ウルフルズ、30周年イヤーの『ヤッサ
2018』で1万5千人を前に3人体制での
再出発を宣言 新曲リリース&ツアー
開催も発表

9月29日(土)ウルフルズが、大阪・万博記念公園もみじ川芝生広場で野外ライブ『クリアアサヒ presents OSAKAウルフルズカーニバル ウルフルズがやって来る!ヤッサ2018 ガッチューOSAKA!』を開催した。
毎年恒例の『ヤッサ』。結成30周年イヤーの開催となった『ヤッサ 2018』は、あいにくの雨模様の中での開催となった。台風24号が接近し開催が危ぶまれたタイミングではあったものの、無事に決行。会場には15,000人を超える大勢のファンが集結した。会場内の客席後方には屋台が出店があったり、ピクニックエリアにウルフルズの3人の等身大パネルが設置されていたりと賑やかな会場では、天候状況が芳しくないなかでも来場者が楽しそうな表情を浮かべて過ごしていたのが印象的だった。このピースフルな野外ライブこそが『ヤッサ』なのだ。
ステージ上には「ULFUL BROTHERS BAND」と書かれた大きな看板が掲げられ、映画『ブルース・ブラザーズ』を彷彿とさせるレンガ調の装飾も施されていた。まるでミュージカルの舞台さながらのステージ装飾に、まず圧倒される。会場内に流れるBGMも心地よいロックサウンドで、開演を今か今かと待ちわびるファンが、徐々に高ぶっているのが伝わってくる。昼過ぎまで土砂降りだった雨は、開演時間30分前には止み、空が明るくなるという奇跡的な状況になったのも、30年間にわたって日本の音楽シーンを華やかに彩り続けてきたウルフルズが持つ強運のおかげなのだろうか。
撮影=渡邉一生
BGMが止まると同時に、客席からは「待ってました!」と言わんばかりの拍手が。オープニングSE「世界の国からこんにちは」がかかると、オーディエンスは元気良く手拍子で応えた。会場中が平和な雰囲気に包まれると、『ブルース・ブラザーズ』さながらの黒スーツ上下に黒縁サングラスをかけたサンコンJr.(Dr)が颯爽と登場。続いて勢い良く噴射するスモークにまみれてジョンB(B)が現れ、来場した観客に感謝の意を表すように手を振りながらゆっくりとステージ歩く。そんな和やかな雰囲気の中、アメリカのソウルシンガー、オーティス・レディングの名曲で、やはり映画『ブルース・ブラザーズ』でもお馴染み、「I Can’ t Turn You Loose」からこの日のライブはスタート。ジョンB、サンコンJr.に加え、なんとこの日はギタリストに真心ブラザーズの桜井秀俊が参加。キーボード✕2、トロンボーン、トランペット、サックスのホーン隊を交えた特別編成で展開した。ステージ上のメンバー全員が『ブルース・ブラザーズ』コスチュームでばっちり身を固めて登場し、その後、総勢40名にもおよぶ華やかなダンサーたちが踊りながら姿を見せた。そして突如特効の花火が鳴ると同時に、トータス松本がステージ下からせり上がって登場。テンションMAXの状態から1曲目「ウルフルズA・A・Pのテーマ」がスタートし、お馴染みの「A・A・P」のフレーズで会場は一気に一体感に包まれた。
2曲目の「せやなせやせや人生は」の演奏後、トータス松本はギターを持ち「大阪!1年ぶり!ウルフルズです!ありがとう!ヤッサが始まったときは3人やった。その後4人になって、また3人になった!」と、今回からまた新たに3人体制となったウルフルズをアピール。ライブがスタートする直前まで雨が降り続いていた天候に「みんなのエネルギーがぶわーっと雲になって雨が止んだ!」と、奇跡的な天候の回復を会場とともに祝福した。そんな中、「大阪府知事の松井一郎さんが駆けつけてくれました!」とトータス松本が声を上げると、松井氏が登場。「世界の国からこんにちは」を歌いながら登場した松井府知事は、「大阪文化芸術フェスの幕開けということで、みんな楽しんでください!」と挨拶した。
