【ライヴレポ】超特急、アリーナツア
ー『GOLDEN EPOCH』開幕!黄金時代へ
の切符を手に突き進む!!

11月に最新アルバム『GOLDEN EPOCH』を発表し、オリコンウィークリーチャートで2位を獲得した6人組ダンス&ボーカルグループの超特急が、12月7日、さいたまスーパーアリーナにて年末アリーナツアー『GOLDEN EPOCH』の初日公演を開催した。未だかつてなくクールで大人な表情を押し出したアルバムを掲げての今ツアーは、全公演のチケットが即日完売。“時代を超えよう”をキーワードに、総合演出を5号車のユーキが務めるなど、各メンバーがそれぞれ制作に関わるという気合の入りようだ。中でも2万3千人が集まったさいたまスーパーアリーナ公演は、超特急史上最大キャパシティのワンマンであり、2018年を通じて目標としてきた会場ということで、アッと驚くスケールの大きな舞台装置とステージングを展開。終演後には、全33公演で10万人を動員する超特急史上最大規模の春夏ホールツアーと、1月期のテレビドラマでエンディングテーマを担当することも発表して、超特急の新たなる“GOLDEN EPOCH=黄金時代”の幕開けの一歩を踏み出してみせた。
まずはリーダーのリョウガが、開演前の諸注意アナウンスの最後に「黄金時代、始まるぞ」と告げたところで、お馴染みの発車ベルが。しかし、すぐに普段とは全くムードの違う荘厳なSEが場内の緊張感をMAXまで高めると、なんと天井から巨大クレーンが斜めに降下して、アリーナ席ど真ん中のセンターステージへと繋がるスロープにトランスフォーム!そして、ステージ檀上に噴き出したスモークの中から6人が姿を現し、「No.1」でライヴの火蓋を切って落とすや、客席に瞬く無数のペンライトがステージバックの電飾と同化して、会場全体をカラフルな銀河に変えてしまう。そんな景色と宇宙船の内部のような近未来的舞台セットを背に、まさしく黄金に輝くミリタリー風ジャケットに見を包んだ6人が堂々とスロープを下りてくる姿は、度肝を抜かれるほどにゴージャスなもの。その衝撃的なオープニングに、ペンライトを振りたくる8号車(ファンの呼称)の興奮は頭から最高潮だ。
「遂に来た、このとき!さいたまスーパーアリーナ、今日は最高に楽しんでいこうぜ!」というユーキの号令から、「Drive on week」では360度を8号車に囲まれたセンターステージの特性を活かし、目まぐるしく正面の向きを変える全力パフォーマンスで全方位の8号車を沸騰。「Believe×Believe」でも円形のフォーメーションを取り、「お楽しみはこれからだ!」とリョウガが締め括ると、今度は「踊って、叫んで、行くよ!」というユースケの言葉通り、ひとりずつトロッコでアリーナ客席へと乗り込んでいく。お祭りナンバーの「BREAK OFF」でアリーナを最後方までぐるりと一周し、トロッコがすれ違う際にはメンバー間でハイタッチを交わしながら「まだまだ声出せますか?」(カイ)と、8号車と大きなコール&レスポンスを展開。そうして8号車との一体感を極限まで高めたところで、アルバム収録曲「PUMP ME UP」を初披露するが、これがまた度肝を抜かれるものだった。激しく瞬くミラーボールの下、オリエンタルな要素も取り入れたほんのりダサいサウンドに乗せ、無表情でパラパラ風のダンスを踊ったり、拳を突き出したり、手を繋いで輪になって踊る様は、恐ろしくシュール。そんなエキセントリックな楽曲のセンターを、ツンデレキャラのタクヤが務めるというミスマッチも秀逸で、超特急が追求し続けてきた“ダサカッコいい”本領を刻みつけてみせる。
さらにアルバムの新曲が続き、客席はイントロが鳴るたびに喜びの悲鳴でいっぱいに。メインダンサー5人が順にラップを繰り出し、ユーキが軽やかなアクロバット技で魅せる「Booster」が120%のカッコよさで場を圧倒すると、MCでは珍しくタクヤも爆発。「今日1日しかないんですよ、このさいたまスーパーアリーナ。楽しむのはいつですか?そう、今ですよ。俺に負けずに声出せ!」という絶叫から、ステージ上に設置された可動式LEDパネルを駆使した幻想的なゾーンへと8号車を誘う。まずは、タカシがデザインしたツアーロゴ映像をバックに、タイ語で“声をあげろ”を意味する「コーシエンノイ」を切れ味鋭いダンスで届け、続く「Time Wave」ではLEDパネルが6分割してステージを左右に移動。パネル上で踊る6人の映像と、パネルの合間から順に現れるリアルなメンバーが次元を超えてコラボレーションして、まるでパネルから出たり入ったりするかのような驚異的情景に、完全に脳と視覚が混乱してしまう。加えて、パネル上のメンバーがイメージカラーの衣装にチェンジすると、なんと、本物のメンバーも同じ衣装に早変わり!それぞれにソロダンスを踊って、リアルならではの“ライヴ”な躍動感で観る者の心を奪う。そして、様々な演出を凝らして超特急の歴史を辿るメドレーの最後には、黒のジャケットを羽織って、アルバムのリード曲「need you」で超特急の“今”を提示。MUSIC VIDEO公開時にも話題を呼んだ薔薇を用いたドラマティックなダンスは、ユーキが振り付けたもので、12月25日に迎える結成7周年を前に、過去楽曲の振りつけを組み込んだ場面も。メンバー自身のグループに対する熱い想いを、その声と体すべてで伝えて、大きな拍手を呼んだ。
