「大人が出逢う、東京古着」総集編
Vol.2 ─ 高円寺・吉祥寺・下北沢・
池ノ上・代々木八幡・三軒茶屋

2年以上に渡って本連載【大人が出会う、東京古着】で紹介した、個性あふれる古着屋さんたち。今回は【総集編】と題して、それぞれの魅力を語った連載の一節と共に、エリア別に振り返ってみました。
後半は、古着のメッカ高円寺・吉祥寺をはじめ、下北沢・池ノ上・代々木八幡・三軒茶屋など近年お店が増えたエリア、巣鴨に唯一の古着屋などが登場。ぜひ東京古着ツアーのお供に…。
高円寺エリア
偶然にはなかなか出会えない、自由な場所
即興/SOKKYOU
高円寺。南北に伸びるいくつもの商店街に暮らしと文化が息づく街。八百屋、レコード屋、マクドナルド、金物屋、スタジオ、古本屋、セブンイレブン。ガード下に軒を連ねる飲み屋さん、ももちろん有名だけれど、そのすぐそばに、辿り着こうとする人にしか辿り着けない古着屋さんがあります。
名前は「即興/SOKKYOU」。
張り紙もなければ、看板もない。コンセプトもない。
その代わり、自由と少しの生活があります。
即興/SOKKYOU
TEL:03-6304-9421
営業時間:13:00-21:00(日により変動有)
定休日:不定休
BLOG: http://www.sokkyou.net/blog
Instagram:@sokkyou
Twitter:@sokkyou_vintage
今、心から惹かれるものに出会える空間
那由多
長方形に伸びた店内は、すっきりと心地の良い抜け感が印象的。決して服の量が少ないわけでも、極端に建物内が広いわけでもない。空間。まさにその言葉通り、工夫を凝らして、空きや間が作られている。
余白があることや、自分の中に余白を持っておくこと。
そのことがとても重要に思うようになったのは、大人になったからかもしれない。
行間や沈黙こそが核心を浮かび上がらせるように、大切なものが研ぎ澄まされていく気がする。
那由多(なゆた)
住所:東京都杉並区高円寺南3-56-1
電話番号:03-6854-4230
営業時間:12:00~20:30
定休日:不定休
Instagram:@nayuta_tokyo
いつまでも、乙女心に火をつけて
ガイジン
シンプルなワンピースにあしらわれた程よいレース。どこまでも繊細な小花柄。小ぶりだけど存在感のあるアクセサリ。大人だからこその甘さがそこにはある。「乙女心って永遠だ」ガイジンに来ると、そう思わずにいられない。
絵美さんは、どんな質問にも、とても丁寧に言葉を選びながら話してくれた。
きっと、ガイジンに並ぶ洋服を選ぶ時もそうなのだろう。
「気持ちだけはあるけれど、まだどこにも具現化されてないもの。みんなそれを探してるんじゃないかな。だから、そういう“気持ち”という、見えないけれど一番信じられる部分に添えるような服を探したい。そうやって自分も探すから、お店に来てくれる人もそうなんじゃないかな、という哲学のもと」
ガイジン
住所:東京都杉並区高円寺南3-56-1
TEL:03-3316-9337
営業時間:12:00〜20:00
定休日:なし
Instagram:@gaijin_nippon
集まれ、世界中のならず者
黒BENTZ
初めにオープンしたのは、黒BENZ。お店の名前を考えていたときに、近くに黒BENZが止まっていたことから、命名をされたとか。「なんかすごくしっくりきて、そのまま決めちゃいました」 そんなオーナーのブレない感覚は、お店の名前のみならず、アイテムのセレクトや店内のディスプレイなど、そこかしこに溢れていた。
コンセプトは「 Desperado in the world(世界のならず者)」だ。
黒BENZ
住所:東京都杉並区高円寺南4-24-12
TEL:03-5306-2033
営業時間:13:30〜20:30
定休日:なし
Instagram:@clobenz_official
遊び心と面白い服に出会いたいなら
MECHA
“君の好きだと思うものが、一番最高”。
ファッションにルールなんかないよ、といった心強いメッセージを端々に感じる店内のムードに胸が高鳴る。
天井から足元に至るまで、所狭しと並べられたジャンルレスな洋服たちやユニークな小物。思わず足を止めてしまう瞬間が何度もあった。
