降谷建志、ソロ初のワンマン・ツアー
が開幕「やべーっ、楽しい」

2枚目となるソロアルバム『THE PENDULUM』を10月17日にリリースした降谷建志Dragon Ashのフロントマンとして、この夏も数々の大型フェスで観客を熱狂させた彼が、ソロとして初となるワンマンツアー、降谷建志1st LIVE TOUR 「THE PENDULUM」 performed by Kj and The Ravensを開催。どんなツアーが繰り広げられるのか⁈ 期待が高まる中、ギターのPABLO(Pay money To my Pain/POLPO)、ベースの武史(山嵐/OZROSAURUS)、キーボードの渡辺シュンスケ(Schroeder-Headz)、ドラムの桜井 誠(Dragon Ash/ATOM ON SPHERE)、そして降谷建志が、ツアー初日の舞台となった名古屋クアトロのステージに現れた。
降谷建志1st LIVE TOUR 「THE PENDULUM」performed by Kj and The Ravens 写真:橋本塁(サウシュー&STINGRAY)‏
完全ソールドアウトとなったこの日、満杯のフロアに最初に鳴り響いたのは、パーカッシヴなピアノが印象的な美しいナンバーだった。戦うように激しく歌い鳴らされるDragon Ashとは異なり、ソロの楽曲の数々は、日々の心模様が繊細かつエモーショナルに歌い奏でられていく。大半の観客が歌詞を噛み締めながらステージを見つめる中、シングル曲「Playground」が鳴り響くと、あちこちからクラウドサーフが出現。そして、「飛び跳ねろ!」と降谷がいつものようにフロアを煽ると、次々とダイバーがステージを目指し、リズムに合わせて身体を揺らす観客も手拍子とシンガロングで応戦。フロア中が一瞬で熱気と興奮の坩堝と化していく。
「やべーっ、楽しい」
歓声を上げる観客を前に、ギターを抱えた降谷が笑顔でそうこぼす。その瞬間、2015年発表のソロ・デビューアルバム『Everything Becomes The Music』取材時の降谷の言葉が蘇る。
「出来るだけ早く2枚目のソロアルバムを作って、このメンバーでツアーをしたい」
このメンバーとは、今彼と共にステージに立つ、PABLO、武史、渡辺シュンスケ、桜井 誠の4人からなるThe Ravensのこと。もともとソロとして降谷が動き始めたのは、盛り上げた者勝ちのライブシーンを邁進するバンドのフロントマンとしての使命から解き放たれ、純粋に歌い奏でたい音楽を追求するためだった。だからこそ、1stアルバム『Everything Becomes The Music』も、最新アルバム『THE PENDULUM』も、基本的にはすべての楽器を降谷自身が一人で演奏している。そしてライブでそれを強者揃いのバンド、The Ravensで演奏することもまた、ソロとしての彼の大きな喜びなのだ。
降谷建志1st LIVE TOUR 「THE PENDULUM」performed by Kj and The Ravens 写真:橋本塁(サウシュー&STINGRAY)‏
降谷建志1st LIVE TOUR 「THE PENDULUM」performed by Kj and The Ravens 写真:橋本塁(サウシュー&STINGRAY)‏
降谷建志1st LIVE TOUR 「THE PENDULUM」performed by Kj and The Ravens 写真:橋本塁(サウシュー&STINGRAY)‏
約束をしようと歌う降谷が右手の小指を前に差し出すと、それに続くサビを観客が歌い始めた。リリースされて間もない最新アルバムからの楽曲であり、しかもライブで演奏されるのはこの日が初めてでもあるにも関わらず、だ。
「お互いクールにやってたけど我慢できなかったね(笑)。すげー楽しかった、ありがとう」
アンコールの中盤、熱気あふれるフロアに向かって降谷が笑顔で言う。初ツアーの初日は、ソロアーティストとしての現在の降谷建志のほぼすべてのナンバーが披露された濃密なライブとなった。CMでもおなじみの「Where You Are」、映画のエンディング曲でもある「ワンダーラスト」など、アルバム『THE PENDULUM』に収録された全楽曲はもちろんのこと、『Everything Becomes The Music』から初披露された楽曲もあり、The Ravensが奏でることでそれがよりダイナミックに進化。その結果、予想以上にフロアが盛り上がるなど、今回のツアーの行方がさらに楽しみになったことは言うまでもない。
降谷建志1st LIVE TOUR 「THE PENDULUM」performed by Kj and The Ravens 写真:橋本塁(サウシュー&STINGRAY)‏
喜びや悲しみ、その間にある微かな日々の機微もすべて歌い奏でた『THE PENDULUM』。ここにはきっと、言葉に出来なかったあなたや誰かの感情を呼び覚ます旋律や音が潜んでいるはずだ。ダイブせずにいられなかった大勢のオーディエンスや、隣にいた女の子の頰を流れる涙を見て、改めてそう確信している。手拍子とシンガロング、そして時折のダイブと涙に彩られたKj and The Ravensの初めての旅路。ファイナルの日には一体どんな景色が広がっているのだろうか?
取材・文/早川加奈子

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