甲斐ゆいか、舞台で躍動「のぼうの城」ならぬ『びぼうの城、落ちず』

甲斐ゆいか、舞台で躍動「のぼうの城」ならぬ『びぼうの城、落ちず』

甲斐ゆいか、舞台で躍動「のぼうの城
」ならぬ『びぼうの城、落ちず』

反対する父を説得、夢を追って東京へ
──今回が甲斐さんにとって初めてのインタビュー取材になるということで、よろしくお願いします。
甲斐ゆいか:よろしくお願いします。
──まず気になったのが「甲斐ゆいか」というお名前なのですが、これは芸名ですか?
甲斐:はい、そうです。
──なぜ「甲斐ゆいか」にしたんですか?
甲斐:名前を「ゆいか」か「ゆい」にしたいっていうのは最初から決めてて、苗字を家族みんなでずっと考えてたんですけど、お姉ちゃんが「山梨だし『甲斐』にすれば? しかも上から読んでも下から読んでも読めるね」って発見して、もうコレしかないって思って決めました。
──お姉さんのアイディアだったんですね。甲斐さんはいつも自己紹介をするときに「上から読んでも下から読んでも……」と言ってますよね。
甲斐:そうですね。ライブとかでいつも言っています。
──芸能人としての活動はいつ始めたんですか?
甲斐:活動は2017年の1月に『FIRST STEP 2017』っていう、事務所の色んなアーティストの方が 参加しているコンピレーションアルバムがあって、それに参加したのが初めての芸能活動でした。
──事務所に入ってからすぐにライブに出演したりもしたんですか?
甲斐:そうですね。コンピレーションアルバムのリリースイベントが千葉のショッピングセンターとか色んなところであって、それが初めてのライブ出演でした。ライブハウスのライブには、2017年の6月に初めて出演させていただきました。
──事務所にはどういったきっかけで所属したのでしょうか?
甲斐:きっかけは、「KERA」っていうゴスロリとかロリータ系のファッション雑誌があって、それをずっと読んでたんですけど、そこにバンドメンバーオーディションが載ってて、大好きな雑誌であと歌も大好きだったので、そのオーディションにボーカルとして応募をしました。そのオーディションには最終審査まで残って落ちちゃったんですけど、そのときに事務所の方に「よかったら事務所にソロアーティストとして入らないか?」ってお誘いいただいて所属することができました。
──芸能界には昔から興味があったんですか?
甲斐:そうですね、中学生のときは仮面女子さんが好きで、そこに入りたいなと思ったのが芸能界に興味を持ったきっかけだったんですけど、お父さんにずっと反対されてて……。そのバンドのオーディションのときもすごい反対されてたんですけど、ずっと好きだった雑誌ということもあって、許可がやっともらえたっていう感じでした。
──甲斐さんは山梨出身とのことですが、デビューしてから上京してきたんですか?
甲斐:はい、18歳まで山梨に住んでました。
──子供の頃はどんな子供でした?
甲斐:小学生の頃は男子に混ざって放課後に缶蹴りとかをしたりして活発だったんですけど、中学生になってからは結構家に引きこもってました(笑)。高校は通信制だったんですけど、3年間ほとんど家にいました(笑)
一番憧れているソロアイドルは森高千里
──甲斐さんは今、オリジナル曲を何曲持っていますか?
甲斐:えっと、『BELIEVE AGAIN』というオリジナル曲が1曲あって、あと最近作曲も始めたんですけど、自分で作詞・作曲した表に出していない曲が何曲かあります。
──『BELIEVE AGAIN』は先ほど話に出ていたコンピレーションアルバムにも収録されていますが、どんな曲ですか?
甲斐:『BELIEVE AGAIN』は、今の私のありのままの感情にホントに近くて、歌詞は「夢に向かって頑張ろう」という感じの歌詞で、自分の気持ちをそのまま歌っているような曲になっています。曲調も盛り上がる感じのアップテンポの曲なので、聴いている人も元気が出て「頑張ろう!」って思える曲になっているんじゃないかと思います。
──いつもライブでは『BELIEVE AGAIN』以外にも、さまざまなアーティストさんのカバー曲を披露されているそうですが、8月12日に開催された「UNiON STAR'S 2018」では、大塚愛さんの『さくらんぼ』と松浦亜弥さんの『Yeah! めっちゃホリディ』を披露されたそうですね。なぜこの2曲にしたんですか?
甲斐:「UNiON STAR'S 2018」ではトップバッターだったんですけど、やっぱり盛り上がってみんなが知っている曲といえば『さくらんぼ』かなというのと、あとは松浦亜弥さんがソロで活動しているアイドルさんとして尊敬しているというか、自分もそうなれたらいいなという想いがあったので選ばせていただきました。
──なるほど。ちなみに甲斐さんが一番憧れているソロアイドルは松浦亜弥さんなんですか?
