長田大行進曲2018ライブレポート~こ
の日この場所でしか体験できない数々
の想い出が得れた貴重なフェス~

「長田大行進曲2018」2018.9.29@兵庫・神戸空港島内多目的広場 特設野外ステージ
NAGATA・SUMAステージ
藍坊主 / 175R / 打首獄門同好会 / SA / オメでたい頭でなにより / ガガガSP / かりゆし58 / 四星球 / STANCE PUNKS / セックスマシーン / 怒髪天 / KNOCK OUT MONKEY / ハリウッドザコシショウ / ハルカミライ / Hump Back / POT
ITAYADOステージ
Theサード / 人性補欠 / THE SENSATIONS / 寺山リウジ / 花団 / THE FOREVER YOUNG / ヤングオオハラ / 流血ブリザード / LATLX

「ライヴバンドの底力」「百戦錬磨ならではの臨機応変さ」「ピンチをチャンスに切替える機転」「観者/演者無関係で協力し合い最後まで成し遂げようとする気概」「逆境が運んだ忘れられない光景」「稀な機会が故にそれを楽しもうとの姿勢」…。この日この場所でしか体験できない、数々の想い出が得れた貴重なフェスであった。
今年のガガガSP主催のフェス『長田大行進曲』がした。と記したのは他でもなく、翌日の超巨大台風直撃の前兆の風雨の中、みなの理解や協力の下、無事故にて最後まで完遂された意。はステージに会場に終始無数の笑顔の花を咲かせていた光景に他ならない。そう、今回の同フェスは、荒天が故の幾つもの想い出深い場面や光景を体感することが出来た。
以下はその日のドキュメントだ。いささか緊迫的に映るかもしれないが、実際の現場は終始「なるようになれ!」「こうなったらとことん楽しんでやる!!」的な楽天的で笑顔溢れる雰囲気が溢れていたことを先に伝えたい。
長田大行進曲2018
この「長田大行進曲」は「日本最古の青春パンクバンド」ことガガガSP主催の彼らの地元・神戸で行ってきたイベント。元々はライヴイベント「長田行進曲」としてデビュー時から行われてきた。この『長田大行進曲』として野外のフェス形式に移ったのは2010年から。以後2011年、2017年を経て今回が4度目の開催となる。場所は昨年に引き続き神戸空港島内多目的広場。そこに特設野外ステージを組み行われた。ステージは2つ。各々地元兵庫の地名を冠した「NAGATAステージ」「SUMAステージ」をメインに、ノンストップ形式で交互に自身の音楽性を放ち合った。また、道路を挟んだ隣の「ITAYADOステージ」でも若手やガガガSP所縁のバンドたちが次々出演。こちらも己の個性を放ち合っていった。
花団
開会30分前に会場着。雨は激しいがまだ風はそう強くない。そんななか開演まで待ち切れんとばかりにITAYADOステージに花団が景気づけに現れる。この雨にも関わらず上半身裸のボーカル。「雨、怖くない。でも電気ビリビリしてる」と吹き込んでくる雨で楽器やマイクが漏電を起こし、若干感電しながらも「ホネホネロック」等、親しみやすい歌を会場も上手く巻き込み一体感のあるステージを展開。イベントを温めた。
10時50分。NAGATAステージのステージ上にガガガSPのメンバーと「長田大行進曲」開始以来の初の芸人登場となったハリウッドザコシショウが現れ開会宣言が成された。「かろうじて開催することができました。やる限りはベストを尽くす。最後までよろしく!!」とガガガSPボーカルのコザック前田。「雨は雨で楽しみましょう」とベースの桑原康伸も加える。また昔、前田が顔が似ている言われたり、メンバーも昔からのファンであったとの理由から声がかかったザコシショウも、この気候にも関わらずいつもの黒パンツ一丁にテンガロンハット姿で、「降ってるのが雨で良かった。うんこが降ることがあるから」と早くも場内の失笑を買う。
POT
