舞台『キャッシュ・オン・デリバリー
』東京公演開幕! W主演の深澤辰哉
と佐久間大介の台詞量に驚愕

2018年11月2日(金)より東京・シアタートラムにて舞台『キャッシュ・オン・デリバリー Cash on Delivery』が開幕した。10月には大阪にて上演、大好評のうちに幕を下ろした本作がついに東京上陸! 初日に先駆け同劇場にて公開ゲネプロ(通し稽古)と囲み取材が行われ、初外部舞台出演にしてW主演の深澤辰哉と佐久間大介(共にSnow Man/ジャニーズJr.)、宝塚歌劇団退団後初舞台となる菜那くらら、清水順二、原扶貴子、演出の野坂実が今の心境を語った。

本作は、映画・演劇の脚本家として活躍するマイケル・クーニーの劇作家としての代表作。舞台はロンドン郊外、エリック・スワン(深澤)の自宅。エリックには、妻のリンダ(菜那)に大きな隠し事があった。2年前に勤め先をクビになって以来、嘘を駆使して社会保障手当を不正受給し、生計を立てていたのだ。とはいえ良心の呵責を感じ始めたエリックは、手当てを打ち切る方法を思いつく。
“でっちあげた人物をひとりずつ抹殺しよう”
ところがそこへ、社会保障省の調査員、ジェンキンズ氏(清水)が訪ねてくる。2階の間借り人ノーマン(佐久間)を巻き込んで、どうにかごまかそうと嘘を重ねるエリック。 だが、ごまかせばごまかすほど嘘がこじれ、エリックとノーマンは窮地に立たされていく。 果たして二人はごまかしきれるのか!?

大阪公演ではマイクを使って上演していた本作だが、東京では生声で上演される。そのせいか、役者の口から出る台詞も生々しく、まるで同じ部屋でこの珍騒動を目の当たりにしているようだった。脊髄反射的に次々と嘘を重ねていくエリックと、そんなエリックに呆れ、怒りを感じているはずがいつしか巻き込まれ、その場しのぎの嘘を自分もついてしまうノーマン。二人と二人を取り巻くさまざまな人たちとのやりとりは、まるで卓球の激しいラリーのよう。淀みなく、ハイスピードで交わされる台詞の応酬に会場から何度も笑い声が響いていた。
スピーディーなのは台詞だけではない。演者たちの動きも驚くほど速い。舞台上を走り回り、ソファを飛び越え、自分の台詞にオリジナルの振りをつけてコミカルに踊りながら喋っていたり……。常に誰かが躍動し、笑いをもたらしているなんとも楽しい舞台となっていた。
W主演を務める深澤と佐久間は、ジャニーズJr.の中でも実力派。演技力もさることながら注目したいのは彼らの「声」だ。二人ともそれぞれ異なる声質だが、非常に耳心地のよい声をしているため、膨大な台詞量であっても内容が気持ちよく耳に飛び込んできて、観る者をぐいぐいと芝居の中にひっぱり込んでいくのだ。
「キメ顔」をリクエストされた時のこの表情!
公開ゲネプロの後に行われた囲み会見では、今の心境を聞かれると、佐久間は「正直、すごい楽しい! 公演ごとに楽しさが増していくし、始まる前からワクワクして落ち着きないんです」と笑顔を見せたが、逆に深澤は「僕は、上演の1分前、毎回緊張で吐きそうになっています」と対照的な回答となり笑いを誘っていた。
劇中の激しい台詞の応酬にも話が及ぶ。佐久間は「野坂さんはふざけてるんじゃないかって思った」と口にするくらい、自身の台詞量の多さに辟易した模様。ただそう言いつつも「気がつけば台詞が勝手に口から出てくるようになっていた」と頼もしい発言も。この話を聞いていた清水は「主演の二人は約2万字の台詞を覚えているんです。普通の舞台の主役は5千字から1万字くらいですから倍ですよね」と彼らの奮闘を称えつつ、今回の経験が「将来、俳優としての活動にとってかけがえのないものになっていくはず」と語った。
「僕は女性が苦手で、目を見てお芝居とかできないんです」と口にした深澤だが、そんな深澤には原が演じる女性の胸をやたら触る場面がある。野坂から「もう少し楽しそうに揉んで、と言われたので弄んでいます」とかなり照れくさそう。ちなみに原の「巨乳」は「多少盛っております」と本人から申告が入っていた。また、深澤は妻役の菜那ともなかなか目を合わせることができなかったと語り「菜那ちゃんにはたくさん助けてもらった」と言うと、菜那からも「男性とお芝居するのが初めてなので、私も目を合わせられなかった」と告白が。佐久間が「二人とも人見知りなんです」とフォロー。ちなみに今は「2秒くらいは目を見ることはできる」と深澤が自身の成長を主張(?)していた。
深澤とは対照的に佐久間は全く人見知りはなく、稽古場などでも積極的に共演者たちに交わっていったと話すと「僕は佐久間の後ろからこっそりついていった」と深澤。実は彼らと同じユニット「Snow Man」の渡辺翔太が、現在出演している舞台『愛と青春キップ』の初日前会見で偶然同じように人見知り発言をし、同じように他のメンバーの後ろにくっついていた話をしており、不思議なところでメンバーとの共通点を感じさせていた。
嘘をつきまくる、という本作の内容に絡めて「嘘をついたことはあるか」という質問が飛ぶ。しばし思い出そうとしている佐久間に「僕から話しますね」と声をかけつつ、深澤は「A.B.C-Zの河合(郁人)くんと『飯、行こうよ』と約束したんですけど、その約束した日にたまたまKis-My-Ft2の玉森(裕太)くんと一緒に仕事があって。そうしたら玉森くんが『夜、飯行こうよ』って誘ってくれたので「はい!」と即答。河合くんには、『ちょっと体調悪くて……』と嘘をついてしまいました。だって玉森くんですよ! 彼に誘っていただくってなかなかないんですから」と本音。なお、河合には後日、事情を説明して謝ると「分かってる。玉だからな。忖度だよな」と言われ許してもらえたとのこと。
深澤の話の間に考えていた佐久間は、「そんなに嘘をつくことがないんですよね」とやや困りながらも「記憶に残っているのが、昔滝沢(秀明)くんにドッキリを仕掛けられ、ネタ明かしされたときに泣いちゃったんです」となぜか「嘘をつかれた話」にお題を変えてしまっていた。
野坂からは、ゲネプロを経てこの後のダメ出しの話が出るが、「この二人(深澤と佐久間)は1回(ダメ出しを)言うと、次には直っちゃうんです。だから(ダメ出しをたくさん)出していいんだって思っている」と笑顔。
最後に深澤は「作品自体がすごく面白くて笑えるので、いろんな方々に観てもらえたら。(千秋楽の)11月5日まで、全力で皆さんを楽しませていきたい」とアピール。佐久間も「シアタートラムは客席との距離がすごく近いので、この距離だからこそ体感できる楽しさがあると思います。ぜひ観に来てください!」と呼びかけていた。
笑顔がいいですね!
取材・文・撮影=こむらさき

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