XOX、マッシュアップ、絶好超団☆Lo
Veら出演 『BOY'S PANIC ~Autumn
FES 2018~』第1部をレポート

BOY'S PANIC ~Autumn FES 2018~

2018.9.30 新木場 Studio Coast
大きな嵐がやって来ようとしていた。去る9月30日、関東は大型台風24号の接近へと向け、朝から何かとあわただしい空気感に包まれていたのだが、その一方で新木場 Studio Coastでは総勢40組近くのボーイズグループたちが集結するイベント『BOY'S PANIC ~Autumn FES 2018~』が開催されることとなっていたのである。
ちなみに、この『BOY'S PANIC ~Autumn FES 2018~』とは今年8月に幕張メッセにて開催された『メンズパニック2018』の続編ともいうべきもので、会場敷地内に設置された3つのステージ上で昼の第1部と夜の第2部にわたり、各グループが限られた持ち時間を最大限に活かしながら、自分たちの擁する魅力をいかに発揮していくことが出来るのか?ということを、ある意味では競うような場となっていたと言っていい。(ここでは第1部の模様をレポートしていくこととする)
かくして、このイベントの開始にあたりまず最初にオープニングMCとして登壇したのは『仮面ライダーアマゾンズ』の水澤悠役として主演をつとめたことでも知られている、若手俳優・藤田富。昼日中からの開演ということもあり、まだ少し“こなれていない”会場の空気をその気さくなトークでほぐしてくれた彼は、映像作品の中だけにとどまらない好青年ぶりをここでも感じさせてくれていた。

TERCERA TRAPs MOIS
「こんにちは! 今日はよろしくお願いします!!」
その後、威勢の良い挨拶の言葉とともに『BOY'S PANIC ~Autumn FES 2018~』第1部の一番手としてあらわれたのは、TERCERA TRAPs MOIS(テルセラトップスモア) の面々。実はこのライブから約10日後に、7人いるメンバーのうちカバッロ・ムッカ・ラパンが惜しくもグループから卒業してしまうことになったのだが、この日は彼らはそのラパンも含めてのエネルギッシュなパフォーマンスを我々に提示してくれることに。中でも、メンバーが観客たちにモッシュを促した「わっしょい!日本一の夏休み」では、終わったはずの夏の熱さが場内に戻ってきたかのような盛り上がりをみせ、TERCERA TRAPs MOISは見事に火付け役としての大任を完遂してみせたと言えよう。

JG
また、もともとBEE SHUFFLEに在籍していたJOONHO&GYUMINの2人からなるボーカルユニット・JGは、この日いきなり久保田利伸の名バラード「missing」のカバーで観衆の聴覚と心に訴えかけるようなヴォーカリゼイションを披露するところから、そのステージングをスタートさせるというアプローチを展開。こうしたイヴェントでバラードからしっとりと聴かせにかかる、というのはもちろん相応の実力がなければ決して出来ないことだ。
そのうえ、12月25日にリリースが決まっているというJGとしてのセカンドシングル「ハナツバキ」もいちはやくこの場で聴かせてくれることになり、その流暢で軽妙な日本語トークもあいまって、彼らはしっかりと観衆の心をつかむことになっていたように感じる。おそらく、ここからJGはあらたなる韓流ムーブメントを生み出して行く存在になっていくのではなかろうか。

FIZZYPOP
とはいえ、ここからの日本勢の活躍ぶりにもやはり目を見張るものがあった。たとえば、2017年5月に結成された4人組ダンスボーカルグループ・FIZZYPOP(ナチュラル炭酸) がこのあと舞台上にて見せつけてくれたのは、そのグループ名どおりに爽やかさと快活さにあふれたステージアクトそのもの。
「夏を感じていきましょう!」
との掛け声から始められた、ハジけるようなポップチューン「Endless Summer」をはじめとして、この日の彼ら4人が歌と踊りを通じ我々へと伝えてくれたのは、ある種の夏の残り香だったのかもしれない。

CrownClown
かと思えば、今年2月に始動したばかりの5人組アイドルグループ・CrownClownは超有名ボカロ曲「太陽系デスコ」から、フォーメーションチェンジをまじえながらのダンスと歌で、メンバー5人の持つ個性を強く主張してみせる戦法でフロアへとアピール。やや長めの尺を割いた丁寧な自己紹介コーナーも、初見の人にとっては非常にわかりやすいものとなっていた。なんでも、この日の彼らは1部が私服、2部が衣装での出演となっていたそうで、そうした面での見せ方もなかなか乙であったと言えそうだ。

