dps、コナンテーマ曲『タイムライン』でメジャーデビュー!!!!

dps、コナンテーマ曲『タイムライン』でメジャーデビュー!!!!

dps、コナンテーマ曲『タイムライン
』でメジャーデビュー!!!!

「この人は絶対に味方につけておくべきだ」と思って声をかけました。

──まずは、このメンバーが集まったきっかけから教えてください。
木村涼介(以下、木村):きっかけは、僕がスタジオで森丘さんと出会ったこと。
その日、僕はMETALLICAのTシャツを着ていたところ、廊下ですれ違った森丘さんがそのTシャツに反応を示し、声をかけてくれました。ただ、僕はMETALLICAのこともメタルのことも当時はあまり知らずに(デザインが気に入り)Tシャツを着ていただけだったんですよね(笑)。
森丘直樹(以下、森丘):僕はヘヴィメタルが好きなんですけど、同じ所属事務所にメタル好きな若手のコいたっけ??と思い、つい声をかけた次第でした。
木村:僕は森丘さんの存在は知ってましたよ。
よくスタジオから漏れ聞こえる音を耳にしては、その卓越した演奏に興味を惹かれていましたからね。その日、森丘さんがギターインスト演奏のリハーサルをしてるということだったので、その出会いをご縁に、スタジオ練習を覗かせてもらったんですよ。そのときに目の前で観た演奏に衝撃を受け、「この人は絶対に味方につけておくべきだ」と思って「一緒に何かやりませんか?」と声をかけました。
その話を森丘さんが真剣に受け止め、今のメンバーに声をかけてくれ、それで一度スタジオに入って音を合わせたことが、結成に至るきっかけでした。
森丘:この2人(安井&川村)とは、d-project with ZARDのレコーディングの時に交流して以来、「機会があったら何か一緒に演りたいね」と話していた関係。そこからこのメンバーで集まり、一度スタジオに入ったわけなんです。

──で、実際に合わせてみたら…。
木村:僕自身、本格的なバンドサウンドをしたがえ歌うのが初めてだったという理由も加わりつつ、とても楽しかったです。
安井剛志(以下、安井):「まずは木村くんの歌声の感触をつかもう」ということから、最初にいろんなアーティストたちのカバー演奏をしては、「彼の歌声はどういうスタイルの音楽に似合うのか」を探すことから始まり、徐々にその方向性を見定めてゆくことから、このバンドは始まったよね。
木村: そうなんです。僕の声質に合う音楽性を見定めてゆくのはもちろん、各メンバーの個性も際立たせたい意識もあって、そちらでの方向性を探ることも行っていました。とくに森丘さんはギターリフにこだわりを持っているように、そこを活かせる音楽性も追求しながら…。
川村篤史(以下、川村) :ある程度の方向性が見えてきた頃から、本格的にオリジナル楽曲の制作へ入りました。
デビューシングル「タイムライン」フルMV
──みなさんの中に共通する音楽性もあったのでしょうか?
川村:演奏陣に関しては、みんなロック好きというのは共通していること。
木村:僕は、それまであまりロックは通ってきていなかったのですが、dpsとして活動を始めてから本格的にロックの洗礼を受けました。

──3人の演奏の迫力がすごいというか、重量感のある音をぶつけてきますよね。演奏に負けないように歌うのも、最初はかなり大変じゃなかった?
木村:後ろから聞こえてくる音がとにかく恰好いいんですよ。
とくにドラムの音って、生で聞くと迫力がぜんぜん違うんですね。あの音に刺激を受けたら自然とテンションは上がります。確かに、負けないように声を出していた時期もありましたね(笑)。

ロックの持つ格好良さを伝えてゆくことが、dpsらしさ
──dpsが動き出したのは、いつ頃からになるのですか。
木村:初めてこのメンバーで集まってスタジオに入ったのが、2017年1月でした。ただ、そこから頻繁にではなく、最初のうちは、各自の活動の合間を見てスタジオに入るような形を取っていました。
そうは言っても、4月には初ライブを決めたように、早い時期からライブ活動を始めていました。