「じゃあ、ぐいぐいいくぞ!ヤッサ!楽しんでいこう」というトータス松本の声を皮切りに、「バンザイ~好きでよかった~」に突入。トータス松本の第一声から一体感が生まれ、お馴染みの大ヒット曲で客席はすでにウルフルズの虜に。「次は関西電力のCMで流れている“パワー”という曲を」と、一声目の「パワー!」というフレーズが始まると同時に大勢のダンサーが再び現れ、ステージを華やかに彩った。その流れで、5曲目「SUN SUN SUN ‘95」へ。ダンサー全員が水着姿となり、ステージ上はさらに華やかに。ライブ当日は若干肌寒い陽気だったが、「さんさんさん おてんとさまさま」のフレーズでお馴染みのこの曲の間は、今夏の雰囲気を感じさせた。「金の切れ目は?」の問いに「縁の切れ目!」と客席が答えて始まったのは、6曲目「借金大王」。トータス松本が自身の弾くギターの音に合わせてステージを闊歩すると、観客もその動きに合わせて拍手で応える。
そしてメンバー紹介に突入。「みんな知ってるウルフルズのベースはジョンBです」と紹介されたジョンBは、「本当に雨が止んだのが嬉しい!」と素直な気持ちを声にしていた。「俺たちのバンドのドラムはサンコンJr.!」と紹介されたサンコンJr.は「(ヤッサの前は)いつもそわそわするけど、今日ほどそわそわしたことはないです!」と、開始直前まで続いた悪天候を心配していた気持ちを観客に向かって吐露。「魂を揺さぶる男!トータス松本!」と紹介されたトータス松本は客席に向かって「下は結構ぐちゃぐちゃしてるよね?靴が濡れるのって本当嫌よね!」と優しい声をかけ、会場を一気に和やかなムードに導く。「大阪の、大阪による、大阪の為の、大阪ストラット!」というトータス松本のMCでスタートした「大阪ストラット」では、「大阪」のコールアンドレスポンスで、終始一体感が生まれていた。
撮影=渡邉一生
前半戦が終了すると、芸人・AMEMIYAが登場。「雨を吹き飛ばすウルフルズファンの皆さん、AMEMIYAも大のウルフルズファンです!今回このヤッサでは生でこの歌を披露したいと思います!」と呼びかけ、昨年インターバルのVTR内で披露した「ウルフルズに捧げる歌」に続く「続・ウルフルズに捧げる歌」を披露し、会場を涙と笑いに包んだ。
ピンクのシャツとパープルのベストに衣装チェンジしたトータス松本を筆頭に、バンドメンバーがステージに再度登場。「まいどハッピー」から後半戦がスタートした。13曲目の「明日があるさ」では、「最近ヤッサでしかやらなくなってきたけど今日はやるよ!」とお馴染みのフレーズに合せて華やかな衣装に着替えたダンサーが再び登場。途中ラジオ体操のような動きをコミカルに表現しながら、会場を盛り上げた。これにより、会場の一体感はさらにアップ。「さっきから何度も言っているとおりギターは真心ブラザーズの桜井秀俊くんです!」と桜井を紹介。「真心ブラザーズの曲をやろうと思います。これはすごいよ!」と、14曲目には真心ブラザーズの名曲「ENDLESS SUMMER NUDE」をホーン隊を従えて完璧に演奏。トータス松本がソウルフルでセクシーな歌を披露した。
「次は新曲です。去年年末にかけて御礼行脚で全国を回ってた中で、大阪で25周年ありがとうございましたということで、朝日放送にお邪魔したときに、『おはよう朝日です』のオープニングを作ってくれませんか?と言われて、その話を受けて作った曲です。ウルフルズもちょうど変わり目、音楽業界も変わり目。いろんなことが変わり目と思って作った歌です」という曲紹介の後、15曲目「変わる 変わる時 変われば 変われ」がスタート。引き続き天候は雨模様ではあったものの、客席は最新曲に聞き入っていた。ステージ上のモニターにはABC朝日放送「おはよう朝日です」で放送された映像が映し出される一幕も。続く「サムライソウル」「笑えれば」といったお馴染みのヒットソングで再び会場が盛り上がる。
