元ちとせ ビルボードライブ東京公演
で中孝介、城南海とシマ唄披露

奄美大島の“シマ唄”を集めたミニアルバム『元唄(はじめうた)~元ちとせ 奄美シマ唄集~』を11月14日にリリースした元ちとせが、11月21日にビルボードライブ東京にて『元ちとせBillboard Live "歌会元(うたかいはじめ)"』を開催した。
三味線を片手にステージに登場した元は、まず奄美の宴の席では必ず1曲目に唄われるという「朝花節」を弾き語りで披露。「気合は入っておりますが、別に呪いをかけたりはしないので(笑)リラックスして私たちのお届けする音楽を楽しんでいただければと思います」とジョークを交えつつ、再び最新アルバムから「くるだんど節」に続き、ゆるやかにこの日の公演の口火を切って見せた。

元ちとせ 撮影=内田遊帆
ハンドマイクに持ち替え、続いては自身の楽曲「カッシーニ」「名前のない鳥」、そして「心神雷火」へ。元は、時に優しく、時に張り裂けそうな感情をさらけ出しながら、一つ一つの物語を丁寧に紡ぎ出していく。この日のバックバンドは、ギター、キーボード、パーカッションという小編成だったが、シンプルが故により生々しくより情緒的に、元の歌声を際立たせていた。

中島みゆきのカバー「時代」で幕を開けた後半戦では、自身最大のヒット曲である「ワダツミの木」、奄美方言の歌詞も入った「この街」、さらに「千の夜と千の昼」を情感たっぷりに歌い上げる。その沸き立つエネルギーのすべてを出し切らんとする姿に、観客は皆食いるようにステージを見つめていた。
本編ラストに披露されたのは、元自身のエピソードから生まれた楽曲「ひかる・かいがら」。優しくて、寂しくて、でも心の底から温かな気持ちになる――そんな一曲に、会場は穏やかな空気に包まれた。曲の終盤、元が天を仰ぐような仕草を見せたのがとても印象的だった。

元ちとせ 撮影=内田遊帆
アンコールは、プライベートでも親交の深い奄美大島の二人の後輩・中 孝介と城 南海がサプライズゲストとして登場。城 南海を「私の妹!」と紹介し、『元唄(はじめうた)~元ちとせ 奄美シマ唄集~』でも4曲コラボレーションした中孝介とは阿吽の呼吸でのトークをはさみ、まるで家族のように和気あいあいとしたムードに。まずは、奄美大島のソウルたっぷりにキャロル・キングのカバー「You’ ve Got A Friend」を披露した。そして、フィナーレ「豊年節」は、再び元が三味線を弾き、総勢7人で大団円。1時間超に渡る公演に幕を閉じた。

中 孝介、元ちとせ、城 南海 撮影=内田遊帆

自身の楽曲やカバー、さらにシマ唄と、あらゆる歌を旅して回った本公演。最後のMCで「もっともっといい歌を届けられるよう頑張りますので、よろしくお願いします」と語っていたが、きっとこの旅はまだまだ続いていくのだろう。

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