雑多で自由で、人に優しい高円寺。
ひとたび惹かれると、もう決して離れられない魅惑のこの街にMECHAがあるということが、なんだかとてもしっくりくる。
MECHA
住所:東京都杉並区高円寺南4丁目23−7 大国屋ビル2F
電話番号:03-5929-8993
営業時間:1400(土日祝は1300)
定休日:不定休
Instagram:@mechaused
昭和レトロが生きているまたとないお店
グランプリーズ
そしてもう一歩、大きなおもちゃ箱へ足を踏み入れる。
“昭和”がひしめき合う店内は、リビングであり、クローゼットであり、キッチンであり、子ども部屋でもある。
今日のBGMは、友部正人
中島みゆき忌野清志郎、ブルーハーツの時もある。
平積みされたレコードは、音楽に精通したなにわ社長セレクトだ。どうやら、お父さんの趣味の部屋でもあるみたい。 あたたかいオレンジの灯りに照らされた、日本の暮らしがそこにあった。
グランプリーズ
住所:杉並区高円寺南3-2-13 1F
tel:03-6383-2875
営業時間:12:00〜20:00(場合により19:00)
定休日:水曜日
Instagram:@grandpries
 
吉祥寺エリア
生活を彩る洋服や家具に出会えるお店
garnish
「garnishって言葉は、添える、とか、飾る、とか、食事で言うところの付け合わせみたいな意味合いがあるんですよ。もちろんメインはお客さまで、そのファッションや生活の一部として取り入れられるものをと思っています」
garnishには、洋服も家具も雑貨もある。
言葉の意味を聞いて、今一度店内を見渡すと、本当にたくさんの選択肢があることに気がつく。かっこよくなりたい、愛らしくいたい、挑戦したい、変わりたい…。あらゆる“自分”を、彩りあるフルコースに仕上げるための、頼れる付け合わせ。甘酸っぱいフルーツで、お料理の旨みが引き立つように。
あるいは、こっくりと濃いコーヒーでデザートの甘さに思い切り浸れるように。
garnish(ガーニッシュ)
住所:武蔵野市吉祥寺本町4-1-2
tel:0422-21-2707
営業時間:13:00-20:00
定休日:なし
Instagram:@garnish_vintage
ジャンルや売れ筋に捉われないという強み
Cherry Loville
“レディース”と一口に言っても、もちろん、いろんな“レディー”がいる。
ボーイッシュな人も、ガーリーな人も。今日はガーリーだけど、明日はボーイッシュな人も。しいては男も女も。誰かしらに何かしらがバチッとハマる。
そんなアイテムたちがバランス良い比率で並んでいる。
そして、コンディションの良さや時代ジャンルのラインナップはさることながら、どれもがとてもリーズナブルなのだ。これはそうそうないことだ!
ロックも、アウトドアも、スポーツも、ワークも。
一通り通ってきたジャンル全部置きたい。
そういう思いで、幅広く買い付けをしているという加藤さん。
「ジャンルもそうだし、売れ筋ばかりを置くっていうのもあまり好きじゃなくて。主役より脇役を充実させるっていうイメージかな。脇役をいかに輝かせるか。いい作品も、だいたいそうじゃないですか(笑)」
Cherry Loville
住所:武蔵野市吉祥寺本町1-32-11高村ビル2F
電話番号:070-4802-8972
営業時間:1300
Instagram:@cherryloville
三茶・下北・池ノ上・代々木八幡エリア
日付が変わるまで開いている、大人のためのお店
ZIG
「夜の帰り道にこそ立ち寄りたい」そんなタイトルをつけながら思う。
“帰り道”でも本当はよかった。でも、“夜の帰り道”がとくにいいと思ったのだ。何だか、大人に許された特権のような気がして。
昼よりも自由で、ちょっと謎めいて、少し隙があって、私たちを素直にさせる夜。そんな夜こそ、このお店で今まで持っていなかった艶っぽいワンピースとか、逆に普段は着なかったオーバーサイズのメンズ服とか。
これまでの自分史からは一線を画すような服。
そんな1着にこそ、さりげなく出会いたい。
住所:世田谷区太子堂3-18-6 1F
電話番号:03-3413-8850
営業時間:15:00−24:00
定休日:なし
