LUCKY TAPES、Awesome City Clubら4
組がユニバースで魅せる 『Mint Bl
ue Moment'18』をレポート

今年2月、神戸と京都で行われたイベント『Mint Blue Moment』が好評につき、今度は『Mint Blue Moment'18』として9月14日に大阪で開催された。しかも会場は味園ユニバースという、かつてはキャバレーだったという背景を持つレトロな空間。今回、そこに集まった、今注目のodolAwesome City ClubTENDRE、LUCKY TAPESの4組は、果たしてどんなライブを見せたのか。その様子を順にレポートする。
DJ DAWA
今回も開演前や転換中にはDJDAWA(FLAKE RECORDS)と河嶋奈津実(FM802)によるDJで会場を盛り上げる。
河嶋奈津実
●odol●
odol
ゆっくりとドラムがリズムを刻み、ブルーの照明にシルエットを浮かび上がらせて登場すると、徐々にテンポ上げて日の出のように滑らかなスタートを切る。そしてシームレスに「大人になって」のシンプルで力強いサウンドへ。ゆえに際立つ歌声は、観客に言葉を届けて曲の世界へと引き込む。
odol
すると今度は楽器もボーカルもストイックにリフレインする「four eyes」でさらに深みへ導き、続く「綺麗な人」で熱を上げる。美しいピアノやたたみ掛けるギターが寄り沿い、見えるのは少し晴れた光景だ。また、アンビバレントな曲の物語を体現する「GREEN」も見事。ピアノ、ベース、ストリングスの音で壮観な様と不安を同時にもたらす。続く「夜を抜ければ」では、清々しさもあるメロディをエキゾチックなライブアレンジでたっぷり鳴らして脳内トリップへと誘い、そのまま「時間と距離と僕らの旅」でさらに広がりある世界へ。
odol
メロディックなギターで気分よく突き抜けて、「12月のツアーでお会いしましょう!」(ミゾベ/Vo)とラストの「生活」へとつなげる。エモーショナルな曲に、熱をすべて放出するように絞り出す歌声をのせて胸を締め付け、心に焼印を残すようにして全7曲を締めくくった。ちなみに彼らは今日披露した「four eyes」などの3曲を含む、3rdアルバム『往来するもの』を10月24日(水)に発表し、その後はMCでもあったようにツアーへ。どちらにも期待が高まるばかりだ。
odol
●Awesome City Club● 
Awesome City Club
『Mint Blue Moment』2回連続出演の彼らのライブは勢いよく「ダンシングファイター」から! 「今夜はアホになりましょう!」(atagi/Vo.Gt)と一気に観客を加熱し、どこか南国も思わせるグルーヴでパーディムードにすると、さらに人気の2曲で追い打ち。まず「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」では、PORIN(Vo.syn)の「嘘つき」のささやきに、女性からも「キャー」という声があがり、さらに全員で手をグルグルさせるふりで早々に最高潮といったところ。
Awesome City Club
次の「アウトサイダー」のキラキラとしたナンバーに合わせて手が左右に振られ、全員が楽しむ気満々の様相だ。そして、ひと足先に冬を感じる「青春の胸騒ぎ」を投下すれば、今度は少し甘酸っぱいメロディと言葉でゆったりと揺れさせる……が、次は「太陽みたいな女の子に僕は恋をしました…という曲」(atagi)と「SUNNY GIRL」で夏に逆戻り。なかなか揺さぶってくれるが、観客はクラップ&ステップで即応戦。ハイトーンのatagiのボーカル、歌うようなギターソロなどでさらなる高みへと進む。
Awesome City Club
だがatagiは「まだまだいけるか、大阪?」とひと吠えして、またもキラーチューンの「Don't Think,Feel」で極限の盛り上がりへ。「Don't Think」「Feel It」 のコールも発生して、思わず「最高だよ、大阪」(atagi)のひと言が漏れると、最後はPORINの伸びやかな歌声とタンバリンが軽快に響く「GOLD」で華やかにフィニッシュ! 満足度200%のエンターテインメントを繰り広げた。