甲斐:えっと、森高千里さんです。
──おお~。なぜ森高千里さんなんでしょう?
甲斐:自分でドラムとかいろんな楽器ができたり、作詞とかもしていますし、あとは『私がオバさんになっても』っていう曲がめちゃくちゃ好きなんです(笑)。ユーモアがあって面白くて、そういう遊び心がある曲とかを私も自分で作っていけたらいいなと思っています。
──『私がオバさんになっても』良い曲ですよね。ところで、遊び心がある曲といえば先ほどマネージャーさんから教えてもらったのですが、甲斐さんもかなり個性的な曲を作られたそうですね。タイトルが『楽しみすぎて足がとれそう』。
甲斐:はい(笑)。その曲は久しぶりに彼に会いに行く女の子の気持ちを歌った曲なんですけど、ニコ生をやってたときにワンコーラスだけ作ってのせたりしてました。恋愛の曲ではあるんですけど、女の子の友達と遊ぶことになって楽しみだったときに、LINEで「明日楽しみすぎて足とれそう」って送って、「あっこれで曲にしてみよう」って思って作りました(笑)
──『楽しみすぎて足がとれそう』はもう完成しているんですか?
甲斐:いや、それは高校生のときに作って歌詞もそのままでちょっと封印されていたので(笑)。でも今の話をきっかけに作ってみようかなって思いました。今まだフルで完成はさせられてないので、いつかちゃんと曲にして披露できたらいいなって思います。
──そのほかの曲も含めて、自分で作詞・作曲したオリジナル曲は近々披露できそうですか?
甲斐:去年からギターを始めて今はギターの弾き語りで曲を作っているんですけど、路上ライブをやりたいなと思っているので、お披露目するとしたら路上ライブが最初になると思います。路上ライブは今まで3回やったことがあるんですけど、これからもやっていけたらいいなと思っています。
▲ライブでの甲斐ゆいか
「女優・甲斐ゆいか」としての活動
──甲斐さんはソロアイドルの活動と並行して女優としても活動をされていますが、ライブデビューとほぼ同時期の2017年6月に初舞台を踏まれたそうですね。
甲斐:はい、『ここは私の家だって!』っていう舞台でした。
──もともと演技には興味があったんですか?
甲斐:演技には憧れはあったんですけど、最初は歌をやっていきたいなと思っていました。でも事務所の演技レッスンを受けていくうちに演技がすごい楽しくなって、歌と同じくらい演技もやりたくなったので、今は両方とも本気でやっていきたいなと思っています。
▲演技レッスンを受ける甲斐さん
──これまでの活動を振り返ると、ソロアイドルと女優のどちらのお仕事のほうが思い出に残っていますか?
甲斐:やっぱり女優のほうで、舞台って稽古の期間とかも含めてひとつの作品を作るまでに時間をかけるじゃないですか? なのでどの作品もすごい記憶に残ってるんですけど、初舞台の『ここは私の家だって!』と2作品目の『その男、武蔵につき』が両方とも血のりを使ったんですよ。手から血が出る役だったんですけど、2作品目のときにはファンの方から「手から血が出る役が似合う」って言われました(笑)
──なるほど……。ちょっと共感できます。
甲斐:ふふ(笑)。3作品目の『降臨ハーツ』では血のりとかはなかったんですけど、戦国武将の陸奥宗光の役だったので、「戦い」っていう意味では近かったなって思います。
──今まで出演した舞台には「時代劇もの」が多いんですね。11月に公演される『びぼうの城、落ちず』も時代劇ですが、どんな作品になりそうですか?
甲斐:『のぼうの城』を題材としたお話なんですけど、そこに出てくる「甲斐姫」にスポットを当てたお話になっていて、笑えるシーンも感動できるシーンもあったり、あとマジックも舞台に採り入れられていて変わった演出も入っているので、面白い作品になるんじゃないかなと思います。私はその甲斐姫の役をやらせていただくんですけど、そのお姫様がすごい男勝りで武芸も強くて、今回も殺陣があって戦うんですよ。まだ細かくは決まってないんですけど、台本にも「傷だらけの甲斐が……」とか書いてあるので、もしかしたら今回も血のりが来るかもって思ってます(笑)
──『びぼうの城、落ちず』では、女優の朝比奈叶羽(あさひなかなう)さんとのダブルキャストになっているそうですが、そのことについて何か思うことはありますか?