前田自身が紹介する各アーティストの呼び込みジングルの後、まずはPOTがNAGATAステージに現れる。「始めたら雨や風なんて関係ないから」とばかりに「EPIC」から駆け出した彼ら。「自称大阪一の晴れバンド」の面目躍如、それまでの降雨もピタリと止む。フロントの3人が次々とボーカルをとるスタイルが魅力の彼ら。「みんなの背中を押して帰るから!」と挑んだ「COUNTDOWN」、またスカナンバーの「l scream fuckin'day」では田んぼ状態関係なくいつも通りメンバーが客席に降り、同曲に乗せ会場と一緒に楽しそうに泥まみれで踊る。「心から楽しむように」と自身の信条を会場に残しステージを去った。
オメでたい頭でなにより
POTが去ったと同時にまた雨が激しく降り出す。そんな中、SUMAステージ一発目のオメでたい頭でなによりが登場。「最高のロケットスタートを切るために来ました。これぐらいの天候の方が逆に面白いん違います?」とボーカルの赤飯が煽る。自己紹介的な「鯛獲る」を始め、タオル大旋回の「海老振り屋」等、彼ら独特の歌の声色を変えラウドを中心にめまぐるしく構成展開していくサウンドを駆使し、会場をみるみる惹き込んでいく。フロアを沸かせた「スーパー銭湯~オメの湯~」。みんなの雄々しい呼応で場内を一つにした「We will luck you」。ラストは大団円ソング「オメでたい頭でなにより」が無数のダブルピースの花を咲かせた。
KNOCK OUT MONKEY
「やると決めたら全力で遊んだらいいんじゃない?」とNAGATAステージに現れたのはKNOCK OUT MONKEYだった。「曇天の中、歌うぞ!!」と誓い放ったドライブ感たっぷりの「JET」を筆頭に、「めぐみの雨にしようぜ!」「泥んこ祭りにようこそ!」とファンキーさも交えた「Dog」が会場をバウンスさせていく。「いつもライブハウスでパンツまでぐっしょりなんで今日は逆に涼しいぐらいだ」とボーカルのw-shun。「Black or White」では巨大なモッシュピットが生まれ、ラテンポップが場内を楽しげに躍らせた「Flight」。巨大な高速サークルピットを巻き起こした「Our World」等、まさに「地元神戸の暴れ猿」面目躍如なステージを展開した。
この辺りから、いつイベントが中止になってもおかしくないほど、ますます天候が荒れてくる。以後途中中止をすることなく行いたい配慮から各バンドの理解と協力の下、各バンドの持ち時間を若干短縮しイベントを前倒ししていくことに。それに乗じ無事完遂に向けフェス全体が動き出していく。
「ガガガSPの後輩です」とステージに現れた、かりゆし58。「さすがガガガ先輩。やるしかない状況を作ってくれた」と空を見上げ、「今日は自由にやらせてもらう。あなたと遊びに来たんですから」との温かい気持ちと共にライヴは開始された。レゲエの裏打ちが気楽さを呼び込んだ「手と手」、「この非常事態、好きなことを好きなだけやらせてもらいます」と入った「アンマー」では親への感謝と愛しい者への想いを募らせ、彼ら独特の一般の人々のキラキラとした物語を広げていった「ウクイウタ」、また、「オワリはじまり」も場内を風雨の中に居ることを忘れさせ大らかな気持ちにさせてくれた。
藍坊主
この頃になると雨は若干止んではきたが逆に風が吹き始める。そんな中NAGATAステージに現れた今年結成15周年の藍坊主。まずは暗闇で探す小さな光を追い求めるかのような「伝言」がスケール感たっぷりに場内に放たれる。また、「ハローグッバイ」がキラキラさを交えてライブを走り出させれば、「今日は特別な日ですが当たり前の日常も捨てたもんじゃない」と入った「スプーン」では、当たり前で気づかず失ったものが歌われた同曲と共に少々の後悔が聴き手の中で広がっていく。対して「嘘みたいな奇跡を」が再びライブを走り出させれば、パンキッシュな2ビートナンバー「殴れ」で締め。キラキラとした歌物語の幕を閉じた。
STANCE PUNKS