Awesome City Club
●TENDRE●
TENDRE
スリーピースバンド・ampelの河原太朗(Vo.B)のソロプロジェクト・TENDREは、サポートメンバー4人を引き連れてステージに。まずはポップかつグルーヴィーな「DRAMA」でリラックスした空気を生み出し、流麗なメロディの「DISCOVERY」へとつなぐ。途中、切り裂くような鋭いサックスも重ねられ、感情はアップ&ダウン。
TENDRE
一方、会場の熱は確実に上がり、河原からも「ユニバース、やばい」の言葉が。そして「新曲やります。お手柔らかに」と「SYMPATHY」を披露すると、浮遊感あるキーボードやシンセサイザーから徐々にエネルギッシュになって到達する大サビへの上昇は、曲後に大歓声と拍手を起こす高揚感。これには河原も「ドキドキしちゃった(笑)」となる。中盤はタイトルよろしく重さもきらめきも感じる「Night & Day」、そしてドリーミーなAAAMYYY(Syn.Cho)の曲「KAMERA」をプレイ。AAAMYYY(syn.cho)と河原のハーモニーでも魅せる。
TENDRE
さらに10月24日(水)にアルバム「NOT IN ALMIGHTY」をリリースするという、嬉しいアナウンスのあとはいよいよラストスパートへ。まずはソフトな歌声が夢心地の「hanashi」。これもまた終盤に向かって加速&加熱し、緩急あるビートで観客を波打ったり跳ねさせたりさせると、最後はデジタルとバンド、2つのサウンドで打ち上がる「RIDE」でさらに観客を身もだえさせ、大きな興奮の渦を巻き起こしていった。多彩な音の流れに身を任せて楽しむ約40分は、まさにあっと言う間の時間だった。
TENDRE
●LUCKY TAPES●
LUCKY TAPES
彼らはホーン隊も含め全9人の大所帯で登場! 「Gravity」で甘く気だるくメロウに幕を開けると、「一緒に声出していきませんか?」(高橋海/Vo.Key)の煽りからは「Let's get itstarted」のコールも! 1曲目から早くも観客は骨抜きだ。そして続くのは「レイディ・ブルース」。今度も心地いいビートと弾けるようなホーンやコーラスなどで、さらに楽しさを増幅。次の「体温」ではポップかつダイナミックな音を響かせるとともに、ジャジーなシーンでは楽器それぞれの音が表情豊かに聴覚を刺激してトリッキーに展開する。
LUCKY TAPES
その聴きごたえは、フロアから歓喜の声が何度も聞こえてくるほどだ。また、人気の「Balance」を挟んで「新曲やります!」(高橋)と、10月3日(水)発売のアルバム『dressing』から「Punch Drunk Love」もチョイス。心躍るボーカルとコーラスの追いかけっこやスケール感あるサビは痛快で、観客は手を振り上げステップを踏みライブを謳歌。するとここで村上(Sax)が前に出て指揮を執り、ライブならではのセッションタイムへ! 
LUCKY TAPES
“お~!”と思わせてそのまま「MOOD」に突入すれば、会場のテンションも頂点!! エモーショナルなメロディも迫力ある演奏も可憐な歌声も全部が気持ちを高ぶらせるが、気付けば次が最後の曲。選ばれたのは「dressing」の「ワンダーランド」で、シャッフルビートでハミングのようにふわりと綴りつつ、キャッチーなサビをしっかりと耳に残していった。
もちろん彼らはアンコールにも応え、オーラスは「シェリー」で優しく温かく会場を包む。観客はもう一度気分よくスイングすると、曲後は割れんばかりの拍手。『Mint Blue Moment'18』は盛況のうちに幕を下ろした。
LUCKY TAPES
4時間近くの長丁場となったものの観客の数は減ることなく、多くの人が最初から最後まで全4組のライブを堪能した。このことからも、今回のラインナップの充実ぶり、そして各アーティストのアクトのすばらしさがわかる。次回『Mint Blue Moment』の開催が、今から待ち遠しい限りだ。
取材・文=服部昌子 撮影=森好弘

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