Instagram:@zig_usedclothing
挑戦と進化を続ける、下北きっての人気店
HAIGHT&ASHUBURY
ここに来たからには、「ANTIQUES ROOM」という選択にも、触れておきたい。
古き“いつか”、から来たものたち。
そして、この一角にはこのお店ならではの工夫があった。
3年ほど前から、モノの価値を年代で見極めるのをやめたというのだ。
後世につながるような貴重なものであれば、100年前でも2000年代のものでも、セレクトしたい。
70年代や80年代の貴重なものや当時価値があったもの。
言葉の意味を超えて、「ANTIQUES」と捉えるHAIGHT&ASHBURY独自の視点は、ヴィンテージの新たな在り方であり、挑戦かもしれない。
HAIGHT&ASHBURY
住所:東京都世田谷区北沢2-37-2パラツィーナ2F
tel:03-5453-4690
営業時間:12:00〜21:00
定休日:なし
Instagram:@haight_tokyo
Twitter:@haight_tokyo
まだ見ぬスタイルへ導いてくれる場所
STRANGER
「うちの休みは、フジロックの日!」
そう笑う岩尾さんの元には、不思議とバンドや音楽好きが集まってくるという。そして、アーティストとの縁も。
フジロック前にSTRANGERに古着を買いに来たアーティストさんが、その古着を着てフィールドオブヘブンのステージに立つこともある。
“好き”って引力だ。何よりも無敵な引力だと思う。
そんな岩尾さんのセレクトだからこそ、着てみたいアイテムもある。
ヴィンテージのバンドTシャツは、どれも、あるだけで貴重なものばかりだ。
「音楽と古着は自分にとってはとても密接です。だから、古着を交点に、ミュージシャンやクリエイターとの交流が生まれることはすごく嬉しい。やりたいことの一つが形になったなっていう感じです」
STRANGER
住所:世田谷区代沢2-36-26小坂ビル208
電話番号:03-6337-3766
営業時間:14:00−22:00
定休日:月曜日
選び抜かれたものだけが集う、小さなお店
CaNARi
お店に入ってまず浮かんだ言葉は「厳選」。 
じんまりとしながらもその奥行きが上手に使われた店内には、アウター、ブラウス、ニット、ワンピース、ボトムにシューズ、パッと目をひく小物アイテムなどデザイン性・珍しさ・状態の良さなどあらゆる視点から見て、質の高いアイテムだけが集う。
お店の大きさについてもこだわりがあった。 「昔から“小さなお店”が好きだったんです。自分がまだ古着屋のお客さんだった頃、狭いんだけど、なんか居心地が良くて3時間くらい平気でいました。ルーツといえば大げさですが、そういう空間を目指しました」この道15年のオーナーは、自身の古着ヒストリーを振り返りながらそう話してくれた。
CaNARi YOYOGIHACHIMAN
住所:渋谷区上原1-47-4 金子ビル1F
電話番号:03-3468-1374
営業時間:1400(mon-sat) 1200(sun&holiday)
※海外買い付け等、不定期にお休みする事があります。
Instagram:@canari_yoyogihachiman
巣鴨エリア
都市定説を塗り替えた、巣鴨唯一の古着屋
humor
「とにかく街が好きだったんです」裕太郎さんは迷いのない様子で答えた。
「他にもいろんな場所を考えてはいました。神保町、阿佐ヶ谷、谷根千あたり…。いわゆる古着屋がない街を探していたんです。でも降り立った時からこの街がすごく好きで」
“古着のない街に古着を”。なかなかできないことだと思った。
そして、愛と挑戦に溢れた選択だと思った。
前例のないことをやるのは、本当に勇気がいる。そして、いつの時代もその勇気を持つパイオニアが人や街、そして時代を動かしている。
humor(ユーモア)
住所:東京都豊島区巣鴨3-18-17NYビル202
営業時間:不定期(日によって異なるためtwitterにて更新)
休:不定休
twitter:@humor_store
Instagram:@humor.store
 

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