焚吐

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【焚吐 インタビュー】
大勢を引き連れた棟梁的な焚吐

前作『呪いが解けた日』を経て、より感情が素直に表れ、同境遇や同調者の代弁者的存在になりつつある昨今の焚吐。新曲「量産型ティーン」は史上最高の攻撃的なナンバーに!

今回の「量産型ティーン」はかなり攻撃的な楽曲ですね。

大人に喧嘩を売ってるような曲ですからね(笑)。これまでの中でもかなり異色とは自覚してます。

どこか今の10代の子たちの代弁も感じます。

啖呵を切るにあたり“僕対大人”のみならず、近い気持ちの大勢を引き連れた棟梁的な焚吐としていきたかった面もありました。それもあってこの曲では年齢設定も14歳だった頃の自分にしたんです。

このように何かに対して抗う焚吐さんを初めて見ました。どうして今回このようなテーマに?

僕の21歳ってかなり微妙な年齢で。そこまで大人の考えに共感できないし、20歳を超えたのでティーンでもない。どちらに寄ったらしっくりくるかを考えた中、今はまだティーン寄りのほうが自分の感性に近いだろうと。であれば、思い切りティーンに寄った大人を敵対視した曲を作ろうと思い立ったんです。

これまでにはないキャラですが、その辺りはすんなり?

すんなりでした。前作以降、自分に素直になれたことも要因のひとつというか。あれで自分の負の感情を肯定できましたから。僕は特に反抗期等もなく、別に大人に抵抗することもないと思い込んでたけど、抑圧してきただけで心の奥底では沸々してたんでしょう。以後、湯水の如く怒りが沸いて出てきましたから。

この曲からは対大人や対社会から十羽一絡げにされる自分たちに対しての反発もうかがえました。

それは強くあります。誰も彼も“ゆとり”で片づけるなよ!って。ひとつのジャンルに属している個人が何か事件を起こしたりすると、そのジャンル全員が同類と目されるじゃないですか。まるで連帯責任みたいに。そこには誰しもがフラストレーションを抱えてるでしょうが、僕もそれがすごく嫌で。知ったかぶるなよ!と。そんな想いを込めてます。

それもある程度の俯瞰や客観視ができる年齢だからこそ、信憑性も伴い歌えた部分もあったのでは?

今までくすぶってきた過去が前提の曲ですからね。逆を言えば、今だから浮かび上がってきたテーマだったり。これまで募りに募ったものをここにきて爆発させちゃいましたから。なので、決して前作を経て自信が沸き、その勢いに任せて言うのとは違っていて。ずっと心に持っていたものを、今ならそれなりの表現力や描写力も付いてきたので歌い表せるようになった…そんな感じなんです。

歌っている時はそれこそ14歳の自分を憑依させて?

ある種14歳の頃の自分の代弁者なのかもしれません。それが今のティーンたちにも共鳴してもらえたら嬉しいです。

その代弁者的な意識もこれまではなかったですよね?

とはいえ、“お前たちの代わりに俺が言ってやる!”的な上から目線ではなく、単に自分が大人にムカついたからなだけで。それが結果的に誰かに共感してもらえたら嬉しいというスタンスは相変わらずですね。いわゆる表現としてこれまでよりも外に向いた感じで。特に今回は明確な敵がいるので(笑)。でも、自分も40歳ぐらいになったら、今自分がムカついているような大人になってしまう諦念もどこかにあって。それもあり、この曲の賞味期限は自覚しています。

諸刃の剣ですね。それもあり、あえて今回出そうと?

ですね。この曲を3年後や5年後に出していたら時間が経った分、気持ちも薄らいでしまうでしょうから。ライヴではこれからもどんどん歌っていくでしょうが初出しのタイミングは今しかない。初期衝動はもちろん、テンションの高いまま出したかったですから。

取材:池田スカオ和宏

シングル「量産型ティーン」 2018年10月31日発売 Being
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • JBCZ-4046 ¥3,704(税抜)
    • 【通常盤】
    • JBCZ-4047 ¥926(税抜)

『焚吐 3周年記念ライブ〜リ・リ・リボーン〜』

11/26(月) 東京・TSUTAYA O-WEST

焚吐 プロフィール

タクト:1997年2月20日生まれの21歳。東京都出身。某音楽大学在学中。10歳頃から楽曲制作を始め、それらを人前で歌うことで、自身の苦手とするコミュニケーションの代わりにしてきた。普段の物静かな佇まいとは裏腹に、本音を露わにした鋭利な歌詞と心に訴えかけるような力強い歌声が特徴の男性シンガーソングライター。焚吐 オフィシャルHP

焚吐
シングル「量産型ティーン」【初回限定盤(DVD付)】
シングル「量産型ティーン」【通常盤】

「量産型ティーン」MV

OKMusic編集部

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