坂本サトル・篠原美也子がシンガーソ
ングライターに焦点をあてたイベント
「the Meeting〜シンガーソングライ
ターと、出会う〜」の10回目を前に対
談でその魅力を語る

シンガーソングライターのイベントは数あれど、思い切ってトークを前面に打ち出したスタイルでそのいずれとも一線を画するユニークなイベント「the Meeting〜シンガーソングライターと、出会う〜」。毎回男女4組のシンガーソングライターをゲストに迎え、歌とともに、これまたシンガーソングライターである坂本サトル篠原美也子との同業者同士ならではのトークを通じて、歌い、創る心の中を普段とは違う形で探り、より深く歌を伝えていこうというものだ。15年1月にスタートし、今回10回目の節目を迎えることになったこのイベント。共同発起人であり、会場の横浜O-SITE始め多くのライブハウスを統括するシブヤテレビジョン田村浩一氏との対談形式で、MCを務めるふたりにその魅力を聞いた。
「シンガーソングライターって、何だろう?」
田村:まずはこのイベントを始めるきっかけ、みたいなところから教えてください。
篠原:田村さんが言い出したんですよ(笑)
田村:ハハハ、そ、そうでした(笑)もともとは、ライブハウスの企画として、シンガーソングライターの底上げというか、もっと多くの人に「シンガーソングライター」っていうものを知っていただけるようなイベントをやりたいなって考えてまして。「朝まで生テレビ」みたいな、本音討論会みたいなことも考えたりしながら、そんな話を篠原さんとしたんですよね。
篠原:私と、サトルくんもそうですけど、田村さんとは、もう15年以上前にnestとかWESTでやってた「東京百歌」というイベントからの長いおつきあいで。単に、ライブハウスのスタッフと出演者っていうだけじゃなくて、「最近どんな感じ」とか「なんか面白いことやりたいね」とか、いろんな話をしながら過ごしてきまして、今回のイベントもそんなふうに、わりと雑談みたいなところから話が始まりました。
田村:そうですね。
篠原:気がつくと、私は今年、サトルくんは去年、デビュー25周年になって、うんと年の違うシンガーソングライターと共演することもあるし、みんないろんなスタンスでやってるから、話を聞いてみたいなって思いながら、「シンガーソングライターって何だろう?」っていうわりとシンプルな問いかけは、いまさらだけど面白いかもって。
田村:篠原さんと話しながら、シンガーソングライターをゲストに呼んで、もちろん歌も歌ってもらいながら、トークでより突っ込んで行く、みたいなイメージが固まってきて、僕としては、MCもうひとり、絶対坂本さんしかいないなと。
坂本:光栄っす(笑)
田村:篠原さんも坂本さんも、音楽素晴らしい、そしてさらにトークが楽しいっていうのが僕の中ではすごく大事で。このふたりが司会だったら、シンガーソングライターたちの深い部分を、うまく引き出してくれるんじゃないかなって思ったんです。
坂本:僕のイメージとしては「トークの長いミュージックステーション」って感じかな(笑)基本的に歌は2曲。1曲歌って、僕とねえさんと3人でトークして、お別れにもう1曲。これを4組やる。
篠原:1曲目は、まあご挨拶、なんですけど、私もサトルくんも客席に降りて歌を聴く、で、その聴いた感じと事前の簡単なアンケートやプロフィールをもとにトークに入って行くわけですけど、トークやってからの2曲目は、不思議なもんで、より歌がわかるっていうか、お客さんからもそういう感想いただくこと多いんですけど、歌が入ってくるのね。
坂本:みんなもちろん普段ライブでMCやるけど、自分のライブだと自分が話しやすいこと話しますよね。このイベントのトークは、別に難しいこと聞くわけじゃなくて、「好き嫌いある?」とか、わりとどうでもいいこと話しながら、でも気がつくといつもは話さないこと話してたりするから、結果その人に近づいてるっていうか、だから歌にも近づけるんじゃないかな。