甲斐:前回の舞台でもダブルキャストで殺陣をやる役だったんですけど、そのときは結構自分のなかで比較してしまって、「どうしよう」って落ち込んじゃうときもありました。今稽古が始まって1ヶ月くらい経ったんですけど、殺陣については朝比奈さんは経験があるのでそこはすごい比較してしまいますし、お芝居についてもライバル視してしまうこともあるんですけど……。
でもあんまり考えないようにって言ったら変ですけど、甲斐ゆいかとして自分なりに甲斐姫を演じたいなと思って、「自分は自分だ!」と思ってやろうと決めています。
『びぼうの城、落ちず』
──朝比奈さんとはプライベートでも仲がいいんですか?
甲斐:はい。昨日も稽古だったんですけど、すごい優しくて一緒に夜ご飯を食べに行ったりしてくれました。
▼『びぼうの城、落ちず』でダブルキャスト、甲斐さんと仲良しの朝比奈さん
──甲斐さんは舞台の制作を担当している「劇団一世一代時代組」さんとも交流をされてて、ときどき「ゴミ拾い侍」という活動にも参加されているそうですね。
甲斐:はい。自分たちの見られる意識といいますか、パフォーマンス力を磨くために毎週日曜日にゴミ拾いを行ってて、私も今年の1月から参加をさせていただいています。
──その「ゴミ拾い侍」の活動では、着物姿でゴミ拾いをされているそうですね。
甲斐:そうです。ゴミ拾い侍さんはデニム生地の着流しを着て侍の格好でやっているんですけど、私は着物を着てやっています。
昨日は気持ち良い天気の中、渋谷ゴミ拾い塵芥の陣。舞台「その男、武蔵につき」でも共演する甲斐ゆいかちゃんも一緒にゴミ拾い。ゆいかちゃんの力ですごい華やかになったでござる pic.twitter.com/OIUe0uT4Fz— 【公式】時代組婆沙羅(ゴミ拾い侍) (@jidaigumi_tokyo) 2018年2月5日
──「ゴミ拾い侍」を見た人はどんな反応をしていますか?
甲斐:「何だろう?」とか気になってくださった方が多くて、最近は結構Twitterでその「ゴミ拾い侍」さんの動画が拡散されててちょっと話題になりました。最近は「ゴミ拾い侍だ!」とか「Twitterで見たことがある」って話しかけられるようになって、一緒に写真を撮ったりとかもしています。
──良い活動ですね。では舞台『びぼうの城、落ちず』に対する意気込みや見どころを教えてください。
甲斐:今回は殺陣が結構あって全体的にパフォーマンスが多くて、あと甲斐姫が「東国一の美貌の姫」って言われているのでそこはちょっとプレッシャーがあるんですけど(笑)、そのお姫様が戦うっていうのが見どころだと思います。
あと甲斐姫はずっと男勝りなわけじゃなくて、お話のなかで性格も変わっていくんですよ。今回の舞台ではそこをどう演じ分けたらいいんだろうって今悩み中なんですけど、ぜひ甲斐姫が変わっていく様を皆さんにも見ていただきたいなと思います。
▲殺陣の演技
──「男勝り」ということは、舞台で大きな声を出したりとかもするんですか?
甲斐:そうですね。今は稽古のなかで「男勝り」を練習するために、演出家さんに「1回『笑ってんじゃねえよ!!』とか叫んでからセリフを言ってみて」って言われたりしてますし、あと本番ではたぶんしないと思うんですけど、稽古中に舌打ちをしたり、あぐらを組んだりとかもしています(笑)
──それは普段の「甲斐ゆいか」さんとのギャップがあって面白そうですね。
甲斐:そうですね、そこは結構違うと思います(笑)
──では最後に、「ソロアイドル」「女優」としてのそれぞれの今後の目標を教えてください。
甲斐:今後の目標は、やっぱり今は歌もお芝居も両方とも同じくらいやりたいなっていう気持ちが強くて、両立って難しいと思うんですけど。アイドルとしては今はまだ知名度が低いので、まずはたくさんの人に知ってもらってワンマンライブが出来るようになるくらい有名になって、ソロでもワンマンライブを成功できるようにしたいです。
お芝居では、いろんな人に役を通じていろんなことを感じてもらいたいですし、今は舞台だけをやっているんですけど、将来的には映像作品とかにも挑戦していきたいなと思っています。お芝居での最終的というか一番の目標はアカデミー賞の新人女優賞を獲ることなので、これからもっと本格的に取り組んでいきたいなと思っています。
「ソロアイドル」「女優」として活動を続ける甲斐ゆいかから、これからも目が離せない。
TEXT:鎌形剛
PHOTO:横田真子

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