも聴いていただきたいと思っています。

取材・文●森本智

リリース情報

『connect』
2018.12.12 ON SALE
CD: UCCY-1092 \ 3,240 (tax in)
e-album, MfiT, ハイレゾ配信も同時発売
〈収録曲〉
J.S.バッハ:イギリス組曲 第3番 ト短調 BWV.808
1. 前奏曲
2. アルマンド
3. クーラント
4. サラバンド(同じサラバンド装飾法)
5. ガヴォットI(交互に)―ガヴォットII(またはミュゼット)
6. ジーグ
モーツァルト:ピアノソナタ 第14番 ハ短調 K.457
7. 第1楽章
8. 第2楽章
9. 第3楽章
ベートーヴェン:ピアノソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27の2 《月光》
10. 第1楽章
11. 第2楽章
12. 第3楽章
Bonus Tracks
13. Etude No.1 “Dessin”
14. 『シラノ・ド・ベルジュラック』~愛のテーマ
15. 春よ、来い

ライブ・イベント情報

<清塚信也コンサートツアー 2019 connect>
1月26日(土) 名古屋 愛知県芸術劇場コンサートホール
2月1日(金) 福岡 福岡シンフォニーホール(アクロス福岡)
3月15日(金) 香川 レクザムホール(香川県県民ホール)
3月16日(土) 大阪 ザ・シンフォニーホール
3月29日(金) 新潟 長岡リリックホール・コンサートホール
3月31日(日) 富山 富山県教育文化会館
4月13日(土) 仙台 日立システムズホール仙台コンサートホール
4月14日(日) 東京 サントリーホール
4月17日(水) 北海道 幕別町百年記念ホール
4月18日(木) 北海道 旭川市大雪クリスタルホール
4月19日(金) 北海道 札幌コンサートホールKitara小ホール 2公演
4月21日(日)神奈川 関内ホール 大ホール

関連リンク

BARKS

BARKSは2001年から15年以上にわたり旬の音楽情報を届けてきた日本最大級の音楽情報サイトです。

新着