MCでも7年の思い出を振り返り、「今日も何年か経ったときに良い思い出になるようにしたいよね」とカイが締めると、リョウガは「8号車のみなさんの心に沁みるような曲を披露したいと思います」と語って、ペンライトを消すようにアナウンス。真っ暗になった場内に壮大で光溢れるイメージ映像が流れ、ステージにせり上がった6人が花道を進んで初披露したのは、8月に発売されたシングルの収録曲「Fashion」だ。アンビエントなサウンドとタカシの甘いファルセットに、コンテンポラリーダンスを思わせる軽やかで感情豊かな振り付けは、タクヤのプロデュースによるルーズな白のオーバーシャツを柔らかくはためかせ、まるで上質の短編映画を観ているような心地にさせる。これまでの超特急には無かった感傷的な幻想感は、彼らの新たな武器となる予感が満々。この大舞台まで温存し、時間をかけて大事に創り上げてきたのも納得だ。さらに、切なさの中にも生命力を醸し出した「FLASHBACK」を挟み、メインステージに当たったスポットライトの中でピアノの前に座るのは、なんとリョウガ!驚きの声を浴びながら鍵盤を奏で始めると、その傍らに現れたタカシはリョウガのピアノ演奏をバックに、珠玉のロストラブソング「霖雨」を朗々と歌い上げていく。そこにカイ、ユースケ、ユーキ、タクヤが順に登場し、歌詞に書かれた抑えきれない感情をソロダンスで体現するにつれ、タカシの歌声も一層エモーショナルなものに。それぞれの特技を活かした驚きの演出は、アルバム収録曲の中でもメンバー、8号車双方から人気の高いバラードのお披露目にふさわしく、客席からは満場の喝采が贈られた。
後半戦では再びペンライトの光が場内を満たし、「a kind of love」からはライヴ鉄板曲を並べたラストスパートに突入。「まだまだ騒ぎ足りないんじゃないの?この日限りのこの時間、最高に楽しんでいくぞ!」(ユーキ)と投下された「Burn!」では、6人が自由にステージを駆け回り、メンバー全員でサビを合唱する。そして熱狂を極めた最後に、「時代を超えて――僕たちと一緒に、新しい時代を築き上げましょう」というタカシの言葉から贈られたのは、今ツアーのテーマ曲である「Time of GOLD」。野性的で力強いダンスビートに乗るクラップは、新しい時代の到来を祝福するかのようでもあり、メンバーも肩を組んだり振りをシンクロさせたりと、希望に満ちた未来への胸の高鳴りを全身で表していく。大サビではタカシのフェイクも冴え渡り、極めつけに特殊効果の火薬80発が、ステージ上を右へ左へと打ち上がって、場内は大歓声の嵐に。グループ史上最大規模となるワンマンかつ、1年越しとなる夢のステージを、かつてないほど華々しいフィナーレで締め括った。
アンコールでは星空の中の青空をバックに、アルバムのラストを飾る「You know, I know」を、メンバー同士で和気藹々とハシャぎながら爽やかに初披露。加えて、椅子を使ったダイナミックなパフォーマンスが見どころの「Party Maker」で花道へ飛び出せば、キャノン砲から銀テープが舞い上がる。最後に「走れ!!!!超特急」で真正面から表明した未来への決意は、それぞれの口から言葉としても語られ、タカシは「黄金時代に突き進んでいくということで、いろんなことに挑戦して、いろんな超特急を見せていきたい」と頼もしく宣言。カイも「超特急という列車が日本全国、世界各地に知られる最高の列車になれるように進んでいきたい」と語ってくれた。
そんな想いの丈を表すべく、ダブルアンコールではステージにポップアップで飛び出し、戦隊風の口上から「超特急です!!!!!!!!」を、これまた待望のライヴ初披露。1年前、自らの夢を詰め込んでこの曲を作詞・曲したユースケは、「やっと、やっとだよ!」と叫び、メンバー全員ブチ切れたテンションでステージを暴れ回って、「ダンスというよりマラソン」というカイの言葉を納得させる。しかし、その全力投球ぶりが愛おしく、最後の挨拶で「この歌詞の有言実行を果たすためにも、目に見えぬ勢いで走っていきたいと思います。 付いて来てくれる人!」と問うリョウガに、手を挙げたくなってしまうのだから不思議だ。
さらにユースケがプロデュースしたエンドロール映像のラストでは、1月11日にスタートするテレビ東京 ドラマ24『フルーツ宅配便』のエンディングテーマ「ソレイユ」を担当すること。そして、4月から全国33公演で10万人を動員するグループ史上最大規模のホールツアーを開催することが発表。予想を超える嬉しい知らせに、8号車から歓喜の悲鳴が上がった。新たな時代が訪れる年に、更なる飛躍を約束した6人だが、結成7周年の当日となる12月25日には大阪・ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでスペシャルライヴ、翌26・27日には大阪城ホールでツアー『GOLDEN EPOCH』の最終公演を開催と、年明け前の予定も目白押しである。公演前の囲み会見で「2018年を漢字一字で例えるなら?」と問われた際、リョウガは“化”の字を挙げて「速度を上げて黄金時代へ突入するということと、良い意味で他のアーティストの方々に被らないような“化”け方をしたいという、その皮切りの1年だったので」と回答した。誰も知らない超特急だけの未来を、どんな形で築いてくれるのか?2018年も2019年も、この6人から目が離せない。