「様々な出演者たち」
田村:出演してくれた皆さんにも、好評ですよね。
坂本:みんな最初はどんなことになるんだろうって、いちおう不安そうではあるけど、終わったあとは「楽しかった!」って帰って行きますよね。
田村:こちらも半ば手探りで始めたイベントだったんですけど、今回めでたく10回目を迎えることになったわけで。毎回4組、これまで36組のシンガーソングライターに出ていただいたんですけど、印象に残ってるアーティストとかいます?
篠原:みんなそれぞれでしたねえ。知ってる人も、初めて会う人もいましたけど、みんな個性的で。
坂本:柴草玲さん、すごかったな。あの人、天才。歌の凄さ、演奏力の高さ、そしてトークのギャップ。あと、大野賢治くん。スターダストレビューに会って泣いちゃったエピソードとか(笑)
篠原:いつのまにかラーメン屋もやってた東野純直くん。衝撃的だった〜。私同期デビューなので。
坂本:蕎麦屋で修行した谷口崇くんもいたな。
篠原:動物が好きで、当時動物病院で働いてたヒメノアキラちゃんとか。みんな、悩んだり考え込んだりしながら、それでもステージに立って歌うっていうドラマがあるんだなと。
坂本:普通のイベントだと、「わあよかった! 次また出て!」って話になるんですけど、そこがこのイベントのいちばんの特徴っていうか、「シンガーソングライターと、出会う」なので、いちど出会っちゃった人は二度とお呼びすることはありません(笑)
篠原:そのうちゾンビ枠作って復活させますか(笑)
「これからのthe Meeting」
田村:the Meetingの今後というか、展開のイメージとか、どんなでしょうね。
篠原:イベントとしての枠というか、骨組みは出来てると思うので、そこを住みやすくしていく、みたいなことはやりたいな。テーマ曲を決めるとか。それを聴くとこのイベントを思い出してもらえるっていう感じの。
坂本:出演者数を減らして、もっとがっつり掘り下げる回があってもいいかなあ。ネットで拡散しやすいように、イメージ映像を作ってみるとかもいいかも。
篠原:いろんな世代の、いろんなキャリアのシンガーソングライターにぜひ出て欲しいなあと思ってます。そのために、何をしたらいいかなって。自分のMCも、もうちょっと上手に皆さんの面白いとこ引っ張り出せるようになりたいなあ。
坂本:もともと田村さんの発案からって話が最初にあったけど、長く続いてきてるのは、そういうとこにも理由があると思うのね。やってくださいだけでも、やらせてくださいだけでも、ダメだったんじゃないかな。お互いに、面白いことやろうってことが一致して、リスクを分け合ってきたから続いてきたと思う。だから、そういう関わりをこれからも大事にしたいと思うし、田村さんにも、O-SITEのイベントスタッフにも、感謝。
篠原:ほんとうに、それ大事。感謝。

「あなたにとってシンガーソングライターとは?」
田村:篠原さん、坂本さんも、MCだけじゃなくて、毎回歌ってもらってます。
坂本:ねえさんがオープニング、僕はエンディングで、2曲ずつ歌わせてもらってます。
篠原:何回やっても、このイベントのオープニングが史上最強に緊張する(笑)
坂本:わかる! あれはマジで緊張するよね(笑)
田村:毎回、出演者全員に「あなたにとってシンガーソングライターとは?」っていう質問を必ずするんですけど、今日は最後に、この質問をおふたりにもしていいですか? まずは坂本さん。
坂本:えーっとね、僕は1回目の時に言ったと思うんだけど、「シンガーソングライターっていうのは、全部が足りない人」だと思ってるんだよね。詩人にはなれず、作曲家にもなれず、シンガーにもなれない。だけど、この足りないみっつが合わさった時、他にない凄いものが出来る、と、僕は思ってます。
田村:では、篠原さんにとって、シンガーソングライターとは?
篠原:ナイショです。
一同:(笑)
田村:坂本さん篠原さん、ありがとうございました。最後に、これを読んでくださってる方へ。僕らライブハウスの人間にとっても、毎回手応えのあるイベントは大事です。スタッフでありながら、毎回このイベントを楽しみにしてますし。全員で12曲しか歌わないのに3時間超えちゃうんですよね(笑)でも、時間を感じさせない、自信を持ってお届け出来るイベントだって思ってます。だから、たくさんの人に知って欲しい。歌が好きな人、言葉が好きな人、何より、人間が好きな人、ぜひ会場に足を運んでみてください!

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