この辺りから雨は止んだが逆にかなり強い風が吹き始める。
今年もこの20年近くガガガと共に走ってきたバンドたちも登場した。SUMAステージのSTANCE PUNKSもその一つ。お互い東西に在しながらも走り続けてきた数少ない日本語パンクバンド同士だ。大合唱と力強い呼応を場内に湧き起こした「stay young」が狭い部屋から世界に向けての挑戦の歌を響き渡らせれば、「青道」では前田も突如飛び入りでコーラス参加。疾走8ビートで場内を駆け抜けた「ザ・ワールド・イズ・マイン」、クソったれ!をこだまさせた「クソッタレ解放区~クソッタレ2~」、そして「みんなまた生きて会おう」との誓いの後ラストには「モニー・モニー・モニー」が放たれ生き様のようなステージを魅せつけた。
ハルカミライ
「このシチュエーション(荒天&足元ぬかるみ状態)を大逆転しようぜ!!」と挑んだハルカミライ。「カントリーロード」から早くも場内のアンセム化に乗じボーカルの橋本学も田んぼ化した客席へと飛び込む。「ファイト」ではギターの関大地も客席へ。「たまにはドロドロになるのもいいな」と泥まみれの橋本がオーディエンスにリフトアップされながら語る。「春のテーマ」の際には会場のど真ん中でみなで大合唱。「中学高校と野球部だったけど、こんなに泥んこになったことはない」と笑うほど全身泥まみれだが楽しそうだ。その姿に「時には理性を捨てて心から楽しむべき」とのメッセージを受けたのは私だけではなかっただろう。
175R
雨は時折に変わるが逆に風が増々強くなっていく。物販や飲食等のテントも強風でバサバサいっている。
こちらも20周年。ガガガと活動同世代の175RがSUMAステージへ。「ハッピーライフ」に合わせて場内からも大合唱が起こる。足をひねり万全ではない中、それを感じさせないステージを展開した彼ら。20周年自身祝いソング「anniversary」が明日への自分へと乾杯し、「まだ夏は終わってない!!」とラテンポップも交え会場中をジャンプさせた「夏のマボロシ」、「同じ時代を生き、いなくなったバンドも多いなか未だ語り合えることが嬉しい」とガガガに対してのこれからもよろしく感溢れるMCの後、「誰にも負けてねえあの時のあの歌をうたおうか」と「空に唄えば」。当然みんなが大合唱。20年の時空が飛び越えられた瞬間を見た。
ここでステージの合間合間に、強風による倒壊の危険も出てきた関係上ステージのテントが取り払われる。これが取り払われた後、客席を通り場外へと運び出すのだが、驚いたことに客席を通り持ち運ぶ際には誰も促すこともなくお客さんまでもが手伝いに。この参加意識や共同体感には正直感動した。凄くいいお客さんが集まったことを感心すると同時にイベントを成功させたいとの一丸となった想いも伝わってきた。
ステージ上で雨を避けるものが一切なくなった丸腰のステージ。ここから再び降雨の可能性は非常に高い。以後のステージは雨風にさらされても関係なく己の音楽を放ち合う名場面に幾つも遭遇した。
ハリウッドザコシショウ
SUMAステージにハリウッドザコシショウが現れる。肌寒さなんてなんのその、いつものいで立ち&お得意の誇張モノマネねたを中心に、キ●ガイ等地上波じゃNGの禁止用語や描写も交え、有名人各人から名誉毀損で訴えられてもおかしくないデフォルメ化されたネタを連発。このような機会がないと生のお笑いに触れることのない人たちも含め会場中が時には失笑も交え笑った。
ヤングオオハラ
強風のなかITAYADOステージに移動。こちらも客席の地面はかなりのぬかるみだ。私が行った際には沖縄在住のティーンネイジャーバンド、ヤングオオハラの出番前。まずはテントがスタッフ/お客さん協力の下、撤去されていく最中であった。