ステージ中央に突如出現したミラーボールが煌々と輝き、ステージ上が一気に煌びやかに演出。続いて、セクシーな女性ダンサーがステージ両端から現れた。ビートに合わせて突如ステージからはけるトータス松本は、スパンコールのジャケットにレトロなサングラスをかけ、衣装チェンジし再びポップアップ登場。炎の柱がステージ前をド派手に彩り、陽が暮れてきた会場にセクシーな照明が冴えわたった。
その流れで、間髪言わず「愛がなくちゃ」に突入。「ここで手拍子に合せて例のジェット風船!」と、観客が風船を膨らませる。客席がジェット風船でいっぱいになったタイミングを見計らい、トータス松本は「愛がなくちゃ!」と歌い始める。演奏に合わせて応えるように風船を振りかざす客席、会場全体が色とりどりの風船……「愛こそが全てさ~!」のフレーズに合せて観客が風船を一気に放つその景色は圧倒的だった。
「次はそれが答えだ!これがウルフルズの答えです。君の答えは?」と客席に問いかけ、ステージ中央から客席に伸びるランウェイをゆっくりと歌いながら歩くトータス松本。ピンスポットがスパンコールのジャケットを一層煌びやかに見せてくれる。そして、今度は会場で販売していたグッズTシャツに短パンというコスチュームに着替えた総勢40人のダンサーが颯爽と登場し、再びステージを彩る。トータス松本は、「もう日も暮れて最後の曲なんです、今日みたいな雨の寒い日にこんな熱い思いにさせてくれてありがとう!」と客席へ感謝の思いをストレートに伝える。本編最後の曲となった「いい女」を演奏し終えると、「どうもありがとうみんな!ウルフルズでした!」と約2時間半に及ぶステージをやりきった清々しい顔で客席に挨拶しステージを後にした。
撮影=渡邉一生
アンコールを求める「A・A・P!」という掛け声と拍手。ウルフルズの3人は、グッズTシャツを着て登場。「カモーン大阪!」というトータス松本の掛け声でド定番局「ガッツだぜ!!」がスタート!途中、ラインウェイの先で倒れて横たわったトータス松本が、再び起き上がったタイミングで派手な特効と炎が舞いあがる!演奏終了後、ド派手に花火が打ちあがると再びバンドメンバー紹介で締めくくった。
この日のアンコールは1度では終わらない。ダブルアンコールでウルフルズの3人が肩を組んで登場した。「ありがとう!改めてこんな天気の悪い中、来てくれてありがとう!こうやって開催出来て良かったありがとう!」と、客席にトータス松本が感謝の意を述べると、「来年2月から3月に対バンツアーを3人でやります!今日のヤッサとは全く違うウルフルズがまた見られると思うので、宜しくお願いします!アンコールは3人だけでやります!」という宣言と共に、「ええねん」をトータス松本、ジョンB、サンコンJr.の3人体制で演奏。今年の『ヤッサ』の最後は、バンドの新たな門出をお祝いするかのような強い雨も相俟って感動的なステージに。ライブの終わりを惜しむファンに「また来てね!ウルフルズでした!」と爽やかに伝え幕を閉じた。雨が降り続いたライブだったが、新旧織り交ぜた全23曲のパフォーマンスをやりきりった。日本を代表するワンダフルロックバンド・ウルフルズは、結成30周年を迎えて、また新たな境地に立った。
また、ウルフルズはビクターエンタテインメント内のレーベル・Getting Better Recordsに移籍することを発表。最新楽曲「変わる 変わる時 変われば 変われ」を10月3日に配信限定でリリースし、2019年には東名阪Zepp対バンツアーを開催する。
ウルフルズ 

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