──その頃に演奏したのは…。
木村: 最初はカバー曲のみでした。4月5月と立て続けにライブを行い、そこで改めてバンドの方向性を見定める準備期間を取り、初のオリジナル曲『一発逆転』を制作。
昨年10月からオリジナル曲のみで本格的なライブ活動を始めるようになれば、関西限定の発売でしたが、インディーズ盤として3枚の作品もコンスタントにリリースしてきました。

──このメンバー、役割分担がはっきりしていますよね。
木村:いつしか、そうなりましたね。最初は、作曲をこの2人(森丘&川村)が、作詞をこの2人(木村&安井)でやっていたんですけど。
作詞をするたびに安井さんのセンスに磨きがかかってきたことから、僕は歌に専念しようという形を取りました。今後もまた変化する可能性はありますけどね。
川村:作曲も、そう。最初の頃は互いに曲を作ってたけど、僕の制作したラフな音源を彼(森丘)が緻密に構築してゆくアレンジを手がけてくれるようになる中、気づいたら作曲(川村)と編曲(森丘)という分担ができてた形でした。

──安井さん、これまで作詞の経験は。
安井:ぜんぜんやったことがなくて。最初は「作詞をやってみたら」と言われたことで挑戦した形だったんですけど。
書いた詞が次々採用されてゆく中、「もっともっと頑張ろう」とやっていたら、何時しか作詞担当になっていた形でした。

──今の4人が感じているdpsらしさ、それも教えていただけますか。
川村:ロックの持つ格好良さを伝えてゆくこと。演奏面でも引きつけつつ、メロディアスな歌でも人の心を捉えてゆく。
間奏では暴れる表情を描きながらも、サビがちゃんと生きている音楽。加えて彼(森丘)が得意とするリフ系のギターサウンドとリズム隊の作り上げるヘヴィなサウンドもしっかり活かそうという面も、今のdpsの魅力なのかなとは思っています。

──ギターは、けっこうリフを弾いていますよね。ときには、歌っている裏でもリフを刻んでいますからね。
森丘:ギターをガツンと弾くのが自分のスタイル。ただ、dpsのメインはあくまでも歌のように、そこを消してしまうような演奏をしては元も子もないので、「これ以上弾いたら演り過ぎだな」というところを上手く見極めながら演奏をしています。
木村:最初のアレンジの時点では、裏でもガンガンにギターの音が流れてたと思ったら、制作途中で消えてるなんてこともありますからね(笑)。
そこのバランスを上手く取っていただいてるぶん、だから歌ってても気持ちいいんだと思います。

スマホよりもまわりのことを見てくれよ

──dpsは、「名探偵コナン」のオープニングテーマ『タイムライン』を11月7日に発売し、メジャーデビューを飾ります。確か、初めてインディーズ盤を出したのが…。
木村:昨年の11月。なので、1年間インディーズとしての活動を重ねたうえでのデビューになりました。
1年間の中で3枚の作品を形にしてきたように、dpsらしさを確立させてゆく大事な期間になったのは間違いないです。
──メジャーデビュー曲の『タイムライン』は、「名探偵コナン」のテーマ曲。楽曲を制作するときも、そこはいろいろと意識していました?。
川村:意識はしましたね。
以前から、そのチャンスをいただいては挑戦してきた中、今回それを手に出来たわけですが…。
「名探偵コナン」のテーマ曲用にという狙いを持って制作した楽曲は5-6曲はあります。その中から選んだのが『タイムライン』なんです。