「沖縄は台風が多いからこんなの慣れっこ。沖縄では嵐でも関係なく遊ぶ。今日もそんな感じで一緒に遊ぼう!」とヤングオオハラ。ドライブ感溢れる「新」でのサビのストレートさの気持ち良さ、現代若者版『映画スタンドバイミー』を彷彿とさせるダンサブルな「サマタイ」では間にハーフにしてスウェイさせる展開も。また、ミディアムでたゆたわせつつスケール感のある「HANBUN」での途中豹変してテンポアップする箇所にもグッときた。「一つになろう」とボーカルのハローユキトモ。最後は6/8の大合唱系ナンバー「美しい」で、ぬかるみの客席の中かまわず地面に寝っ転がり泥だらけになりながらも歌う。大物の片鱗が伺えた。
セックスマシーン
会場同様、逃げる場所が一切なくなったNAGATAステージに現れたのはセックスマシーンであった。ステージも客席も関係ないとばかりに、いつものライヴ同様、会場全体で一緒に歌い、メンバーもステージのみならず客席でも歌った彼ら。もう彼らの場合、セッティングの「サルでもわかるラブソング」の時点から本気。会場も交えての大合唱のリハーサルも兼ねる。そのままライヴに突入。会場のシンガロング大会の幕が切って落とされた。「君を失ってwow」では、俺も客一緒に歌うぜとばかりにワイヤードのマイクと共にボーカルが客席に飛び込み、みんなにもみくちゃにされ泥まみれになりながらも歌い続ける。そこに負けじとお客さんも合わせて大合唱。まさしくこの日もシンガロング大賞は彼らに輝いた。
打首獄門同好会
「面白いフェスになってきたなぁ。俺は知ってる。こういったフェスは後々伝説として語られるんだよ!!」と、その伝説的なフェスの中、更に伝説を残さんとばかりにSUMAステージに立ったのは打首獄門同好会だった。「ガガガSPよ、泥臭いバンドとは思っていたが、今日は物理的にも泥だらけじゃないか~!!楽しくなってきた~!楽しくやろうぜ!!」と大澤会長(Vo.&G.)。うまい棒讃歌の「デリシャスティック」から、「今日は9/29、食い肉の日でございます」と「ニクタベイコウ」へ。肉讃歌の同曲を経て、まるで焼肉食後のパワーがみなぎってくる。「日本の米は日本一」と食べ物ソングを続けつつも、最後はこの日のみなの気分を代弁するかのように、当初は全く予定に無かった、帰って風呂入ってそっこー寝る計画に想いを馳せさせた「フローネル」で締め。サービス精神も伴って満腹なステージを味合わせてくれた。
SA
メインフィールドではNAGATAステージでのSAが佳境であった。「怖いことを言ってるおじさんに映るだろうけど、実は優しいおじさんたちだから」と会場を諭していたのもおかしかった。とは言え幾つになっても夢を信じていいし、そこに向かうべきだとの勇気を与えてくれる楽曲群が魅力の彼ら。夢はまだ五分咲き、これからも行くぜとの気持ちを込めた「赤い光の中へ」が力強くみなと育てられていけば、ツイスト必至のロックンロールナンバー「RALLY-HO!」が人生は美しくて素晴らしいと謳ってくれた。
Hump Back
陽も落ちかけた頃。この日唯一の女性バンドHump Back がSUMAステージ現れた。「ロックバンドなんで手拍子じゃなくコブシを」と会場との誓約後開始されたそのステージ。ガガガSPの「卒業」の歌い出しから「ガガガSPに愛を込めて」と(Vo.&G.)林萌々子が一言。続く「拝啓、少年よ」が夢はもう見ないのかい?と会場に詰問してくる。芯のある歌声にややアンニュイさも宿した歌声とエモさを多分に擁した演奏が特徴的な彼女たち。「短編小説」がエモさとドライブ感を呼び込めば、「この長田大行進のは自分のペースや歩幅で歩こうぜという意味やと思ってる。泥んこになってまで最後まで楽しもうとしているカッコイイみんなに負けへんようにロックをやって帰る」と「星丘公園」「月まで」を放った。
怒髪天
再び雨が強くなる。テントは既に無く雨を避ける場所がどこにもないステージにて、「でも、やるんだよ!!」的なド根性のステージを魅せてくれたのはNAGATAステージの怒髪天だった。「やっと出れると喜んでいたらこの天気。今日は短いけどそのぶん凝縮して演る!!」とボーカルの増子直純が自身の髪をひと撫でしたその櫛を客席に投げ入れライヴが開始された。大人はサイコーと「オトナノススメ」にて大人の悲喜こもごもを歌い笑い飛ばし肯定すれば、「酒燃料爆進曲」が頑張る自分を鼓舞していく。