<メンバー挨拶>
タカシ
「さいたまスーパーアリーナというすごく素敵な大きなステージに立ってライヴができたことがすごく嬉しかったです。8号車のみなさんと僕たちと、共に良い思い出になって、この思い出だけじゃなくて新たな時代に繋がる1日になったらいいなと思いました。来年になると超特急は黄金時代に突き進んで行くということで、いろいろなことに挑戦して、いろいろな超特急を見せていきたいと思います。ボーカリストとしても、頑張っていきたいと思っていますので、これからもご乗車よろしくお願い致します」
ユースケ
「本当に今日、めっちゃ楽しかったな〜。これまですごいいろいろな準備とかしてきて、本番前までギリギリまでやっていたけど、いざステージに立つと8号車の笑顔が、もう…ビックリ、ビックリ、ビックリマン。ペンライトがビックリマークっぽい!本当にそれくらい、さいたまスーパーアリーナ公演は楽しくて、もっともっと8号車のみなさんといろいろな景色を見ていきたいと思った一瞬でした。本当に楽しかった、ありがとう!!」
ユーキ
「『GOLDEN EPOCH』=新時代ということで、今回、自分も“時代”にテーマを置いていろいろ考えてきました。みんなが、今日のライヴを観て素直に楽しかったら、僕たちも嬉しいですし、このライヴを観て、僕たち超特急の新たな可能性、2019年に繋がる新たな一歩になったらすごく嬉しいです」
タクヤ
「さいたまスーパーアリーナに来て頂いて、改めてありがとうございます!1、2ヶ月くらい前からリハーサルを始めて、どんどん迫ってくるなと日を追うごとに思っていたんですけど、あっという間に7日になってしまって。登場の裏で、今までで一番緊張しまして。超特急史上最大規模ということもありますし、ここブルーノ・マーズさんが立っているところですからね。比にもならないですけど、今日だけそういう気分にさせてくれたのは、今日、来て頂いている8号車のみなさんのおかげだと思っています。2019年に繋がる素晴らしいライヴができたんじゃないかなと胸張って言えます。『GOLDEN EPOCH』、超特急の黄金時代に向かって、更にみんなで突き進んで行きましょう!」
カイ
「今日はめちゃめちゃ楽しかったです。さいたまスーパーアリーナでの『GOLDEN EPOCH』公演は、みなさん全員の気持ちがなかったら、できなかった公演だなと思います。もちろん、ここに来れなかった方の気持ちも背負って僕たちは歌って踊らせていただいたわけですけど、本当に楽しかった!やっぱり、近くに行ってみなさんの顔を見る度に思うんですけど、みなさんの気持ちがあってここに来てくれて、それがすごい嬉しいなと思いますし、もっと大きな場所に連れて行きたいなという気持ちもあります。一緒にいい景色も見たいですし。まだ行けていないところにもどんどん広がって、超特急という列車が日本全国、世界各地に広がる最高の列車になれるように、僕たちメンバー、スタッフ、そして8号車のみなさんで一緒に進んで行きましょう!」
リョウガ
「まさか、2018年の夢であるさいたまスーパーアリーナに立つことができるだなんて今でも夢のようですし、何よりたくさんの8号車の方々と1年を締め括る、来年が楽しみになる希望が与えられたらいいなというこれくらいの日に、みなさんとライヴができて本当に嬉しいと思っています。来年も夢ができるわけであって、その夢が今乗車してくださっている方々や、まだ超特急を知らないという方も8号車として、超特急の一員としてこれからの長い道のりを明るい未来に向かって走って行きたいなと思っております。今日のこのライヴが、超特急にとって黄金時代を感じられるような、“もっと一緒にいよう”“超特急に出会って良かったな”って思えるような1日になれたらと思っています」
写真/米山三郎、深野照美、冨田望、山下陽子 文/清水素子
【ライヴ情報】
『BULLET TRAIN SPRING/SUMMER TOUR 2019 EUPHORIA 〜Breakthrough, The Six Brave Stars〜』
ツアー詳細は特設サイトをチェック>http://bullettrain.jp/euphoria/
【作品情報】
ドラマ24『フルーツ宅急便』(テレビ東京)
エンディングテーマ「ソレイユ」
2019年1月11日(金)深夜0:12スタート

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