映画『パウロ 愛と赦しの物語』:松
任谷正隆氏「信じろと誰が言った?」

映画『パウロ 愛と赦しの物語』の公開を記念し、シンガーソングライターの松任谷由実氏と『TIME MACHINE TOUR』(2019年4月7日まで)を繰り広げている音楽プロデューサーの松任谷正隆氏のトークイベントを映画公開初日11月3日(土)に開催された。
 
映画を見終えた満席の観客が待つ会場に拍手の中登場したのは、松任谷正隆氏と波多康牧師(ビサイドチャーチ東京)。

松任谷氏自身はクリスチャンではないが、音楽を始められたきっかけが教会のキーボード奏者だった方から演奏を習ったことや、過去のクリスマスディナーショーでもゴスペル隊や聖書からの言葉を引用したり、キリスト教と関わりがあることから登壇。

「映画の大事なことは何かリアリティが
あること」

トークイベントで松任谷正隆氏は、映画を2回見てそのうちの1回は松任谷由実氏と一緒に観たと話し、自身はクリスチャンではないけれど、由実氏がキリスト教系の立教大学卒だったこともあって「実は結婚式もキリスト教式でやったので4回ほど事前の授業を受けました。つらかったけど(笑)」と語った。クリスチャンではないと正直に話し、ざっくばらんに語る松任谷氏の言葉に観客は大爆笑。

映画に関しては「突っ込みどころもありましたが、映画の大事なことは何かリアリティがあること。実は家では毎日お祈りしているんです。食事の前にもします。クリスチャンじゃないのにおかしいでしょ? 映画の中でも『主の祈り』がでてくるけど、あまりにもリアリティですよね。信じる人がいて今もその宗教が続いている」

さらに「キリスト教を信仰している人は世の中にたくさんいる。自分の中にも宗教は持っていないと言いながらどこか神様を信じているところがある。何か信じないとやっていけないところがあるじゃないですか」

「映画の最後のほうのシーン、(ある人物が登場するところで)泣きました。泣くシーンは他にもいっぱいありますが。何回か見たほうがいいかも。3回ぐらい」との松任谷氏の言葉に、波多牧師が「3回、5回見たほうがいいですね」と観客に語ると、「あんまり押し付けないほうがいい。映画でも言ってたじゃないですか。『信じろと誰が言った?』って」と続け、会場は笑いに包まれた。
『パウロ 愛と赦しの物語』

『パウロ 愛と赦しの物語』

「不覚にも涙を流してしまった」

松任谷正隆氏(音楽プロデューサー)はさらに以下のようにコメントを寄せている。

「僕はキリスト教信者ではありません。ですからこの映画についてはどうせ啓蒙的なものだろうという先入観もあったし、実際にいくつかのシーンでは悪態をつきながら観ました。あり得ないだろう、と。

しかしいくつかのシーンで不覚にも涙を流してしまった。観終わったときには感動さえしてしまったのです。

で、なぜ だろう、と考えました。この映画は聖書の通りなのかもしれないし、脚色がされているのかもしれない。信者でない僕には分かりません。けれどリアルなことが一つだけあります。それはその教えが今まで続いていて、そしてそれを信じている人たちが大勢いるということです。そのことが僕を感動させ、そして涙させた のだと思います。

『信じろと誰が言った?』というパウロの台詞があります。そうだよな、というのが僕の正直な感想です」

魂を揺さぶる感動の歴史大作

【『パウロ 愛と赦しの物語』】

 紀元67年。皇帝ネロがキリスト教徒たちを迫害していたローマ。獄中から非暴力の愛を叫び続けた使徒パウロを、彼の言葉を民衆に伝えるために書き記し続けた医者ルカの目を通して描いた、魂を揺さぶる感動の歴史大作。

イエス・キリストの最期の日を描いたメル・ギブソン監督の『パッション』(04)でイエス役を演じ、最近ではTVシリーズ「パーソン・オブ・インタレスト」で主役のジョン・リースを演じるジム・カヴィーゼルが医者ルカを、『アトミック・ブロンド』などに出演している英国俳優ジェームズ・フォークナーが使徒パウロを演じている。

佐藤仁

日本だけでなく欧米やアジアのポップカルチャーやエンターテイメント、メディアの動向を幅広く取材。放送作家・番組制作協力も多数。

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