四星球
SUMAステージの有終を飾った四星球は昨年同様、彼らがリスペクトしているガガガSPのドラム田嶋悟士に捧げるナンバー推しのステージを展開した。風雨もなんのその相変わらずのハッピにブリーフ一丁で挑んだ彼ら。しかしこの日はそこに長靴も装備。逞しく映った。田嶋を模した段ボールと共に場外より客席を通りステージに上がった彼ら。この日はガガガSPの向こうを張り田嶋SPと自らを名乗り臨んだ。自身の「ギンヤンマ」を「タジヤンマ」に、ガガガSPの「弱男」を「タジ男」に、STANCE PUNKSの「すべての若きクソ野郎」を「すべての田嶋味噌野郎」に、また自身の「クラーク博士と僕」を「クラーク博士と田嶋」とし、歌詞をしつこいぐらいに田嶋に替えて歌い会場を楽しませてくれた。
ガガガSP
ここまででみんなの協力の下、時間が予定より1時間半も前倒しとなった。風雨は強まるがまだ継続は大丈夫そうだ。そんな中、大トリのNAGATAのステージにガガガSPが現れた。
まずはこんな状況下でも最後まで残ってくれたお客さんに感謝し丁寧に深く礼が。翌日には39歳を迎える前田。この年でも何度も青春と呼べる瞬間を経験し、その信憑性を込め「青春時代」からライヴは走り出した。「パンクは大人の本気を見せるところ。まだ心の花火は消えていない」と「線香花火」へ。会場の大合唱を引き連れていく。また、その心の手綱をもっと自身へと引き寄せんとばかりに入った「つなひき帝国」では、会場との心の綱引きを繰り広げ、本編最後は、死ぬまで生きてやるとの気概のこもった「晩秋」が歌われた。
ガガガSP
アンコールは「明日からではなく」が歌われた。風雨のなか一緒に呼応し歌い拳の上げる光景は場内のライトと共にとても美しいものに映えさせた。21年目も変わらず自分たちらしく泥臭くやっていく宣言を最後に彼らはステージを終え、同時に『長田大行進曲2018』も幕を閉じた。
ガガガSP
「今日この事態だから急遽全バンドに当初の持ち時間から10分づつ減らして欲しいと告げられた。でも全バンドが不平もなくそれに従い対応した。それの何が凄いって、今日はそれだけライヴバンドが揃ったってこと。普通はそんなことはない。ライヴバンドでも「出来ない」とか文句言うヤツが絶対にいるから。でも、このいつ中断しても不思議じゃない状況の中、トリのガガガも含め完遂したいとの気持ちから、協力し合い理解し合いそれが実現している。これって本当に凄いことだよ」と自身の出番中のMCで四星球のボーカルの北島は語った。まさにこの日は、この言葉に集約されている。誰かの想いの込もったバトンを、そこに自身の想いも込めながら次の者に手渡しし、遂には完成に至らせる。いや、もちろんそれは集まったお客さんも含めてだ。この風雨のなか最後まで、時には泥にまみれながらも楽しみ抜き、事情を飲み込み理解し、文句もなく、各バンドの万全でない分はみな補完し合い…この日のイベントはまさに演者/スタッフのみならず、文字通りお客さんも交えて完成させたフェスであった。
では果たしてこれがどのフェスでも当てはまっただろうか?いや、主催者の顔の見えるフェスではないと、なかなかここまでの状況や光景は成立しないだろう。そしてこの日、まぎれもなくそれを成立させた。その顔こそガガガSP。そして彼らがこの20年間で築き上げてきた絆や友情、信頼やシンパシー、信憑性や求心力に他ならない。
むっちゃ熱くて、いいフェスじゃないか!! それらも含め、「長田大行進曲2018」は素晴らしいフェスだったんだな…と帰路改めて想った。
取材・文=池田スカオ Photo byオオツカユウコ、ナカオユカ、ニイミココロ、マッサン

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