絶好超団☆LoVe
「あらためまして!僕らは絶好超団☆LoVeです!!よろしくお願いします!!!」
さて。1部が後半戦へと向かっていくのに際し、ここでイベントにブーストをかけるべくステージへと躍り出たのは、“LOVEチャージ”を合言葉に掲げ、同時に「日本中を絶好超にする!」をテーマに連日連夜ハイペースでライブ活動を敢行している、絶好超団☆LoVe。9月からはMXTVにて新感覚学園ドラマ『キラキラ男子プロジェクト メンドル学園』のオンエアも始まっているほか、先だって9月21日には新宿BLAZEでの2ndワンマンライブ『Second Impact』も成功させたばかりの、まさに絶好調な絶好超団☆LoVe がこの場にさらなる旋風を巻き起こしてくれることになった。
いずれも歌詞に“絶好超”のフレーズがそれぞれ異なるかたちで織り込まれている「ロック」や「ウエヲムイテ」、そして「ビバビバ」など全5曲の中で、絶好超団☆LoVeの絶好超団☆LoVeたるところを彼らがあますところなく開示していくれていたことは間違いない。来たる2019年1月24日には渋谷のストリームホールにて3rdワンマンライブを行い、その後に全国ツアーも控えているとのことで、ここからも絶好超団☆LoVeの全力疾走が続いて行くことは確実だ。
そうこうしているうちに、午後になって関東では雨風が強くなったり、夜20時以降にJR全線が台風による運休を発表するなど、何かとモノモノシイ雰囲気は濃厚になりつつあったものの、それでも『BOY'S PANIC ~Autumn FES 2018~』がイベントとしての勢いを落とすことはなかった。会場内では、出演者がファンをおもてなしする“カフェ・ド・ネオン”が賑わいをみせていただけでなく、本来なら野外ステージに出演するはずだったグループたちが悪天候のため別ステージにて急遽ライブを展開するなど、雨ニモ負ケズな構図が繰り広げられていたのである。

新世紀えぴっくすたぁネ申
しかも、メインステージにこのタイミングで降臨したのはボーイズアイドル界の異端児・新世紀えぴっくすたぁネ申(しんせいきえぴっくすたぁごっど)。メンバー9人全員がヲタクであることを真っ向から全肯定しており、いわゆるヲタ芸をダンスパフォーマンスの中に大胆不敵なかたちで盛り込んでみせるなど、日本のサブカルチャーをなかば凝縮したような存在として、なかなかの異彩を放ってくれていたところはさすがの一言。

XOX
さらに、第1部トリ前の重要な場面ではハイブリッド型のダンスボーカル・グループとして着実な歩みをみせてきているXOX(キスハグキス)も、圧倒的な個性で観衆を圧倒していたことは言わずもがなだろう。メンバー全員がフロントを担えるだけのスタンスでいたい、という主旨から歌とダンスを分業することなくそれぞれが場面によって必要な表現方法を体現していくという彼らの手法は、なんともアーティスティックだ。
そればかりか、このたび9月30日に発表された最新シングル「Chroma/上海ハニー」では表題曲「Chroma」の作詞にメンバー全員が参加したそうで、全員が二十歳を向かえて成人になったことを記念し、それぞれの内にある素直な言葉をそこに託したというから興味深い。当然、11月から始まる全国ツアー『THE ONE』でもXOXの発するアーティスト性が色濃く醸し出されていくことになるのではなかろうか。

マッシュアップ
「皆さん、楽しんでますか!僕らは7人揃ってマッシュアップです! 今日は第1部のトリつとめさせていただくということで、頑張りたいと思ってます。まだまだ最後まで、盛り上がっていきましょう!」
今年7月より5ヵ月連続リリースを続行中のマッシュアップは、この日メンバー全員が和のテイストを感じさせる衣装にて見参し、それが実に似合う「暁月夜」を艶やかに熱唱。それだけにはとどまらず、「最高炸裂ディメンション」でもワイルドな色気を感じさせる歌とダイナミックなキレのある踊りぶりで、場内からのハイテンションな嬌声と大歓声を浴びることとなったのだった。それはトリにこそふさわしい、貫録あるものだったと断言出来る。迫り来る嵐に対抗するかのような、渾身のパフォーマンスがそこにはあった。

文=杉江由紀 撮影=内藤まみ

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