──作った楽曲には、いろんなタイプが…。
川村:ありましたね。明るい表情や爽やかな曲、明るいけどローリングストーンズ系のノリを持った楽曲などいろいろあった中、スリリングにせまりゆく表情が「名探偵コナン」の世界観にリンクしたことから『タイムライン』が選ばれました。
森丘:その中の候補曲として作っていた1曲が、3rdEPとしてインディーズで発売した『オレンジみたいな昼下がり』なんですよ。

──作詞も、「名探偵コナン」の世界に寄せていますよね。
安井:最初に書いた時点では、そこまで「名探偵コナン」の世界観を意識していなかったんですけど…。
せっかくのタイアップじゃないですか。なので、「名探偵コナン」が好きな人たちが聞いても世界観に溶け込めつつ、その中へ、もともと自分が伝えたかったことも書き記してあります。

──そこ、とても気になります。
安井:最初にこの曲を書いたときに言いたかったのが、今のSNS社会。とくに、歩きスマホについて。

──それは、どういう理由から?
安井:とある人通りの多い駅を歩いてるときに、歩きスマホしている人にぶつかられました。
そのときに思ったんですよ、「スマホよりもまわりのことを見てくれよ」「スマホじゃなく、歩いてきた俺のことを見てくれよ」と。
それを歌詞へ落とし込もうということから、最初に「タイムライン」という言葉を思い浮かべました。
じつはタイムラインという言葉は、時がずれているコナン君とも共通すること。『タイムライン』では、そこをリンクさせる形で作詞をしました。

──中に、「いくらリューズ(竜頭)を回したところで今の君と会えなくて」という言葉が記されています。今の子たち、竜頭と言ってもわからない人多いんじゃないですか?
木村:僕も歌詞をもらったとき、リューズの意味がわからなくて調べました。ちなみに僕の時計は竜頭のついてないタイプです(笑)。

──SNSは、今や音楽活動に於いては大切な発信や交流の場。みなさんにも身近なものですよね。
木村:そう、上手く使えば便利なものなんですけど。僕も、よく夜中にtwitterやInstagramを見始めて何時間も経ってたなんてこともあります(笑)。

──木村さん自身、どんな想いを胸に『タイムライン』を歌いました?
木村: 安井:さんの書いた歌詞と、その体験談を聞いて、安井さんのぶつけられた人に対する怒りを感じたので(笑)、「そこは、歌ってる身として代弁しなきゃ」と思いながら歌ってました。
僕が好きな歌詞が、「君との距離はこんなに近いのに時間が僕とすれ違ってる」の部分。そこは、コナン君や蘭ちゃんの姿ともリンクしてくれば、そこの歌詞に綴った切なさが僕好みだったことから、とくに感情を込めて歌いました。

励まし、明日へ引っ張ってゆく
──C/Wには、より挑戦的な表情の強い『さよなら愛しい日々よ』を収録しました。
森丘:『さよなら愛しい日々よ』には、とくに攻撃的なギターリフや速弾きを詰め込んだように、より自分の本質を出せた楽曲になりました。
安井:歌詞のテーマは失恋なんですけど。楽曲全体的にも、そう。サビの前後も熱い感じがあったことから、歌詞でも切なさから一気に視界が開ける感じを書き記しました。
歌詞を通しても情景が変わってゆくように、そこを聞いて感じていただけたらなと思います。
木村:『さよなら愛しい日々よ』は、最初からめっちゃテンションをアゲアゲで攻めるように、dpsの中でもとくにテンションをアゲてゆく楽曲。レコーディングのときもノリノリな勢いのままに歌いました。
ライブで初披露したときも、初めてお客さんたちが聞いたにも関わらず、メンバーもお客さんもガンガンにテンションがアガっていってたように、僕の中で『さよなら愛しい日々よ』は、とにかくテンションを上げてくれる楽曲という印象です。
──歌詞は切ないのにね。
木村:歌詞の後半には、“失恋を振り切れよ”と落ち込んでる人たちを励まし、明日へ引っ張ってゆく内容へ変わっていくように、そういう感情の変化も歌声に投影していれば、そこも聞いて欲しいところです。

