創造を恐れない。若きトラックメイカ
ー/プロデューサー、pavilion xool
の視点 | Music DNA #31

成長は海外音楽と共に

ーエレクトロニック・ミュージックを聴き始めたっきっかけは何だったのでしょうか?

中1~中3まで毎年一人で<サマーソニック>に行ってたんです。グリーン・デイとかレッド・ホット・チリ・ペッパーズとかメジャーなアーティストを観ようと思ってたんですけど、他に出演していたイエールとかパッション・ピット、スミス・ウエスタンズ、フランツ・フェルディナンドとかがすごくかっこよくて。元々音楽はやっていたんですけど、その影響でだんだんエレクトロに寄っていきました。

ーそれ以前はどんな音楽を聴いていましたか?

60年代のソニックスやザ・フー、ドアーズ、ヘッドコーツ、マミーズとかのバンドが好きでした。ロックよりはMA-1を着てるようなモッズが好きだったんです。ちょうどガレージ・リバイバルとかもあって、ストロークス、ラプチャーとかも好きでしたね。でも、好きだったのは荒々しい部分というよりは、コードの展開が単調で4つ打ちだったところで、ダンスミュージックに近かったんです。だからその後はダフト・パンクやケミカル・ブラザーズのようなダンス・ミュージックに流れていきました。
ーモッズとダンスの共通点がうまく繋がりを生んだんですね。音楽自体はいつから始めていたのでしょうか?

幼い頃からクラシックピアノをずっとやっていました。でも器械体操と野球もやっていて、そっちのほうが楽しくてやめちゃったんです。結局また音楽をやりたくなるんですけどね。ピアノ以外のギターやベースは独学で始めました。

ー家に楽器がある環境だったんですか?

お父さんがロッカーで、バンドをやるために東京へ出てきた人なんです。あとお母さんはレゲエ好きだったんで、音楽の原体験として、車で出かける時ににボブ・マーリーとかドクター・フィールグッドとかが流れていた記憶があります。
あとは小さい頃、ビートルズの『ホワイト・アルバム』のCDディスクがそのままおいてあったんです。子供ながらに「これは他の音と違う!」って感じていて、よく勝手に流してました。
ーでは、小学生の頃から海外の音楽を聞いてたのはご両親からの影響なんですね。

それもありますが、友達の影響が大きいんです。僕は東京で生まれたんですけど国立市っていう東京の端の方なんです。そこへ大澤くんっていう背が高くて、かっこよくて、運動神経も良い超都会っ子が引っ越してきたんですよ。しかもお兄ちゃんがいたから音楽にめちゃめちゃ詳しくて、そいつが放送でかっこいい音楽を流すんですよ。

ー今でも連絡を取り合ってるんですか?

いや、お互い変なことですれ違って口をきかなくなって、それから大沢くんは不良グループに行っちゃったのでそれからは疎遠で。でも今は芸大に進んだらしいので、時が来たら会いに行きたいですね。

ー<サマーソニック>でエレクトロ・ミュージックに出会って以降は、どんな音楽をたどって現在のスタイルに至ったのでしょうか?

2012年位にバンドでやるエレクトロに手詰まり感があって、その辺でトロ・イ・モアとかウォッシュト・アウトとかダウナーなベッドルーム・ミュージックをよく聴いてたんです。同時期にレーベルに所属するんじゃなくて、全員クリエイターでBandcampとかで音楽を発信するコレクティブが流行ってたこともあって、SoundCloudとかで音楽を漁り始めました。それからウェイパー・ウェイヴっていうカルチャーが現れて、その枝分かれとして出てきたフューチャー・ファンクにめちゃめちゃハマったんです。
ーどういう所に惹かれたんでしょうか?

今までのサンプリングは1フレーズとか、ある部分を拝借して自分でアレンジして変えるカルチャーだったんですけど、フューチャー・ファンクはごっそり10秒とか7秒とか持ってきて、現代風に消化する代理人みたいな人がたくさんいて、映画を観てるような感覚になるんです。それで、こういう音楽をやりたいと思って、曲をいっぱい作ってSoundCloudに投稿し始めました。

ーもともとファンクが好きだったんですか?

それは逆輸入って感じです。フューチャー・ファンクを聴き始めて、自分もサンプリングしようと思ってヒップホップとかR&B、ファンク、AOR、シティ・ポップとかを聴き始めて、そっちもすごく好きになりました。その中でも一番引っかかったのがマイケル・フランクスやボビー・コールドウェルとかのAORでした。
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