【インタビュー】UVERworld「バンド
を次なるステージに持っていきたい」
TAKUYA∞が“自由”の中で追求し続
ける音楽!

11月7日にリリースされたニューシングル「GOOD and EVIL / EDENへ」。「GOOD and EVIL」は、映画『ヴェノム』の日本語吹替版主題歌として作られた作品であったという。音楽以外のジャンルの人たちとの関係性を深く築き上げながら、今もなお、音楽を始めたときの初期衝動を胸に抱きながら音楽に向き合えているというTAKUYA∞に、UVERworldが生み出した最新作について迫る!
■真逆の観点で作った!「GOOD and EVIL」で描いた初めてのテーマとは?
——「GOOD and EVIL」は、映画『ヴェノム』のオファーがあって作られた楽曲なんだってね。
TAKUYA∞ そう。ツアー中にオファーを頂いたので、ツアー先のホテルに機材を持ち込んで作りましたね。広島とか四国とか回っているときだったかな。鍵盤とパソコンとギターがあれば、どこでも出来るからね。場所を変えて作ると気持ちが楽かな。スタジオは窓がないから嫌い。しんどい、気持ちが重くなってくるんだよね。でも、今回は『ヴェノム』の主題歌だから、マーベル作品ファンもいっぱいいるし、そういうプレッシャーはあったけど、場所を変えられたことで、少し気楽に作れたと思う。もちろん、自分たちにも期待してくれている人がいて、その人たちを裏切りたくないという気持ちがあるから、譲れない部分もあるし。マーベル作品もそういう譲れないものを持っていると思うから、しっかり納得のいくものになればいいなって。
——テーマがある上で作っていくときは、自分の想いをどこまで重ねるの?
TAKUYA∞ 今回は自分がどうのこうのじゃなかったかな。初めてのテーマというか。“ダークヒーロー”というのがあったからね。普通のヒーローだったらすごくシンプルでわかりやすいと思うんだけど、今回は真逆の観点というか。僕たちが持っている良いも悪いも、正解も不正解も大体多数決で決められたもので。多数決で過半数になったものを正解っていうところがあるでしょ。でも、ヴェノムには彼の正義があって、彼がそうしなければいけない理由があって。そういう善と悪みたいなものを書いたというか。この世の中でも、善と悪が戦ったときに悪が勝つみたいなことあるでしょ。常に正義が勝つわけではないというか。<善悪よりもずっとその命何に使うか明確に>というのが映画の示す意味だとは思ってはいないけど、そこは自分の思うところではあるかな。
——<僕を一人にした世界〜>というフレーズも印象に残ったんだけど。
TAKUYA∞ そこはやっぱりヴェノムの心境かな。自分に重ねる部分としては、今はひとりだとは思わないけど、俺の人生の前半はひとりだった。今はめっちゃ友達がいるけど、音楽に関係ない交友関係が中心だし、何よりメンバーがいるからね。でも、バンドを始める前まではずっとひとりだったよ。人を寄せ付けなかったわけではないけど、あえてひとりになろうとしていた。自由にやりたかったんだよね。けど、この部分の歌詞は、ヴェノムのことを書いたかな。やっぱりヴェノムは“悪”だからね。
——自身の中での戦いが見えるよね。「EDENへ」の歌詞はよりリアルだよね。
TAKUYA∞ この曲はロスで作ったんだけど、アメリカのプロデューサーが入ることによって、自分たちの癖から離れたところで曲を作れたんじゃないかな。そこから呼び出してきたのが、この歌詞だったって感じ。楽曲に関しては、UVERworldを次なるステージに持っていきたいっていう想いが強く出ているんじゃないかな。自分たちが納得するバンドになるためには、もっと成長していかないといけないから。同じことをやっていられないからね。自分が聴く音楽も年々変わっていっているし。最近は人間味がない音が好きというか、自分が直接会ったこともない、知らない人たちがやっている音楽を聴くのが好きっていうこともあって。
——確かに、「EDENへ」はデジタルな印象もあって、ギターの音色が控えめではあるよね。今までにないテンポ感でもあるし。
TAKUYA∞ そうだね。デジタルサウンドはバンド結成時からすごく好き。だけど技量不足で形に出来なかった感じ。僕ら誰よりも早い段階でやり始めたと思うよ。当時「Logic」っていうソフトの4.0を使って作っていたの、17年くらい前のモデル。まだパソコンが一般化していなくて、自分らでパソコンを組み立てて、ソフトをセットして、分厚い辞書みたいな説明書を読みながら頑張って使い方を調べて。
——でも、バンドサウンドではありたかったんでしょ?
TAKUYA∞ いや全然。でも音楽をやるにはバンドなんかなと思っていたくらい。パソコンを使って自分で歌うっていうイメージはなかったからね。でも、バンド+電子音っていうのがカッコいいと思っていたから、そういう音楽をやりたかった。始めからそれが一番にあったね。
■もっと名を馳せたい!UVERworldがこれから目標とする場所に迫る
——「EDENへ」は、UVERworldの最新であり原点でもあるんだね。
TAKUYA∞ そうだね。音源ではちょっとギターを後ろに持っていく感じにして、バンド+電子音というところを表現しつつも、ライヴではやっぱりギターが前面に来ている感じでいいのかなって思うし。ライヴでバンドサウンドを前面に持ってくると、CDで聴いたときよりも化けるというか。
——今回のシングルにライヴ音源で収録されている「ハルジオン」「KINJITO」は、バンドサウンドが前面だもんね。
TAKUYA∞ そうそう。ギターが前面に来ているのをこうして音源にするのも、新しく聴こえていいなと。僕らも最近そういう傾向にあるのかな。今は、自分の聴きたい音楽を追求して作っていこうと思っているんだよね。メンバーもそこは同じ意見かな。
——それが素晴しいよね。この曲の中で歌うパラダイスとは?
TAKUYA∞ まさに、EDEN。楽園っていう意味かな。楽園とは自由かな。それぞれが思う場所へ行ける自由。今、ほぼほぼ楽園にいますね。規制の関係で歌えないこともあるけど、そことも今は上手く付き合えているし。音楽って人を幸せにするものだと思うし、あまり人を不快にしたらいけないと思う。言葉選びというところではいろいろと考えるけど、そこを不自由と感じることはない。昔はちょっとあったけど、今は平気かな。
——この先、どんなふうにUVERworldの音と歌詞が変化していくのかすごく楽しみ。
TAKUYA∞ 仕事にならないようにはしたいなって思うね。現状維持でいいやっていう感覚でいると、絶対に後退していくから。まだまだ目標とする場所に行けてはないから、もっともっと名を馳せたい。だからこそ、自分たちが目指すところに行くために、メンバー一丸となって頑張れているんじゃないかな。今も楽しいって思い続けて音楽をやれているのは、きっと売れていない時代が長くて、そこをしっかりと忘れずに生きているからかな。15歳の頃からバンドを始めているから、現状に感謝とありがたみをすごく感じている。海外進出はもちろん目標のひとつではあるけど、その前にちゃんと日本で一番を取ってからだなって思う。みんなが、私はそうでもないけど、やっぱり誰が見てもアイツら日本で一番のバンドだ!って言ってくれるようになったら、日本語で海外に挑戦します!って言い出すかもしれない(笑)。今は、自分が感動して自分が聴きたいと思う曲だけを作る。その結果、それが派生してって、たくさんの人が聴いてくれたらいいなって思います。
文/武市尚子

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