大好物の納豆巻きさえ口に入りませんでした(笑)
──森丘さん、マーティ・フリードマンさんとギターセッションした「名探偵コナン」のテーマ曲のアレンジバージョンをYouTubeに載せていますよね。
森丘:そうなんです。もともとは、僕が「名探偵コナン」のテーマ曲をテクニカルギターバージョンにアレンジし、それをYouTubeにアップしようというところから話はスタート。
その作業を進めてゆく中、スタッフの方から「マーティ・フリードマンさんと一緒に「名探偵コナン」のテーマ曲をセッション演奏できる了解を得ました」という話をいただきました。
マーティさんは、僕が中学生の頃からずっと大好きで聞いていた方。
実際に現場でも、僕のアレンジしたテーマ曲を聞いていただき、その場で「ここは、もっとこう演奏をしてコナンらしさを出したほうがいいんじゃないか」などいろいろ提案をいただきました。
あのときは7時間くらい一緒にアレンジ作業をしていたんですけど、マーティさんの集中力が本当にすごくって、いきなり4時間くらいノンストップでアレンジし続けたり。
そのストイックな姿勢はとても勉強になりましたし、あの姿勢は自分も見習わねばと思いました。
木村:これはスタッフさんから聞いた話だけど。マーティさんとの共演話を初めて聞いたとき、現実が理解できずにポカーンとしていたんでしょ。
森丘:そう。「マーティさんと正式に一緒に演ることが決まりました」と言われ、「あっ、はい」と。実感が出たのは自宅に帰ってから。「えっ、あのマーティさんだよね、それ、ヤバくないか」とそこで焦り始めたように、最初はまったく実感を覚えられてない状態でした。
木村:人って、急に思ってもいなかった嬉しい話がくると、そうなっちゃうんですよね。

──当日も、かなり緊張していたんじゃないですか?
森丘:もともとすごい緊張しいなんですけど、あのときはおにぎりさえまったく喉を通らず状態。でも、身体に入れておかないと持たないなと思い、無理やり食べました(笑)。
木村: 大好きな納豆巻きも口に入らないくらいに(笑)。
森丘: そう。大好物の納豆巻きさえ口に入りませんでした(笑)。
みんなが歩きスマホをやめてくれたら
──最後に、ひと言ずつメッセージをお願いします。
川村: メジャーデビューと同時にタイアップのお話もいただいたのは、とても嬉しいこと。
しかも今回の経験を通してバンドとしても、一人のメンバーとしてもいろいろ成長させてもらえたなと思います。これからもどんどん新しい出会いを増やしながら成長し続けていきたいように、これからがすごく楽しみになってきました。
森丘: dpsはインディーズ時代に3枚作品を出してるんですけど、どれも関西限定でした。
でも今回は、初の全国流通になります。しかも、念願のメジャーデビューのタイミングで「名探偵コナン」のタイアップもいただきました。
これをきっかけにdpsのことをたくさんの方々に知ってもらいたいし、その期待に応えられるように僕らも恰好いい曲を作り、恰好いいライブをやっていくように、さらに気を引き締めて頑張ります。
安井:『タイムライン』は、歩きスマホをしないようにと先にも言いましたが。「名探偵コナン」のテーマ曲として流れたことで、みんなが歩きスマホをやめてくれたら嬉しいです。
僕的には、この歌詞を書くきっかけになった、僕にぶつかった人に届けばいいなと思っています。
きっと今頃、歩きスマホしてたら金髪の人にぶつかったことがあるなぁ。それ自分のことかなぁと思っている関西の方が大勢いらっしゃるかも知れませんよね(笑)。
木村:僕らにとってメジャーデビューは大きな目標にしていたこと。でも、本当のスタートラインはここからなんですよね。
ここからdpsとして、僕個人としても、一人の人間としても成長していけたらなと思っています。
Text:長澤智典

UtaTen

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