「フォルラン電撃加入」「選手のツイ
ッター」Jリーグ改革がはじまった!

経営難のJリーグが選んだ道

 1月22日、ウルグアイ人FWのディエゴ・フォルランが自身の公式ツイッターで、Jリーグのセレッソ大阪と契約を結んだと発表した。前所属クラブのインテルナシオナルとセレッソ大阪からは公式発表はないが、ほぼ決定とみて良いだろう。フォルランの父親が明かしたところによれば、契約期間は1年半で「拒否するには非常に難しい額だった」そうで、総年俸は6億円とも言われている。
 しかしなぜセレッソ大阪がフォルランを獲得できたのであろうか? セレッソは昨シーズンのチーム総年俸が約4億6千万円。フォルランの年俸6億円を負担できるほどの経済規模を持たないクラブだ。また、香川真司、乾貴士、清武弘嗣らを海外に輩出したクラブということからわかるように、勝つことよりも若手を育てることに重きを置いており、フォルランの獲得はクラブの哲学とも反するのだ。
 2012年にイタリアのファンタジスタ、デル・ピエロがユベントスから移籍先を探しているときは、Jリーグのチームはどこも獲得に動かなかった。しかし後にデル・ピエロは年俸約2億円でオーストラリアのクラブに移籍してしまった。このようなJリーグ冬の時代に、なぜクラブの意思と逆行する移籍劇が起きたのか。その影には、広告代理店・電通の存在があるという。

 サッカーファンの間では有名だが、電通は2014年から2019年まで、Jリーグとマーケティングパートナー契約を結んだ。これによりテレビ露出やその他のプロモーションを電通が行うこととなった。Jリーグ2ステージ制移行、セレ女なる女性サポーターの増加、そしてフォルランの移籍……、短期間でこの話題の多さは電通の伝統芸である。現在、経済的に苦境に立たされているJリーグの救世主は電通だったというわけだ。
 Jリーグの経営が厳しい根本的な原因は観客数の伸び悩みである。これの解決手段は「試合数の増加」「ビッグマッチの開催」「スター選手の獲得」だ。2ステージ制にし、年間チャンピオンを決めるビッグマッチを意図的に作り出す。ワールドカップMVPというスターを、今注目されているクラブに連れてくる。プロモーションを任された企業としては、この戦略は完全に正しい。
 しかしこの強引な手法は選手との軋轢を生むかもしれない。一説にはフォルランの年俸は電通が負担していると言われており、もし本当ならば1つのクラブに肩入れする方針は疑問だ。

 また、遠藤保仁、川又堅碁が今年に入って突如ブログを開設。2人とも職人気質でブログをやるようなキャラではないし、その最たる性格の内田篤人もTwitterを開始。これも時代に合わせた戦略だが、遠藤と川又のブログを見ると、告知がメインで本人の綴った文章はほとんどない。内田のTwitterも本人が更新しているわけではない。選手のマスコット化をJリーグファンはどう思うだろうか。
 また2ステージ制も反対する選手が多数いながらも、半ば強引に決まってしまった。選手の気持ちは完全に無視された形だ。
 今回のJリーグ改革は上手くいくだろうか。電通とのパートナーシップが切れる2019年に、Jリーグはどのようになっているのだろうか?

(文・編集部)

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